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はとり さんの投稿された作品が6件見つかりました。
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月雫?
病室に入ると、雪月は体を起こして手のひらを見詰めていた。「雪月……何を見てるんだい?」雪月は、手のひらにある月の雫を差し出した。「これのおかげで、私は助かったんだよね……。」どんなに年月が経とうと、変わらず輝き続けていた月の雫のひかりは、さっきより弱々しくなっていた。「それ……。」雪月は、昨日の続きを話し始めた。「月姫は、私と違って外には一度も出してもら得なかったんだよ……だからね、私が見せ
はとり さん作 [273] -
あいつ?
あれからクラスは変わらず、中学生になっていた。 あの日から、私は密かにあいつを気にしていた。相変わらず、言い合いになることもあった。たまに傷つくことを言い合ったことも…けれど、不思議と平気だった。 そして、よく周りからこう言われた。「友紀って、祐也のこと好きなんだろ?」又は、「祐也が、お前のこと好きなんだってー付き合えよ(笑)」目の前にあいつがいるのを知ってて、わざと聞くところに戸惑った
はとり さん作 [463] -
あいつ
私は、クラスのあいつが大嫌いだった。いつも体当りしてきて、そのたび私は突き飛ばされた。「ねぇ、何であいつっていっつも体当りしてくるのかな……。」私は、友達に聞いてみた。すると友達は、「きっと、あんたのこと好きなんだよ。」「あり得ないって(笑)」私は、そんなこと考えるのも憚れ、話をわざとそらした。 ある日、さすがに我慢出来なくなり、思いきってこういった。「あのさ、一応女子なんだけど……やめて
はとり さん作 [527] -
月雫?
次の日の朝、雪月はなかなか起きて来なかった。ボクは、そんな雪月を起こすため、部屋の前にいた。(コンコン) 「雪月、朝だよ。」「……。」「雪月?……雪月!!」返事がない…ボクは焦って力いっぱいドアを押し開け、部屋にけこんだ。 雪月は、真っ青になって死んだように、ベッドで眠っていた。「雪月!!……しっかりするんだ!」雪月は、微かにまぶたを動かしたが、そのままぴくりともしなくなった。 「どっ、ど
はとり さん作 [295] -
月雫?
最近、雪月が不思議な夢の話をするようになった。「あのね、月姫の夢を見るの、たくさんの人たちを幸せに導きながら、宮で1人孤独に生きてるの……でもね、月姫は誰かを幸せにするたび自分の命を削ってしまうの……それでも月姫は誰かを幸せにする事を止めない……。」ボクは悲しくなった。それは悔しさとやるせない気持ちがまざったような感覚だった。「……お兄ちゃん?」気付くと涙が溢れていた。ボクは焦った。「私もね
はとり さん作 [341] -
月雫
昔、妹が原因不明の死の病だと知った時、僕は神にひたすら祈った。そんなある時、小さな輝く欠片を拾った。あまりにきれいなそれに、ボクは月の雫と名付けた。不思議なことに、それを見た妹は、元気を取り戻した。…あの日から10年………。「お兄ちゃん、どうしてこの石はずっと輝き続けているの?」妹の雪月(ゆつき)が、僕の膝の上に頭を置いて、月の雫を眺めていた。「それは、月に住む月姫が流した涙が固まって出来た石だ
はとり さん作 [354]
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