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阿部和義 さんの投稿された作品が82件見つかりました。
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オンリー・ザ・ヤング (3)
あれからヤングがどうなったのかは知らない。 奥さんと別れて、悠美ちゃんと一緒になった可能性は高いと思うのだけれど、この際そんなことは知らなくていいのかもしれない。 ヤングだったら、テレビで紹介されるような流行のスポットに行ってみれば、ふらっと現れて何事もなかったかのように、あの人懐っこい笑顔で話しかけてくるに違いない。 そのときはきっと「寺田さん」と呼ばずに、ヤングと呼んでしまうだろうけれど。
阿部和義 さん作 [426] -
オンリー・ザ・ヤング (2)
「寺田さんと悠美ちゃんが付き合ってるらしいよ」 悠美ちゃんは入社二年目で、小柄で大人しくて目立たない女性だったし、目鼻立ちがはっきりして可愛い子という印象しかなかった。 どういった経緯で二人がそんな関係になったのかは知らない。ヤングが悠美ちゃんの部署に異動になったのは、奥さんが流産したすぐ後だったことを考えると、ヤングの心のどこかにぽっかりと空いた隙間から、たまたま悠美ちゃんが入りこんでしまった
阿部和義 さん作 [421] -
オンリー・ザ・ヤング (1)
僕が仕事上でも、プライヴェートでも最もお世話になったのが寺田さんだ。 彼は、僕よりもだいぶ年上だったのだけれど、年の差をまったく感じさせないくらい見た目が若々しかった。流行にも常に敏感で、他の年上の同僚たちに比べても常に考え方は今風であった。 そんなことから、僕は寺田さんのことを密かにヤングと呼んでいた。特別な存在として、どうしても愛称をつけたい衝動に駆られたのだ。 無論、本人や同僚の前では「
阿部和義 さん作 [443] -
巨乳 (2)
入社は僕より遅かったけれども、大卒の大下さんは美沙子さんよりも年上だった。年頃であった美沙子さんとしては、将来の幹部候補生でもある大下さんを捕まえて、寿退社というのは理想の展開だったのだろう。 すでに退寮していた美沙子さんは、会社近くのアパートで一人暮らしをしていた。当然のように寮生だった大下さんは週末には決まって外泊する。 金曜の夜、残業が終わって寮に戻ると、大下さんの名札が【外出中】の赤色
阿部和義 さん作 [1,118] -
巨乳 (1)
もし美沙子さんに出会わなければ、巨乳好きの遺伝子は形成されなかっただろう。 美沙子さんと仕事をするときには、目のやり場に困った。 冷暖房完備の職場だったこともあって、作業着は薄手の生地で時折下着が透けて見えるのも拍車をかけていた。襟元のボタンを一つでも多く外していたのなら、もう視線はそこに集中して仕事になんてならなかった。 まだ十代だった僕にはあまりにも刺激が強過ぎた。おかげでレンタルビデオ店
阿部和義 さん作 [622] -
負けられない闘い
生死を賭けた、とは言いがたいが、この世で生きていくためには、様々な闘いを避けては通れない。 俺はある闘いにおいて3連敗中だ。なに、難しいことは何もないのだがルールをちゃんと守れさえすれば勝利するのだ。 しかし、俺は最近そのルールを守れない。 明日はその闘いの日。明日こそは負けるわけにはいかない。 そう決意すると俺は、ベッドに入り深い眠りについた。 翌日の朝、大荷物を持
阿部和義 さん作 [712] -
夢の男
女は眠りにつくと、毎晩同じ夢を見た。異国の地で理想の男が現れる幸せな夢だった。 だが女は悲しみに暮れていく。いつも夢が途中で途切れるからだ。 それでも女は夢の男を忘れることが出来なかった。 女は、夢で見る異国の地を旅して回ることにした。 真新しくも懐かしい印象を与えてくれる異国の地は、次第に女の心を癒やしていった。 ある時、女は夢の男にそっくりな男を見つけた。勇気を振り絞り男に声をかける
阿部和義 さん作 [464] -
犯罪者判別装置
ある裁判所で画期的な装置が作られました。 「人間には犯罪誘発遺伝子が存在し、この判定方法を使えば簡単に凶悪犯罪者をみつけだす事が可能になります」 「判別率99.9%か、なるほどこれはすごい!」 さっそくこのシステムは裁判に取り組まれ、ベルトコンベアに乗せられた凶悪犯罪者達が次々と処刑されていきます。 「まさか大統領が犯罪者だったとは、この装置は本当に素晴らしい! 今日は1000人分の書類
阿部和義 さん作 [523] -
ムカデのダンス
むかーしむかしあるところにダンスが得意なムカデ君がいました。 50本の足を変幻自在に操り、本能のまま踊るその姿をひとたび見れば誰もが虜になり、森のパーティでムカデ君が踊ればみんな釘付けになってしまいました。 しかしたった一匹、それを快く思わない生物がいました。蛙君です。 蛙君はムカデ君の素晴らしいダンスに嫉妬し、ムカデ君を貶めてやろうと悪魔の企みを企てました。 ある日蛙君は手紙を書
阿部和義 さん作 [492] -
工場見学
一人の男がゴム工場の見学に来ています。 最初の場所で彼は哺乳ビンの口の部分を作る機械を見せられました。機械は「シュー、ポン!」という音を立てています。 「この”シュー”という音はゴムが鋳型に挿入されている音です」とガイドの人が説明します。 「ポンという音は哺乳ビンの口の部分に穴を針で開けている音です」 その後、見学のコースはコンドームを作る場所に来ました。機械は、「シュー、シュ
阿部和義 さん作 [751]