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十日十月さんの投稿された作品が328件見つかりました。

 
  • alone 26=助かるか?=

    ――ガチャッ去ろうとする水鶴に、先程の銃の男が銃を向けた。「このまま帰すと思ったか!?」――パンッ!男の だみ声とは対称的な、軽い音が響いた。しかしそこに水鶴はおらず…「死にたくなければ動く…な」いつの間にか男の銃は真っ二つに斬られ、首もとには圭の鎌が添えられていた。少々首に当たっている為、少量の血が流れている。「…ッこの…!!」「動けば殺す。声を出しても殺す。わかったら黙って目を閉じ…ろ」圭の
    兼古 朝知 さん作 [357]
  • alone 25=害意はない=

    そこへ騒ぎを聞きつけた皆神側の男が、銃を携えて現れた。「!! 中村に柊だな!?」男が銃を構えた時。「我々に害意は…無い!!この中で最も医療の知識をつけている者を…出せ!!お前たちの仲間、山口晶が重傷…だ!!」喋り方は相変わらずではあるものの、圭が声を張り上げ、水鶴をかばい前に出る。「晶…?背中のコは晶君なのか…!?」「このままだと死ぬ…ぞ!早く…しろ!!」圭はギロリと銃を構えた男を睨んだ。水鶴は
    兼古 朝知 さん作 [370]
  • alone 24=皆神パニック=

    「……」「…」それ以降 三人とも何も喋ることなく、皆神の陣地の目印である青い旗が見えてきた。「そろそろ…です」「あぁ、そのようだ。晶、どこが入り口だ?」「…」「…晶?」「…はっ…ッはぁ…はッ……はぁ…」晶は荒く呼吸をするだけで、何も返さなかった。恐らく、血を流しすぎたのだろう。「…ちッ、何を死にかけている!!」水鶴は そう吐き捨て、勘を頼りに入り口を探し、臆する事なく陣内に入っていった。柊は黙っ
    兼古 朝知 さん作 [358]
  • alone 23=その腕は=

    「…圭。…柊 圭」晶は水鶴の背中越しに、圭を呼んだ。「何…だ?」低く、掠れた声で圭が返事をする。「お前のその腕は…どうして…?」晶は圭の左手の鎌のことを言っていた。その瞬間、晶を背負う水鶴の体が少し強ばった。「お前には関係の無いこと…だ」「ははッ…。言うと思ったけどな」晶はそれ以上追求しなかった。水鶴の体が強ばったのに気づいたからだ。言いたくない経緯(いきさつ)がある。それだけわかれば十分だった
    兼古 朝知 さん作 [324]
  • alone 22=殺してやる=

    晶は意味がわからず、聞き返した。「その傷を治せ。1週間待つ。またここに来るがいい…。その時に…私がお前を殺す。殺してやる…ッ」水鶴は晶を背負った。「…水鶴様、代わり…ます」圭がすぐさま水鶴に申し出るが、水鶴はそれを断った。「いい。皆神の奴らは私を攻撃するだろう…。お前はその攻撃を防いでおけ。できるな?」「勿論…です」圭は頭を下げた。(今の…)晶は ふと思った。(今の水鶴の顔…昔みたいだった…)そ
    兼古 朝知 さん作 [334]
  • alone 21=変わったよ=

    「わかりまし…た…。水鶴様…」左手の鎌の血を振り払い、圭は水鶴の下へ戻る。「み、つる…!!」うつ伏せに倒れ込んでいる晶が、朦朧とする意識の中 水鶴の名を呼ぶ。「そうしていればそのうち死ぬだろうな、晶」水鶴は晶の近くに行き、死にかけた晶を見下ろしながら言う。「なら何故とどめを刺さねぇ…!?」「…尽きる命に興味など無い」「…なぁ、水鶴」「何だ?」「どうして…人を殺せるようになったんだ…?」「…さぁな
    兼古 朝知 さん作 [329]
  • alone 20=もういい=

    「い゛っでぇ…!!…だ いじょう ぶか?夕…」晶だった。夕の前に立ちはだかった晶の背に、赤い線が大きく入り、そこからじわじわと赤色が広がっていく。晶は夕に笑いかけたが、その表情を見て余計に夕が固まった。「晶あんた…!!何で、何で…!?」夕は泣きそうな顔で言う。「お前は…ぐ、ぅう、沢井のオッサン…診てやんなきゃ…いけねーんだろ…!?早く…行って、きやがれ…」「でも…でも!!」「早くしねーと手遅れに
    兼古 朝知 さん作 [367]
  • alone 19=死にたくない=

    「悪く思う…な。これが戦い…だろう?」ぼそぼそと柊が言う。「やだよ!!あたし まだ死にたくないもの!!」夕は後ろにさがろうとした。だが、足がすくんでいたせいで小石に躓き、ガクリと膝をついてしまった。「いや…やだよ…!!」夕はがくがくと震え、目には涙が溜まってきた。「一瞬…だ」圭が鎌のついた左手を振り上げる。「ぃやあぁあぁぁあ!!」――ザクッ!!「…ッぅぁあ!!」苦悶の声をあげたのは…「あき ら…
    兼古 朝知 さん作 [353]
  • ゆっくり歩きましょうよ

    ゆっくり歩きましょうよいつも通りの朝焼けをふわりと笑って迎えましょうよやがて訪れる春の暖かさを焦れることなく迎えましょうよゆったり眠りましょうよ日々変わりゆく夕焼けをゆるりと笑って送りましょうよやがて過ぎ去る冬の寒さを急かすことなく送りましょうよたまにはいいんじゃないですかね流行に乗らなくてもたまにはいいんじゃないですかねふわりゆるりと笑ってもゆっくり歩きましょうよ
    兼古 朝知 さん作 [408]
  • alone 18=何で来た!?=

    そこには夕がいた。夕は目の前にいる要注意人物、水鶴と圭を見て立ちすくんでいる。「夕!!お前ッ…!何で来た!?」晶が怒鳴るようにして尋ねると、夕は びくりとして答えた。「ち、違うの!!晶を追いかけたわけじゃなくて…沢井さんが怪我したって聞いて…迷って…そしたらここに…」その語尾は消えかかっていた。夕は医療班に属している。戦いの際に傷を負った情報を得れば、たとえ戦場でも出ていかなければならないのだ。
    兼古 朝知 さん作 [338]
 
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