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かんたろう さんの投稿された作品が6件見つかりました。
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煙突のある町 #3
月曜日の朝7時朝礼の時間班長が今日の仕事の内容を告げるなんら変わらぬ仕事内容第三班の班長が話している途中隣やつの顔がみるみる青くなり、汗が噴き出してきた小さな声で大丈夫かと訪ねたが、力無く頷くだけであった目は、合わせようとしない何分も経たないうちに倒れた全ての注目はそいつに集まった…動かないまわりのやつらは心配して集まってきた誰かがそいつに手を触れた瞬間、さっと立ち上がり、いきなり叫んだ「我々は
かんたろう さん作 [275] -
煙突のある町 #2
さすがに10年もたてば、町は以前の物とは変わってきていてあの時、すでに汚れていた川は今、耐え切れないニオイがするそれが漂う街中を一人歩く残業をさせられた帰り道、街灯の少ない道そんな道のわずかな街灯は、チカチカとおぼつかぬ明かりを燈しているまるで、町がSOSを知らせてきているようだった部屋に着いたらもう12時をまわっていた母はもう寝ている起こさぬように、静かに食事を済ませたこのオンボロなアパートは
かんたろう さん作 [270] -
煙突のある町
高い煙突のある町…その町の煙突赤と白のストライプは一見鮮やかだしかし汚れた空気を吐き出している戦後の高度経済成長により、僕の町に大企業がきたたくさんの従業員、そしてその家族企業が来たことにより、町の雇用は格段に増えた僕の父もその企業の工場で働き始めた初め、喜び活力に満ちていた父は半年後には見る影もなく痩せて落ち窪んだ頬は、しゃべる際にもほとんど動かない母は僕の前では気丈に振る舞うまるで母の姿をし
かんたろう さん作 [311] -
青き心は遠く、
浩紀はホームルームが終わるとすぐに、「先に行ってるから。校門で待ってる。」とだけ言い、教室を出た。浩紀の相談というのは、バンドを組みたい。というだけのものだ。昌也に言ったら呆れるだろう。だが、浩紀は本当にバンドを組みたかった。浩紀が好きなバンドは、「THE BLUE HEARTS」であった。ブルーハーツを聞いた日からロックというものを好きになったのだ。ブルーハーツみたいになりたい。バンドを組みた
安家 延昭 さん作 [311] -
青き心は遠く、
浩紀は教室に戻るまでの間も、何かぼーっとしているようだった。いつも、多弁とまではいかないが、たわいもない話ぐらいはする。だが今日は昌也の話に短い相槌を打つだけである。「浩紀、お前なんかあったのか。」やはり、黙ったままだ。昌也はそっとしておこうと思った。話たくないことなのだろう。「…昌也」浩紀は小さい声で昌也を呼んだ。「今日の放課後、暇か。話たいことがある。」「ああ、暇だよ。わかった、放課後な。」
安家 延昭 さん作 [280] -
青き心は遠く、
「高いとこが好きな奴はちょっと変わっている」昌也はそう思っていた。そのいい例が今、昌也の目の前にいた。浩紀は昌也など気にしていないといったような表情をしていた。冬の切り裂くような風を受けているが寒がる様子もない。「浩紀、降りてこいよ。俺はもう中に入るぞ。」昌也は大声で言い校舎の中に入った。かじかんだ手を擦りながら待っていたが、来る気配はなかった。…まただ。思いながら、昌也は外に出た。やはり風は体
安家 延昭 さん作 [282]
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