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リュウ さんの投稿された作品が14件見つかりました。
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いのり?
私を抱きしめながら男が言った。終わらせたくて言ったんじゃない。本当の事を知ってほしかった。隠したくなかったんだ。私はやっとの思いで顔をあげ、男を見つめて言った。でも、もぅ会えません。精一杯、男とこれから生まれてくる子供の幸せを想って言った言葉だった。また涙が溢れた。男を困らせたいわけじゃない。泣いて男に慰めてほしいわけじゃない。未練を伝えたい訳じゃない。ただ、会えなくなる事を受け入れたくないのに
リュウ さん作 [136] -
いのり?
その言葉を聞いて、ふとある事を思い出した。 男に想いを告げられた日、帰りの車の中で男が始まりがあれば、どんな形でも終わりがある。いつかお前を失う事になるなら…いっそ気持ちを伝えない方がいいと思った。だから本当はこの気持ちを言うつもりはなかった。と言っていた。終わりって、この事か…。そぅ思った。男は、子供の事を言ったら、お前が終わりにしようって言うのは分かってた。お前はそういうやつだから。自分
リュウ さん作 [114] -
いのり?
全く気のきかない言葉。それでも私にはやっと出た言葉だった。 男が私の顔を見つめているのが分かった。でも、私は男の顔が見れなかった。見たら、どうなるか分かっていたからだ。 混乱して茫然としている私の手を男がとった。男も私の手の汗を感じたのだろう。 それから男はまた話し始めた。妊娠はこれで二回目なんだ。でも一回目は流産して、生まれてくることはなかった。それから、夫婦の中でもすれ違いとか価値観の違いと
リュウ さん作 [119] -
いのり?
豊富に話題を出す男が、しばらく沈黙した後だった。ゆっくり男が覚悟を決めたように話し始めた。どうしてもお前をここに連れてきたかった。あの滝での願掛けは俺にとって、すごくきくんだ。何年か前来た時は、結婚する相手と会えるようにって祈ったんだ。その何日か後に出会ったのが今のカミさんだ。男の話に、私は、縁結びの滝で願掛けした後に出会って、本当に結婚するなんて…出会うべくして、出会ったみたい…。男と奥さん
リュウ さん作 [124] -
いのり?
男に離婚してほしかったわけじゃない。もし、簡単に離婚するような男だったら、好きにはならなかっただろう。それに、私には男と男の奥さんの人生をまるっきり変えてしまう程の覚悟もない。 ただ、男を真剣に好きになっていた私にとって、離婚の気持ちが見えない事は淋しい事でもあった。 私だけを愛してほしい、私が男の中で1番であってほしい。でも、永遠の愛を誓った奥さんを、簡単に手放す人であってほしくない。矛盾し
リュウ さん作 [241] -
いのり?
私と男のその関係は数カ月の間続いた。私は自分が男の浮気相手だとは思いたくなかった。 男から本気で愛されていると信じていたからだ。そんな今しか見えていない二人に大きな転機が訪れた。 その日は珍しく朝早くから男と出掛けていた。どうしても連れていきたい所がある。男に何度か言われていた場所だった。真剣な顔でそんな事を言う男にとって、その場所は特別な所なんだろうとなんとなく分かっていた。そこに行くと聞か
リュウ さん作 [245] -
いのり?
それから私達は今までにも増して、頻繁に会うようになった。そして、私の男への愛情も更に深いものになっていった。おそらく、男の私に対しての愛情も大きくなっていただろう。愛情を口にするなんて誰でも出来る。と言う人もいるかもしれない。しかし、今まで付き合ってきたどんな男よりも幸せを感じる事ができたのは、男がそれだけ私を愛してくれているからだ、と私は思った。それ程、男といる時間は幸せだった。 男とは唇を
リュウ さん作 [261] -
いのり?
先輩の話を聞いていて、いつも、『奥さんと幸せそうだな。』って思ってました。なのに、なんで…。どこかお互いの気持ちに気付きながら、暗黙の了解で気持ちを伝え合う事のなかった二人。お互いこの関係が良くない事は分かっていた。だから、後輩として可愛がってくれていると自分に言い聞かせていた。それなのに、今になって男がなぜその関係に足を踏み入れようとしたのか、不思議だった。と同時に、私の中でとても大きな罪悪
リュウ さん作 [191] -
いのり?
男の方を向いた私の目に映ったのは、いつもと少しだけ違う男の顔。どこか少し照れたような、でもいつもと変わらない優しい顔。男の目を見つめると男はまた私を抱きしめた。 男の温かさと、しっかりとした鼓動を感じる。私の腕も男をギュッと抱きしめた。そして、自然に見つめ合い、男の唇が私の唇をふさいだ。 どれくらいだろう?私にはとても長い時間に感じた。車一台通らない山道の真ん中で、夜景をバックに唇を重ねる二
リュウ さん作 [415] -
いのり?
いつものように食事に行った後、男の車に乗って、ある山に出掛けた。山道を走っていると、山道は真っ暗で、どこか恐怖さえ感じた。こんなに暗いとなんか出そうで恐いですね。と、つい出た一言に、大丈夫。何かあっても、お前だけは逃がすよ。と真剣に答えた男にいつもとどこか違う感じを覚えた気がした。 着いた場所は車一台行き交うこともない、誰もいない場所。車を降りて見た景色は色んな色の宝石をちりばめたようなキラキ
リュウ さん作 [174]
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