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放浪者 さんの投稿された作品が16件見つかりました。
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セイバー 4話
「朝っぱらから黄昏てるなんて、よっぽど暇なんだな。」ふと、後ろからふざけたような声がする。聞き覚えのある声だと思い、すぐに振り向くと、案の定それはフェレットの知り合いであった。というより、悪友だ。茶色の髪、右耳にピアス、色黒で筋肉質、身長百八十弱、ミサンガをした左手には大きな段ボール箱が抱えられていた。「お前には言われたくないな。ダグラス。」「ハハ、悪い悪い。冗談だよ。」ダグラスは微笑すると、大
放浪者 さん作 [323] -
セイバー 第3話
以来、カチュアは母親の代わりをしようと努力するようになった。とは言っても、“面倒見のいい姉”から“母親”という単純明快な矢印が引かれただけで、根本的には何一つ変わっていなかったわけだが・・・。「んじゃ、行ってきます。」と、フェレットはさっと立ち上がると、勢いよく家から飛び出した。‘気をつけて行くのよ’という姉の声が聞こえた気がしたが、何も言わないでおいた。いい加減、やめてほしいとも思う。俺の『カ
放浪者 さん作 [336] -
セイバー2話
「そんなんじゃ到底『カルティミア』に入れないわよ。」「そんなんじゃなくても入れないって。」フェレットは、いつもどうりと言わんばかりに淡々と受け答えすると、テーブルの朝食にがっついた。「もう、どうしようもないんだから。あなたも、もう十七よ?」「ハイハイ。」「お母さんが聞いたら悲しむわ。」姉のその言葉に、フェレットの淀みなく動いていた手が止まった。「ごめん、悪かったよ。カチュア姉さん。」フェレットは
放浪者 さん作 [345] -
セイバー 第一話
およそ三年前、世界を混乱の渦へと巻き込んだ大きな戦争があった。名を、グレウス戦役。約一万二千人もの死者を出し終結したその戦争は、過去に類をみない大惨事として歴史上に暗い影を落とした。あれから三年。世界は復興の兆しを見せ、徐々に再生しつつあった。「フェレット。フェレット。」ここは、バイカルド王国の北に位置する小さな村、タジキス。今、その村のこれまた北のはずれにある家から、誰かを呼ぶ声が聞こえてくる
放浪者 さん作 [374] -
セイバー プロローグ
「レファ。」風が無造作に吹き付ける荒れた地で、一人の男が呟いた。その眼前には、木を十字架にしただけの簡素な墓が一つぽつりとあった。「お前の死と引き換えに得たものは、新たなる争いの火だねだったようだ。」男はゆっくりと立ち上がると、強く拳を握りしめた。「仇は必ず。」
放浪者 さん作 [413] -
波のように
人生は波のように浮き沈みを繰り返す。いいことがあれば悪いこともあるし、平均すればちょうどおなじぐらい。幸せな時は、不幸など分からない。不幸な時は、幸せに気付かない。そうやって紆余曲折経てたどり着く先は、真ん中だ。人生は真ん中がいい。ただ、それを見つけるのは難しい。
放浪者 さん作 [415]
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