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いっとさんの投稿された作品が174件見つかりました。
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クリスタルクラッシュ4―?
雨粒が屋根を叩く音が小屋の中まで響いて、会話さえもままならなくなっていた。「いつまで続くんだ…」ザックはそう呟きながら、今日何度目かのため息を吐いた。三日前、ザックとミーナはカシアス山の麓の村で夫婦二人だけの農家に手伝いを願い出た。警戒されたが、自分と彼女は兄弟である事、実家が農家であったが、長雨で畑が使えなくなった為、仕事を探さなければならなくなった、という旨を伝えた所、「一週間だけなら…」と
いっと さん作 [398] -
クリスタルクラッシュ3―?
―この子が手配されて時間が経っているにも関わらず誰も発見できていない…となると、貴族や王族の可能性は限りなく低い…。彼女は素早く頭の中で考えを巡らせながら、「依頼書を」と、ワイズに言った。「ほらよ」ワイズは彼女が考えに没頭して自分を見ているようで実は見えていない、という事を察して、苦笑した。―町娘の可能性もかなり低い。この年だったら看板娘として店の前に立っているはず…。メディナは依頼書を受け取っ
いっと さん作 [450] -
クリスタルクラッシュ3―?
「私よ、ワイズ」その人物はフードを下ろしながら、赤い髪を鬱陶しげに払った。「メディナ…!」ワイズは驚いたような表情で、メディナと呼んだ女性を見つめた。「鞘に掛けた手を離してくれない?落ち着かないわ」メディナはチラリとカウンターを見て、言った。「あ、ああ…」ワイズは慌てて鞘に掛けた手を離した。「久しぶりね」「そうだな。何をしていたのかは聞かないが、元気にやってたか?」「それなりに、ね」メディナはカ
いっと さん作 [385] -
クリスタルクラッシュ3―?
「はあ…疲れた…」外に出てエナンと合流したザックは、一つ小さくため息を吐いた。「緊張しましたか?」「そりゃそうですよ。事前に話し合って説明する内容を決めておいたのはいいですけど、嘘だとバレたら元も子もありませんし」「いや、多分あれはバレてますよ」エナンは苦笑した。「へ?」ザックはぽかんとした表情で、エナンに目を向けた。「あのワイズって人、ただ者じゃないです。私を見る目は正にハンターでしたからね」
いっと さん作 [406] -
クリスタルクラッシュ3―?
「あの…」ザックは袋と証明書を受け取りながら、ワイズに声を掛けた。「何だ?」「実はその、住み込みで働いていた所から収穫まで手伝ってほしいと言われまして…」「…で、オーケーしてしまった…という事か」ワイズは苦笑した。「はい。だから収穫期が終わるまでは賞金稼ぎの仕事は中断したいんですが…」「賞金稼ぎってのは商売じゃない。だから請ける請けないは個人の自由だ。気にしなくていいぞ」「良かった」ザックは安堵
いっと さん作 [395] -
クリスタルクラッシュ3―?
「え!?」ザックは予想だにしなかった質問に、一瞬、うろたえた。「あれなんてどうですか?」エナンは『連続人斬り魔』という文字とその似顔絵が描かれた紙を指差した。「い、いやいやいや、まだ無理ですよ!」「そうですか?でも賞金額七千ガリオンは魅力ですよね」「ていうか、実戦経験皆無の僕じゃ、あんな人を捕まえるのは無理ですって!」「ならあの人なんてどうですか?」エナンは『連続毒殺魔』という文字とその女性の似
いっと さん作 [391] -
クリスタルクラッシュ3―?
「本物のサインだな。よし、賞金の百五十ガリオンと証明書を発行しよう」ワイズは確認を終えると、カウンターの奥にある金庫に向かった。「はあー…」ザックは大きく息を吐いて、脱力した。「悩みましたか?」いつの間にか隣に立っていたエナンが気の毒そうな顔で、ルークに尋ねた。「…」ザックは黙って頷いた。「私も時々、『これでいいのか?』と悩む事があります。それでも、仲間は裏切れないんですよね」「エナンさん…」「
いっと さん作 [391] -
クリスタルクラッシュ3―?
「ワイズ」の前までやってきたエナンとザックの二人は店の前で足を止めた。「ここですか?」「はい」ザックは少し緊張したような顔で、小さく頷いた。「緊張しなくても大丈夫ですよ。ただお金を受け取るだけでいいんですから」「そうなんですけど…何か後ろめたい気がして…」「ザックさんは正直ですね」エナンは苦笑した。「でも、あなたはもう私たちの仲間です。それに、例え何らかの嘘をついたとしても、我々がここをどうこう
いっと さん作 [451] -
クリスタルクラッシュ3―?
「あ…こちらこそ、宜しく」ザックは照れ笑いを浮かべながら、握手した。「では、私とダリルはもう一方のダミス山を調査しに行くとしましょう。宜しいですね?」「いいでしょう。四人共、調査は慎重に行って下さいね」リリアは小さく頷いて、四人に注意を呼びかけた。「了解!」四人は大きく頷いた。「あ…そうだ。エナンさん、これはどうしたらいいですかね?」ザックは依頼書を取り出して、エナンに渡した。「依頼書ですか?」
いっと さん作 [407] -
クリスタルクラッシュ3―?
「ダリルと彼でもいいとは思いますが、それだとバランスが取れないと判断したからです」「バランス?」「ダリルは少しせっかちな部分があり、もしも急変があった場合正確な判断が下せない可能性があります」「悪かったな」ダリルは不機嫌そうな顔になって、ぷいと横を向いた。「まあまあ、人間、いい所もあれば悪い所もありますよ」エナンは苦笑しながら、ダリルをなだめた。「つまり、ここに来てまだ日が浅い彼にはダリルのそう
いっと さん作 [414]