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etc. さんの投稿された作品が40件見つかりました。
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DECEIT [発端] ?
一方、右京家の厳しい訓練を経て来た猛者とも言えるガードマンは二人を光の警備に当たらせている間、残りは車内でかわいらしくサンドイッチを口にしていた。 戦士の休息といったところであろう。 たいていが外国人であるが、そのなかに一人だけ日本人である通称Jがいた。 全てのガードマンはお互いを通称名でしか呼ばない。 また、他の同職者の情報も持っていないのだ。 当たり前だが、そんな中で世間話をする者もおらず
etc. さん作 [534] -
DECEIT [発端] ?
車が到着したのは午前11時ジャスト。 流石は一流ドライバーと言ったところか、毎日狂いなく予定の場所に予定の時刻で到着する。 毎日がその繰り返しで今は慣れてしまい、もう驚かなくなっていた。 着いても私は外に出ることは出来ない。 四人のガードマンが車を取り囲み、辺りを確認する。 この時間がじれったくて仕方がない。 ようやく安全と判断した様で、一人のがたいの良いサングラスをした男が黒塗りの扉を開けた
etc. さん作 [569] -
DECEIT [発端] ?
今の私はとても気分がいい。 いつものように召し使いが入れるダージリンティーの味も、今日は一段と風味が増しているようだった。 天気予報は午後から雨だと特注品の68インチ液晶画面の奥から伝えてくるが、そんなことは今の私にとってどうでもよくなっている。 朝食のサンドイッチやスクランブルエッグ、サラダはもちろんのこと、いつも残すハムでさえプレートの上で踊っているかの様だった。 「お嬢様、御車のご用意が
etc. さん作 [658] -
ジャックアス ?
身体が小刻みに縦に横に揺れている 平凡極まりない車内アナウンス 人々の笑い声 全てが混ざり合いながら自分の耳に流れこんでくるのが嫌で顔を傾けていた。 今自分はトンネルの中を疲れ切った体と共に松本まで向かっている。 馬鹿らしい話しだとは思うが学校生活に嫌気がさしたのだ。 朝目覚めてみるといつもなんでもない様に熟している日常動作が怠くて仕方がなかった。 父親は今日珍しく風邪を拗らせて寝ていた。 そ
ゆす さん作 [361] -
淡い泪 ?
「あぁぁぁああっ!! もうダメだぁぁあっ!!死んだぁぁあっ!!」 後ろから聞こえる奇声かつ悲鳴に少しびくついてしまったのは二年J組の清水和樹。 そうこの物語の主人公ともいうべき存在だが、性格はハッキリどころか少しかすれぎみであるいたって普通の高校生。 「なんだよ!うっせーなー!」 とやかましい声のする方に罵声をあびせると、そこには嘆き悲しんでいる内藤がいた。 身長は僕より高く、なおかつスタイ
ルイン さん作 [437] -
淡い泪 ?
あの後の事であるが、僕は近くの電気屋へと向かっていた。 お目当てはウォークマン、7980円というリーズナブルなものではあるが、?GBもあれば十分であろうと思い彼女の好きな色を探している。 プレゼントというのはとても選ぶのに苦労するものだ。母親でさえ花屋を五軒近くを廻り、結局特売のカーネーションを三本という地味なものになってしまった。 母親はとても喜んでくれたらしく、直ぐさま花瓶に活けてテーブル
ルイン さん作 [424] -
淡い泪 ?
少なからず場の空気は軽いものではない。見た目の印象とは異なり、彼女には悲しい過去が沢山ありそうだ。 自分で聞いた事ではあるが、話題を変えようと努力してみる。 「あの……医院長は今どこに?」「多分、患者の手術をしてるとこだと思う。長引くみたい」 そ、っといった感じに返事をした。 「いいよね……」突然彼女が声を出したので少しビクついてしまった。「何が?」「いろんなとこいったり、友達と遊んだり、自分
ルイン さん作 [444] -
淡い泪 ?
「やられた……」重心を両足に預けたままうなだれる。「どっちがやられたよ!長い間ほっぽっといて!」僕が落ち込むやいなやすぐに態度を変えて怒って見せる彼女。 しかしながら手の込んだ悪戯だ。人の事は自分も言えないが……。周りにドッキリカメラでも仕掛けてあるのではないか? 「んで、そっちは何してた?」またすぐに態度が変わり軽快な口調で話しかけてくる。 「いや、これといって特に何も……」彼女は顔を見ただ
ルイン さん作 [461] -
淡い泪 ?
背筋が凍り付いてしまった。着信音を変えようとさえ思った程だ。慌ててマナーモードにする。 携帯を開くと「新着メール」の文字。相手はご想像通り彼女だった。 恐る恐るメールを開封してみるとなにも文字がない。困惑することしか出来なかった。空メールだと気付いたのはその5分後。自然と顔が青ざめてゆく。 憶測ではあるが、相当キテいる証拠なのだと思い、また寒気がたつ。 心の中は申し訳なさでいっぱいだ。この思い
ルイン さん作 [407] -
淡い泪 ?
このシナリオはどう見てもおかしい。まるで何かに廃水菅の様なカタチ、細い管が最終的に一本にまとめられる様な感覚に捕われる。 「総合病院……」紛れも無いこのアルコールの匂い、壁の色、看護婦の態度。間違いない、彼女がいる病院だ。 「今日にでも退院出来るそうだから」ため息混じりの疲れた声を発しながら曇った空を見上げる母。 『退院?……そうか……退院か……』心の中でこだまし続ける「退院」というニ文字。
ルイン さん作 [432]