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まっかつ改 さんの投稿された作品が432件見つかりました。

 
  • 航宙機動部隊第三章・35

    出陣予定の戦力は制式宇宙軍六・艦船八一七九隻。他に大本営に直属する予備集団が三000隻。合計艦船一一一七九隻・兵員約五一0万人が乾坤一擲の大会戦で雌雄を決すべく編成を完了していた。いずれもが独立性の強い軍閥であり、宙将位を与えられて帝国の傘下に入ったとは言え、提督達はそれぞれの棟梁だ。言わば私兵集団の連合体―統合宇宙軍のこれが実態だった。ゆえに、成功しても犠牲が大きく、失敗すれば全滅必至の作戦を
    まっかつ さん作 [516]
  • 航宙機動部隊第三章・34

    ―シルミウム星系外縁・統合宇宙軍旗艦《スタニドルフ》―\rエタンの正式な肩書きは、統合宇宙軍最高司令官・大元帥・兼・在最外縁主権執行者だ。そのいずれもが、この狭い辺境中の辺境でしか通用しない。言い換えれば、中央域が主宰する銀河航宙文明圏からすれば、彼等はいまだ多少大規模化した宙賊・エタンはその親分位にしか認識されてはいなかったのだ。だが、その彼等の位置付けが、歳が開けてから急速に変動を来たしたの
    まっかつ さん作 [565]
  • 航宙機動部隊第三章・33

    ジョヴァンナ=バウセメロが《パレオス中央通信社》本社オフィスビルを退出したのは、もうすぐ日付が替わる頃合になってからの事だった。貴重な時間と労力の消尽に与えられた報酬は、それに倍するだけの挫折と落胆だけだった。正義感にも自尊心にも信頼にも展望にすらも裏切られた失意の主は、足取りも力無いままに、同業者が集住するアマンツィーノ大通りを逍遥する。かつてはある意味下品だが、活発かつ大らかだったこの国マス
    まっかつ さん作 [507]
  • 航宙機動部隊第三章・32

    相手が悪すぎたのだ。狂信的な教義を振り回し、その実現を目指して、大損覚悟で博打を仕掛けて来る何て、暴利目当てにターゲットを超短期で荒し回る投機業者にすら居る訳がない。パレオス経済界がまともに闘える訳が無かったのだ。金儲け何て最初から眼中に無い敵手なのだから。想定外の時、予測もしない方角から、考えも付かない戦法で奇襲攻撃を喰らったも同然だった。しかも、共倒れすら辞さない太子党側は、それだけを成し得
    まっかつ さん作 [514]
  • 航宙機動部隊第三章・31

    『だが、それこそが罠だった―提携成立後、連中は待ってましたとばかり、いきなり一つに合体し、一般株主をターゲットに法外な額で買い占めを繰り返し、事実上の独占体制を築いてしまった…後で調べて分かったが、全て大元は単体の巨大資本だったんだ…そうだ、我々はハメられたんだよ』パレオス中央通信社だけではなかった。何重にも巧妙に仕組まれ入念に練り込まれた買収工作は、同星邦メディア産業を凡そ二日で刈りまくり、至
    まっかつ さん作 [464]
  • 航宙機動部隊第三章・30

    利便さと雑然さとが程良くマッチされたデスクの上で両手を組みながら、アンドレア=ティレ=ロッツィが試みた弁明は、悪意や権謀とは無縁そうだったが、歯切れの悪さを克服するには余りにも絶望的だった。『…それは分かるんだ。だが…私も詳しくは知らされて無くってね…本当に君達には迷惑をかけて申し訳ないと思っているよ』分厚い煙幕に包まれた逃げ口上を聞いて、己の気遣いの無さに恥じ入って涙するジョヴァンナ=バウセメ
    まっかつ さん作 [447]
  • 航宙機動部隊第三章・29

    『わかるだろ?出向社員さ。どこから来たのかは定かじゃないが、かなり大きい所らしい』アイスコーヒーを口にしながら、イェンセは知る限りを皮肉を交えて説明した。『…何時からよ?』『あのテロがあって直ぐだったな、あいつが来たのは…まるで申し合わせたかの様な手際の良さだった。君が知らないのも無理は無いな。その間ずっと外回りしていてろくに連絡は取っていないんだから』『でもこんな…おかし過ぎるわ!まるでどこか
    まっかつ さん作 [450]
  • 航宙機動部隊第三章・28

    『これは一体…どう言う事なの!?』【パレオス中央通信】人権・社会部記者、ジョヴァンナ=バウセメロは、怒声混じりの悲鳴を上げた。あのオストレスタジアム核地雷テロを現地レポした中堅ジャーナリストだ。それ以来休む間もなく、被害者の取材から大暴動の報道、資料収集に関係者達のインタビューと、文字通りティヴィタヴェキア中を飛び回り、へとへとになった体を引き擦りながら、すっかり暗くなったシテ中央市のオフィスに
    まっかつ さん作 [453]
  • 航宙機動部隊第三章・27

    ペアリーノ=グイッチャルディーニ議長も星民憲政党政権も、その政治生命を奪われる事態こそ免れたが、翌第二期四日[修正太陽暦一月九日]に再開された星民会議本議会の結果は、それが彼等への信任の意思は微塵の欠片すらない事を如実に現していた。少なく共為政者側からすれば、その結果は惨憺たる有り様と言う外無かった。本来ならば戦時体制を準備する場として位置付けられた今議会で、それを目当てに用意された合計四三の法
    まっかつ さん作 [445]
  • 航宙機動部隊第三章・26

    疑惑と懸念は当然の如く、先程自分をこてんぱんにした急進改革主義者のホープに向けられた。『ピエトロ=ガルバーナ君の身辺調査を頼まれてくれるかね』不意に万年筆を止めて、グイッチャルディーニ氏は書類に目を落としたまま合法だが黒灰色の指示を下した。『は…それは構いませんが』秘書から受け取った0・三mmの情報標示ペーパーを両手にしながら、首席政務官の心配したのは、道義的是非についてではなかった。『司法省な
    まっかつ さん作 [464]
 
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