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まっかつ改 さんの投稿された作品が432件見つかりました。
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航宙機動部隊第三章・25
『首の皮一枚と言った所ですな』緊急特別議会から同議事堂閣僚級控室へ半ば逃げ戻ったグイッチャルディーニ氏は、敷き詰められた赤絨毯の上に乱雑気味に配された椅子の一つに腰を降ろすと、最近つとに凝りが酷くなった自信の首筋を実際に摩った。そこには既に、ジョゼッペ=ヴェリーニ首席政務官が、二人の秘書と大量の決裁事項を伴って、待機していた。『しかし議長、反対も結構ですが、正直野党の連中にも自粛を求めたい物です
まっかつ さん作 [465] -
航宙機動部隊第三章・24
『それでは、パレオス星邦星民会議々長・兼・元首代行職ペアリーノ=グイッチャルディーニ氏に対する弾劾及び解任決議案への賛否投票をお願い致します』鳴り止まない議員達のブーイングの大合唱を浴び続けながら、グイッチャルディーニ氏は自ら己を裁断する呼び掛けをしなければならなかった。相変わらず騒音が静まる気配を見せない中、それでも議員達は低い衝立で仕切られたそれぞれの席で、備え付きの端末を操作して、意志を示
まっかつ さん作 [474] -
航宙機動部隊第三章・23
『それは結構でしょう議長―私共も何も一時は二三00万を数えた天文学的規模の荒らぶる民衆を抑えるのに、貴方の行われた手段が誤りだった等と、なじる積もりはございません、又、最終的に鎮圧の主力に立った合衆国軍を一概に悪く受け取るのも謬見と申すべきなのも、充分承知しておりますよ?彼等の立場に身を置いて見れば、いきなり顔も知らない、しかも民間人と闘えと命令され、少数ながら同僚を失っています―恐らくは彼等も
まっかつ さん作 [476] -
航宙機動部隊第三章・22
飽くまでもそれが反対者達に限られている内ならば、まだ救い甲斐はある。だが、普段から敵は内部にも存在するのが政界の常識とは言え、この心理的針の蓆を織り成す少なからぬ部分が、己の味方や部下達に占められているのには、百戦錬磨を誇るペアリーノ=グイッチャルディーニ氏も、ショックに憂然とさせられた事を認めなければならなかった。彼等が野党側と心情を同じゅうするのが欲望や打算絡みでないだけに却って厄介極まるの
まっかつ さん作 [455] -
航宙機動部隊第三章・21
『パレオス星邦憲法・第二八条第二項・並びに同憲法第三三条の規定に基づき、星民会議々長兼元首代行職・ペアリーノ=グイッチャルディーニ氏と彼の政権に対する不信任案及び辞任決議の要求を提出致します』暴動鎮圧直後に緊急特別議会が、今だ破壊と戦闘の爪痕生々しいシテ中心市の議事堂に召集された。轟々たる野次と非難のオーケストラが密度を濃縮させながら堂内に充満し、全ての遮蔽物を打ち震わせる中で、厳粛に弾劾動議が
まっかつ さん作 [478] -
航宙機動部隊第三章・20
重武装の正規軍に一般民衆がまともに闘って、敵う分けが無い。増してや、反対運動勢力は、闘う前から戦意にも信念にも団結すらにも見放されていた。パレオス首都星ティヴィタヴェキアの長い長い夜が明ける同日一八時までに、主要都市は粗方政府側に戻り、残りの地域の回復も、最早時間の問題と観じて良かった。こうして、星邦を大混乱に突き落とした大暴動は終息を見たが、消し難き副産物のそれは始まりの時をも意味していた。し
まっかつ さん作 [501] -
航宙機動部隊第三章・19
日付替わって第二期三日[修正太陽暦一月八日]―\r反対運動は収まる所か、更に拡大・過激化の様相を呈し、無軌道・無秩序の焔と爆風で、ティヴィタヴェキア中を舐め尽しては荒野にまるまで焼き尽さんばかりの勢いを示し、事実、一部ではそれが実現していた。そしてその大半が、ただ破壊の為の破壊・殺戮の為の殺戮の応酬にまで堕落してしまっていた。当初の目的は失われ、特に時を追う毎に加速度的に流入して来た野次馬的な参
まっかつ さん作 [447] -
航宙機動部隊第三章・18
警官隊に向けて、誰からとも無く声が上がった。『政府や治安当局は俺達星民を見捨て、外国や貴族共に味方するのか!』『お前達もパレオス人だろう!恥ずかしく無いのか!?』『オストレスタジアムで殺された私の家族は守らなかったくせに!何で無責任な政府は守るのよ!?』『帰れ!太子党の犬!!』『そうだ!今度と言う今度は大人しく引き下がると思うなよ!売国奴共もが!!ここは俺達の星だ!!!』『手始めにこいつ等から血
まっかつ さん作 [470] -
航宙機動部隊第三章・17
翌第二期二日[修正太陽暦一月七日]―\rテロの死亡者は、最終的には一万三千名を越えた。有史以来最悪の人災―しかも、今まで顔すら知らない筈の異邦者による身勝手な論理によって引き起こされた―に、パレオス星民は、冷静な判断力を完全に奪われたとしても、一体誰がこれを責めれようか?しかも、その後全国、否、全銀河に向けて見せ付けられたフーバー=エンジェルミの傲慢極まる挑戦が、無力感に打ちひしがれるままの六三
まっかつ さん作 [452] -
航宙機動部隊第三章・16
『で、でも、どうやって闘うの!?』これまでの体験が、彼女の精神的性向を少なからずリク=ウル=カルンダハラの側にねじまげてしまった様だ。正義感や情熱ではどうにもならない、本質的構造にいち早く思いをはせたテンペ=ホイフェ=クダグニンは、途端に懸念を顔中に浮かべた。『ああ、そうだったな』前を向いたまま少年は、同胞の指摘を玩味してみた。財力・武力・人員・情報・知名度・それに連中の大好きな血統に家柄―\r
まっかつ さん作 [439]