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さんの投稿された作品が72件見つかりました。

 
  • カメラと黒髪 #2

    その後のセリフは先生の「候補者は前に出てきて」という問答無用の命令により、かき消された。元気の良い男子が副委員長、希美は入学初日にして学級委員長に躍り出たのだった。その日の放課後、体育館裏で希美は泣いていた。「なによ…このワケわかんない人生…私は勉強が出来ればそれで良いのにぃ…!」不意に背中にドンと衝撃を受け、膝を抱えて座っていた希美は前につんのめった。「っ!…っいた!」「キミ誰?」謝りもしない
    さん作 [176]
  • カメラと黒髪 #1

    志望校に落ちた。その結果滑り止めの、志望校とは偏差値の桁が一つ違うくらいの高校に希美(ノゾミ)は入学を余儀なくされた。「あなた…今は希美、そっとしてやってください」部屋の外で足音が止まって、また引き返す音がした。―なんなの…!あれだけ家族で盛り上げといて、落ちたら私、もう用無しじゃん!―\r悔しいやら悲しいやら、高校は友達と別々になったやらで涙は止まることはなかった。そうこうしている内にすぐ入学
    さん作 [185]
  • aliment 010 end

    翌日サル坊は病室から飛び降り命を絶った。残された手紙には謝罪と、感謝と、リボンへの気持ちと、TKへリボンを託したというメッセージが込められていた。「…リボンの考えは素晴らしいと思う。だけど、リボンが女として幸せになるにはやっぱり結婚が一番だから…」半年過ぎて、二人は結婚した。リボンはまだ歌手にはなれておらず、今はアルバイトで家計を助けている。TKも相変わらず稼いでいる。「ただいま。セリナ?」リボ
    さん作 [191]
  • aliment 009

    「サル坊…違う!!私、二人とも愛してる!」「……答になってね…」バチン!とサル坊の頬はリボンによって叩かれた。「それがおかしいこと?二人を愛しちゃいけない?」TKはサル坊の鋭さと、リボンの今の行動に驚いていた。確かにTKはリボンが好きだった。もちろんサル坊が邪魔だなどと思ったことは無い。そして、その気持ちに彼女はとても新しい「答」を導き出した。「あなたたち誰か一人欠ければそれはもう…ただの恋人同
    さん作 [130]
  • aliment 008

    ―――誰かの手に握られている。……この香水はTKのか。でも握られている手は小さい。「嫌……お願いだから目…覚まして…っ」随分女らしい声だけど、リボンだ。サル坊は病院に運ばれていた。夜通し看病していた二人はすっかり疲れきっていた。サル坊の予断を許さない状況を、二人は起きて見守るしかなかった。「TK……リボン…」「サル坊!」「ぅわぁあああ!!良かった…起きたぁ!!あああ!心配したよぉ!」リボンがこん
    さん作 [139]
  • aliment 007

    これはあくまでも¨二人¨の物語だ。傍観者は絶対に必要ない。TKとサル坊が名前を棄てた場所に、サル坊は立っていた。海。目の前は海だった。荒れている。サル坊に夢があるとすればこの海をひたすら泳いで、対岸まで辿り着くことだ。到底不可能な話。意味の無い話。命を棄てる話。泳いでみなければ分からない。サル坊は泳ぎ続けた。氷水のような冷たさがサル坊の体力を奪った。徐々に体が沈む。脚が動かない。次に目を開けたの
    さん作 [125]
  • aliment 006

    割れたブランデーの瓶の破片を掃除しながら母親は膝を丸め座っている子供に言った。「あんたちょっとおかしいんじゃないの!?怖くないの!?こんなに毎日、喧嘩見て!!」子供は首も振らず瞳はただ一点を見つめ続けている。母親は首を傾げ、父親とは別の部屋へと入って行った。子供が中学校を卒業した日。帰ってくると置き手紙以外、一切が部屋から無くなっていた。「離婚しました。このマンションは来月までの家賃は払ってあり
    さん作 [115]
  • aliment 005

    「料理長がいなくなったら俺ら行き倒れだな」TKはリボンが出かけたのを見計らって起きてきた。「TK。聞いてたのか。止めてくれよ」サル坊は冗談で言いながらTKの朝飯の皿を出した。「あいつは強いよ」「歌手になれるかもってか?」「TK、それまで面倒見てやんなよ」「何で俺だよ」サル坊は仕事に行くTKを黙って見送った。夕方過ぎ、リボンは帰ってきた。「音楽関係の知り合いあたってたんだけど、全然ダメだった」「バ
    さん作 [140]
  • aliment 004

    「なんで赤くなるイコール、リボンなの?」リゾットの残りを朝飯に、リボンがサル坊に尋ねた。TKはまだ起きない。「赤いリボン、付けてたろ。あの日」「私?」記憶には無かった。ただリボン自身、何十人もの男に襲われた後だったので、着衣がどうなっているかなど記憶しているハズもなかった。「思い出さなくても、そのリボンだけは一緒に持って帰って来てるから」「え…」洋服棚の奥から丁寧にしまわれた、長いリボンが出てき
    さん作 [125]
  • aliment 003

    朝方から降り出した雨は、リボンの記憶に少し嫌な影を落とした。TKを奥にして、リボンを真ん中、サル坊を入り口側に川の字になって寝ていたが、リボンがカラダをたまに震わせる様子をまどろみながらサル坊はただ黙って見ていた。「沖川セリナくん」「はい」面接官に名前を呼ばれ、沖川セリナと呼ばれたリボンは面接官の前に立った。「まぁウチは風俗と言っても、脱いだりはしないから。お客さんの前ではね」そう言われ安堵した
    さん作 [183]
 

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