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佐々木リカ さんの投稿された作品が18件見つかりました。
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One step vol.8
付き合った日は毎年、二人で過すことを約束していた。お揃いで何か買って、一緒に食事をする。彼にはどうでもいい事だったかもしれないが、私には大切だった。変わらない何かが欲しかった。4年目はフミからの連絡はなかった。そのもっと前から連絡はなかったけれど。私は捨てられた。4年間、私のフミへの気持ちは一つも変わらなかったのに、フミは私をあっさりと捨てて、さっさと転勤をしてどこか遠くへ行ってしまった。私から
佐々木リカ さん作 [285] -
One step vol.7
振り返れば、私たちが仲良しだったのは最初の2年。後の2年はケンカが多かったように思う。私たちはお互い学生で、卒業後はフミは就職、私は進学することに決まった。それから少しずつ生活や考え方のズレが出てきた。とにかく環境に慣れることが遅い彼は仕事中心の毎日で、私の事など考える余裕などなかったのだろう。一方自分の思うように時間が使えて、社会的にも学生というカテゴリーで守られていた私は充実した毎日を送って
佐々木リカ さん作 [309] -
One step vol.6
もう1つ、ホワイトデーの思い出。付き合って初めてのホワイトデーだった。私はバレンタインに財布をあげた覚えがある。フミは使いやすそうだと喜んでくれた。フミはあんまり買い物が上手ではない事を私は知っていた。ホワイトデーもお返しより、ホワイトデーを共に過ごし、私にフミの時間をくれる事が大切だと私は思っていた。だからフミからのお返しにはとても驚いた。中を開けてもっと驚いた。そして感激した。私がずっと欲し
佐々木リカ さん作 [307] -
One step vol.5
フミと過ごした時間の中で忘れられない事が2つある。1つは人生で初めてセックスした事。もう1つは、初めてのホワイトデーだ。どちらも私の心に深く残っている。1つ目は付き合って3ヶ月くらいだったろうか。それまで彼が私の体を求めたり、言葉で誘う事は無かった。私は自分の体に自信があったわけでもなく、その行為そのものが無くても満足だったのだが、20歳を越えて未だに経験をしていないことに焦りを感じていたため、
佐々木リカ さん作 [346] -
One step vol.4
それから2年間。私たちは普通の恋人同士だったと思う。私には男の子と付き合う事が初めてで。その全てにドキドキさせられた。誕生日。クリスマス。バレンタイン。ホワイトデー。行事という行事は全て一緒に過ごしたし、お互いの学祭に行ったり、友だちに紹介したり、旅行へ行ったりと。私は幸せだった。誰かに愛されるという事がいかに幸せな事かをフミはおしえてくれた。そして、私がずっと得られなかった女としての自信をフミ
佐々木リカ さん作 [299] -
One step vol.3
ケガが完治し、フミに快気祝いをしてもらうことになった。二人で居酒屋へ行き、ダラダラと飲んでいた。フミのちょっと抜けたところが可愛いと思った。お互い、酔っていた。帰り際にフミが真面目な顔で私に聞いた。『リカは僕にいつも本音で接してくれてる?』ドキッとした。お酒のせいもあり、一度上がった心拍音は小さくなってはくれない。私はこの緊張がとても苦手だった。何も言えず、うつ向く私は気がついたらフミの腕の中に
佐々木リカ さん作 [314] -
One step vol.2
1年間友だちとして過ごし、免許も取得できた頃だった。私たちはやっと携帯番号の交換をした。まだ他社の携帯同士でメールができるかできないかの時代だったので、何か用事がない限りプライベートで連絡を取り合うことはなかった。私とフミの間には一人の男友だちがいた。私とは小学校の同級生。フミとは高校の同級生でヤスと私たちは呼んでいた。時々飲み会で3人かたまって話すことはあったが、私と二人の距離は一定のまま、た
佐々木リカ さん作 [307] -
One step vol.1
人の気持ちは常に変わっていく。良くも悪くもある。そういった中で変わらないものが真実だと私は思う。フミと3年ぶりにできたたわいもない話。ほんの少し前までは一生できないと思っていた。私は変わった。でもフミはもっと変わったんだ。今から7年前の秋。私とフミは出会った。私が20歳。フミは19歳。同じ街に住んでいるけど、隣の学校の同級生だった。リニューアルオープンしたお店に新人アルバイトとして、私たちは出会
佐々木リカ さん作 [330] -
noir cafe vol.10
『27歳、ついにきてしまった』家へ帰ると母が居間からすぐに出て来た。「ちょっと都!あんた27にもなって無断外泊とか平気でしないでちょうだいよ。」昔から母は私のやること為すことにうるさく言う人だった。一方、父は仕事人間で私に興味はなさそうなので、私は大変に気が楽なのだ。「心配しなくてもいいよ。今日は仕事ないし。」私は一つため息をついて自分の部屋へ行こうと階段を上がる。「近所の人の目もあるし、いくら
小椋都 さん作 [418] -
noir cafe vol.9
『27歳、胸の高鳴り』夏樹がキッチンで何か作ってくれている間、私はメイクを済ませ、真樹くんはシャワーを浴びた。男の人の湯上がりはいつも私をドキドキさせる。「はい、できた。」夏樹はオムライスを作ってくれた。レストランで食べる味とかわらないおいしさだった。「みやちゃん、真樹がそろそろ出勤するけどどうする?ここにいる?」夏樹がご飯を食べながら私にたずねた。「いえいえ。迷惑だし、家に帰るよ。」さすがに一
小椋都 さん作 [351]
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