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佐々木リカ さんの投稿された作品が18件見つかりました。
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noir cafe vol.8
『27歳、無防備な朝』私と夏樹はコーヒーを飲みながら、ニュースを見ていた。どこかのコンビニに強盗が入ったとか、交通事故でお年寄りがなくなったとか、芸能人の誰かと誰かが付き合っているだとか、私たちには直接関係はない日々の出来事。「みやちゃんは今日仕事?」夏樹はチャンネルを変えながら私に尋ねる。「今日は休みだよ。」「俺らは今日も仕事です…。」夏樹はソファーの背もたれにドサッと体を投げて天井を見ながら
小椋都 さん作 [402] -
noir cafe vol.7
『27歳、最悪の朝』うぅっ…頭が重たい…。目が…開かない…。動きたいのに動けない。かなしばりとは違う感覚。そうだこれ…二日酔いってやつだ。私はゆっくりと目を開けてみた。見たことのない天井。驚いて起き上がろうにも、体が動かない。首だけ動かして横を見ると、向かいのソファーで真樹くんが眠っている。「目ぇ覚めた?」ニヤニヤしながら私の顔を覗き込んだのは、すっぴんになって普通の男の人に変身した夏樹だった。
小椋都 さん作 [435] -
noir cafe vol.6
『27歳、夜の世界を知った日(一部の)』「いらっしゃぁ〜い。」生暖かいトーンのあいさつが聞こえる。鏡が異常に多くてテレビでしか見たことがなかったこの場所は…「あらぁ。真樹じゃないのぉ〜。」ピンクのドレスに身を包んだホステスと言っていいのか、オッサンと言っていいのか。私が連れて来られたここはオカマバーである。「今日は女がいる〜。ちっさいわね。」私を珍しい目で見ながら真樹くんとピンクのドレス男は親し
小椋都 さん作 [384] -
noir cafe vol.5
『27歳、人生初の一目惚れ(自覚なし)』顔は全く好みじゃない。背は164センチくらい?背は私も低いから別に気にしないけど、オシャレでもないし、つまり私のタイプではないのに…。私の目は真樹くんを追ってばかり。時折、目が合うときはパッとそらしてしまったり。これがいわゆる、世間でいう一目惚れとかいうものなのだろうか?時計は日付変わって1時を指していた。「そろそろ二次会に行こうか。」紺のスーツを着た男が
小椋都 さん作 [399] -
noir cafe vol.4
『27歳、目の前に座る男が気になって仕方がない』黒いアジア調のテーブルの上には豪華なタイ料理が並んでいる。香辛料の香りと湯気が食欲をそそる。「お二人の飲み物来たから乾杯しようか。」真樹くんの掛け声にみんながグラスを持つ。すでにフラフラな人もいる。「かんぱーい!」私とジュンはビールをゴクリと飲んだ。休日の一杯はたまらなくおいしく感じる。料理を食べながら周りを見ると、オープンしたばかりなのかほぼ貸し
小椋都 さん作 [368] -
noir cafe vol.3
『27歳、長い恋のはじまりはここからだった』私もジュンも山のように買い物をして、ジュンの車に積んだ。今日の収穫は何と言ってもピンクのニットキャップ。私もジュンも仕事以外ではジーパンに古着のシャツとかジャージにスニーカーといったような、ストリートカジュアル的な服装が多い。今日の私はワンピースにカーディガンとブーツ。ジュンはジーパンとトレンチ風ジャケットにパンプスといつもよりはカチッとしている。今日
小椋都 さん作 [375] -
noir cafe vol.2
『27歳、親友の自己チューにやや困る』フィッティングの方から携帯が鳴ってる。ジュンの携帯だ。「もしもし?」出たみたい。私は鏡の前でジャケットを合わせながら、ジュンが出てくるのを待った。しばらくしてシャッとカーテンの音がした。私はジュンの変身後を見ようとフィッティングの方へ体を向けた。「みや。今日の夕食だけど、タイ料理でもいい?」ジュンが携帯片手に私にたずねた。辛いものは嫌いじゃないので了解のサイ
小椋都 さん作 [393] -
noir cafe vo.1
『27歳、恋愛二の次はダメですか?』その日、私は親友のジュンと楽しく休日を過ごしていた。私もジュンも27。周りの友人は続々と結婚していく。私もジュンも彼氏ナシ。でも仕事は順調だし、お互いに趣味もあるし、「恋愛が全てではないよね。」なんて二人でつぶやく。そんな感じ。でもジュンは本当は違うんじゃないかな。まだ別れた彼氏が好きみたい。ジュン達は付き合いも長かったし、未練が残るのはよくわかる。私の大切な
小椋都 さん作 [490]
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