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S・U さんの投稿された作品が187件見つかりました。
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エンブレム〜序章〜?―?
「おっと、あの瞬間から考えれば今も十分近いうちだぞ?」…うわ、それは言い訳聞かねえや。「誰が来たのー?」パタパタとダイニングから麻衣がやって来た。「はろ、宮野妹」片手を挙げ先生はそう挨拶した。あれ、っと麻衣も一瞬驚いたようだがすぐに表情を崩し。「こんばんわ、先生」と挨拶を返した。「どうしたんですか?」「ああ、飯もらいに来た」「ご飯ですか?」「そ、大丈夫、宮野妹からは一切取らないから。オレは」ガシ
S・U さん作 [226] -
エンブレム〜序章〜?―?
「ううん、もう無いよ。後、十分くらいで出来るからお兄ちゃん達はそこら辺に座ってて」と言って麻衣は前を向いた。「何か今日は豪勢だな。何か良いことでもあったのか?」いつもにしてはずっと豪勢な料理だった。少々豪華過ぎなんじゃないかと言うくらい。「えへへ、今日は記念日だから。かなちゃん、名前決定記念っ」嬉しそうな顔をしながら麻衣は言った。「へぇ、成程。だとさ、良かったな」「…」彼女は俺の言葉にコクンと頷
S・U さん作 [227] -
エンブレム〜序章〜?―?
良い心がけだと思う。そうして俺と奏は部屋を出て階段を降りた。ギシギシ、と小気味良い音が耳に響く。この音良いな、何度聞いても。ダイニングの前に着いた。カチャリ。「ハロー、マイシスター」扉を開け開口一番にそうふざけ気味に言葉を上げる。「あ、お兄ちゃん。早く早く、こっちっ」と言って麻衣は傍の鍋を指差す。その鍋は今にも吹き零れんばかりにカタカタと蒸気を噴き出していた。ああ、冗談言ってる場合じゃないな。「
S・U さん作 [231] -
エンブレム〜序章〜?―?
「…なぁ」「…はい」「それ面白いかー?」「…興味深い」その返しは面白いと判断して良いのか?「どんな内容なんだ?」「読んでないのですか…?」「途中挫折しました」だって、フォード財団とか理論的帰結とか、何やらよく分かんない言葉が滝のように出てきたから…。「…まだ読んでる途中なので」終わったらお教えします、と言って奏は本に目を落とした。「…」寝よっかな。何となく眠いし。そうだな、ちょっとばかし寝るか。
S・U さん作 [211] -
エンブレム〜序章〜?―?
「…はあ〜」腹減ったなぁ…。「…」今日の晩飯何かな…。「…」また、麦飯食いたいなぁ…。「…」「…あのさ」「…?」「何でここに居るんですか?」「…暇なので」淡々と正座したままで奏はそう答えた。「…邪魔ですか?」「ああ…凄い邪魔だ」と、言おうかと思ったが、流石にその無機質な目に対してハッキリ言えるわけもなく…。「いや、別に」スルーすることにした。「…」…しかし、この現状は中々可笑しいよな。俺はベッド
S・U さん作 [249] -
エンブレム〜序章〜?―?
空を見上げながら幸音は声を絞り出した。只でさえもう、狂っているのだから。「…」自由に成りたかった。自由に成ってみたかった。空を見てみたかった。外を眺めてみたかった。そんなモノを欲しがったから。そんなモノを欲しがらなかったら。変えられません。――変えてはなりません。どうしようもありません。――どうしたくもありません。破ってはなりません。――破ろうとしてはなりません。従わなければなりません。――従わ
S・U さん作 [280] -
エンブレム〜序章〜?―?
いいよな、別に。それほど気にするべき事でもない。それほど考えるべき事でもない。それほど視たい事でもない。それほど気付きたい事でもない。まだ、理解したくないんだ、そんなこと。「さあ、帰ろうぜ」「?う、うん」「…?」二人はどうしたのかと顔を見合わせたが言いたくないことなら、と思い直したらしく何か喋ることもなく、先を歩く俺の後を付いてきた。とにかく…家に帰りたい。今の俺はただそれだけを考えていた。――
S・U さん作 [258] -
エンブレム〜序章〜?―?
別に相手が年上だからってそれら全てにかしこまる必要もないからな。うん、人類皆平等。それに、一々会話する度に一歩退かれた姿勢を取られるのも悲しいしな。留年者が良い例だ。もし、年上だから、と言う理由でそんな態度をとられたらそいつはずっと居心地の悪い空間を味わうことになるだろう。そのような空気では、心から仲良くなんて真似は夢のまた夢だ。だから、こういう麻衣の行動は素直に褒めるべきなのだろう。…相手が失
S・U さん作 [233] -
エンブレム〜序章〜?―?
これで、俺以外全員が奏と握手を交わしたことになる。ここで俺だけ握手しないってのは宜しくないよな…。流れ的にも。心情的にも。「じゃ…」コホンと咳払いをし俺も、奏に手を伸ばす。「改めて宜しく頼むぜ――奏」出来る限りの笑顔を浮かべて俺は言った。「…はいっ」彼女も笑顔を浮かべはその手に応えた。――その笑みは昨日見た笑みよりずっと晴れやかでずっと笑顔らしかった。「じゃ、私達はこれで」「じゃあな、皆」遼と怜
S・U さん作 [229] -
エンブレム〜序章〜?―?
怜がそう言った後彼女に向き直り。「と言うわけで、あなたの事奏って呼ぶことにするけど良いかしら?」と聞いた。「はい…分かりました」彼女――奏はそう言って頷いた。「よっしゃ、決まり。じゃ」怜は彼女にそう言って手を差し出した。「これから宜しくね、奏ちゃん」屈託の無い母性さえ感じられる微笑みを浮かべて怜は言った。「…はい…此方こそ御願いします、怜菜さん」一瞬戸惑ったようにしたあと奏は怜の差し出された手を
S・U さん作 [233]