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よしゆき さんの投稿された作品が140件見つかりました。

 
  • 恋、二度(ふたたび) 20

    俺は真愛の、そんな態度を見るのが初めてだったのでびっくりして、 「どないしたんや?」 と少し緊張しながら、尋ねた。 真愛はやっぱり無言で俺を涼平達とは違う方に誘っているようだった。 俺は嬉しさと緊張に身を包みながら、真愛について行った。 反対の壁際には空いていた椅子が二つあったので、彼女に勧めて俺も座った。 「めっちゃ久し振りやな。何年振りやろ」 俺は緊張を隠して、できるだけ明るく振る舞っ
    よしゆき さん作 [156]
  • 恋、二度(ふたたび) 19

    二次会は立食バイキング形式のパーティーだった。二次会なので、披露宴の時のような親族はおらず、会社の同僚や、サークルの仲間など若い連中ばかりだった。 涼平と香緒里さんは完全に意気投合してしまい、俺と真愛を巻込んで壁際に移動していた。ウエイターの持ってきた水割りを四杯取って、俺達は乾杯をした。 俺は真愛の事が気になってしょうがなかった。 でも真愛は泣きそうな顔をしてずっと俯いていた。 「何か適当
    よしゆき さん作 [157]
  • 恋、二度(ふたたび) 18

    手紙は渡してくれたようだが、返事は全くの梨の飛礫だった。 当然翌日の入学試験は散々な結果で、初めから浪人するつもりだった涼平と、一年掛けて同じ大学に入学したのだった。 高校を卒業したら彼女の情報が入ってくるわけもなく、もっと早くに気付いて手紙を渡すのだったと、ずっと俺は後悔していたのだった。 それが俺に大きな未練を残している理由だった。 もちろん、その娘というのが小野真愛、たった今俺の前でい
    よしゆき さん作 [137]
  • 恋、二度(ふたたび) 17

    でもその話を聞いて、俺は一生懸命彼女に自分の気持ちを伝える術を考えた。卒業式の翌日はここを落ちると浪人しかないという、入学試験があるというのに。 夜半過ぎになって俺はようやく一つの方法を思いついた。 思いついた時、何故今までこんな簡単なことに気が付かなかったんだろうと、俺は一人で苦笑いをしてしまった。俺の出した答えは、手紙を書いて渡すことだった。 それから、明け方までかかって俺の気持ちを伝える
    よしゆき さん作 [139]
  • 恋、二度(ふたたび) 16

    彼女は、怯えるように俯いて立ち竦み、俺の傘を取り落としていた。俺がそのまま角を曲がろうとした時、おそらく俺にしか聞こえない声‐いま考えるとそれすら怪しいが‐で、 「ありがとう…」 と言う蚊が鳴くような声が聞こえた気がした。 その後俺は、物凄く嬉しい気持ちが一杯で、部室に向かった事を今でもはっきりと覚えている。 それ以来俺の中で、真愛への気持ちが変化していった。 でもそれ以来、俺は卒業まで片思い
    よしゆき さん作 [158]
  • 恋、二度(ふたたび) 15

    その後も俺は、彼女が仲の良い女友達とは、楽しそうに話しているのに、男子生徒とは一度も話しているのを見たことがなかった。 そして、今日と同じような梅雨の中休みのある日。その日は天気予報では降水確率20%以下だったので、かなりの生徒が傘を持たずに登校して来ていた日だった。しかし予報は外れ、昼過ぎからしとしとと雨が降り始めて、下校時刻になっても雨が止みそうになかった。 俺は掃除当番に当たっていたから
    よしゆき さん作 [142]
  • 恋、二度(ふたたび) 14

    俺は待っていてもらい悪いと思ったので、 「持つからこの上に置いてよ」 と声を掛けた。 それでも彼女からの返事は無かった。 俺はしょうがなく、男子の分だけ持って、職員室に向かった。 俺は一切返事をしない真愛が、非常に気になって仕方なかった。 時々気になって振り返ると、いつも顔を真っ赤にして俯きながらついてきていた。 俺達は英語教師に遅いと、厭味を言われながらもとにかくノートを渡して、職員室を出た
    よしゆき さん作 [140]
  • 恋、二度(ふたたび) 13

    小野真愛は当時から極端な恥ずかしがり屋で、男子生徒とは喋った事が無いだろうと噂されるほどだった。美少女というほどのことはないが、可憐という言葉が似合うような娘だった。 二年生の時、俺は真愛と同じクラスになった。それまでも学校の廊下などで見掛けており、俺好みの髪が長くて、華奢で小柄なタイプだったから、かなり気になっていた。ただ男子生徒とは一切口を聞かない、という噂は俺の耳にも入ってきていた。 そ
    よしゆき さん作 [142]
  • 恋、二度(ふたたび) 12

    新郎新婦を見ようと、会場にいる全員が入口の方に体を向けて、大きな拍手をしていた。新郎の悟志が、新婦の美樹さんと手を繋ぎながら入場してきた。 涼平も香緒里さんも大きな拍手をして、二人を迎えている。 でも、俺は幸せそうなふたりの事なんか眼中になかった。俺が見ていたのは、小野真愛ただひとりだった。 真愛も俺と同様、新郎新婦の方を見ずにずっと俯きながら小さく拍手をしていた。 その姿を見て俺は、彼女が高
    よしゆき さん作 [144]
  • 恋、二度(ふたたび) 11

    俺達のそばまで来た女性は、俺の顔を見て 「あっ」と呟くと、サッと顔を真っ紅に染めて俯いてしまった。 それを見て、香緒里さんは笑いながら、 「ごめんなさいね。真愛はいつもこうだから代りに自己紹介するね」 と助け船を出そうとした。 「ひょっとして君、小野とちゃうか?」 涼平が突然閃いたとでも言うように、俯いている彼女に声を掛けた。 「あれ涼平さん、真愛の事知ってるの?」 香緒里さんは突然の成行
    よしゆき さん作 [163]
 

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