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よしゆき さんの投稿された作品が140件見つかりました。
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恋、二度(ふたたび) 120
「でも本日は、本当に仲がよろしい様で、前回とは全く別人のように見えました。でも他のお客様がお騒ぎになると、一瞬身体を強張らせますが、信頼しきっている目で大友さんをご覧になって、緊張を消しているように見えましたので、私も大友さんの話す時の考え方を、真似させていただきました」 「俺の考え方って…?」 「何気ない気遣いと、一途な愛情…ですか。一度だけ昔から好きな人ならいると言ってましたから、この方が
よしゆき さん作 [170] -
恋、二度(ふたたび) 119
「店長と違和感なく話せるのは、もう二十五年以上もこの仕事しているから、年の功っていうのもあるんだけど…」 「大友さん失礼ですよ。経験豊富と言って欲しいなあ」 私達の話を聞いていた店長が笑いながら、他の客から注文を受けたカクテル用のリキュールを取り出していた。 「そう、経験豊富だから…」 私達も笑ってしまった… 「だから、何回か話し掛けたら、その人がどういう人なのか大体わかるんだって」 「
よしゆき さん作 [175] -
恋、二度(ふたたび) 118
「店長に紹介するのを忘れてました、小野真愛さんです」 「店長の和田と言います。これからもご贔屓にお願い致します」 「小野真愛です…こちらこそ、よろしくお願いします…」 二杯目は夏希くんがチャイナ・ブルーを私はテキーラ・サンライズを注文した。 飲みながら、夏希くんが不思議そうに言った。 「真愛、店長にも、普通に話してるやん。怖くないんか?」 「うん…なんか店長夏希くんと同じにおいがする…」
よしゆき さん作 [177] -
恋、二度(ふたたび) 117
「ブルー・ムーンとスカイ・ダイビングです」 たった一度作ってもらっただけなのに、何も注文しないうちから、私達のカクテルを出してくれた。 「この前私に出してくれたカクテル…覚えてくれていたんだ…」 「それが店長の凄いところなんだよ」 私達は乾杯をした。 「ブルー・ムーンってレシピは何なのかな?」 「ジンをベースに、クレーム・ド・バイオレットとレモンジュースをシェークしたものです」 丁度店長が
よしゆき さん作 [130] -
恋、二度(ふたたび) 116
「店の名前なんていうの…?」 「『スカイスクレイパー』だよ」 「摩天楼って意味だよね」 「さすが真愛はよく知ってるね…」 「えへへ…」 すっかり癖になった、右手の人指し指で髪をかいていた。 雑居ビルの最上階にあるアーリーアメリカンスタイルのカクテルバー『スカイスクレイパー』に着いた。 前に来た時から半年たっていたけど、あの時は色々あってほとんど覚えてなかった。 ただ綺麗な薄紫色のカクテルだけ覚
よしゆき さん作 [139] -
恋、二度(ふたたび) 115
私達は、夏希くんの家を出ると、電車に乗ってあのバーに向かった。電車の中は初詣での帰りとか、これから遊びにいくグループ等がたくさんいて、かなり混んでいた。 私は電車が揺れる度に身体を固くしていき、どんどん口数が減ってきた。夏希くんはなるべく私が誰にも触れないように、私の右側が連結部の扉につくようにしてくれた。私はできるだけ夏希くんにしがみついて、彼も私を右手で抱いていてくれた。 十分程我慢してい
よしゆき さん作 [146] -
恋、二度(ふたたび) 114
「夏希くん、何が食べたい…?」 帰りの車の中でリクエストを尋ねた。 「少し早いけど、何か食べに行こうか…」 「どうして…?」 「真愛も疲れただろう…」 「そんな事ないけど…夏希くん疲れちゃった…?」 「いいや、大丈夫だよ…」 「だったらあのバーに行かない?」 何故か急にあの店長の顔が見たくなっちゃった… 「かまへんけど…それやったら俺の家からの方が近いし、車を置いて行こうか。どうせ明日行く
よしゆき さん作 [159] -
恋、二度(ふたたび) 113
「夏希くんはどうするの…?」 気持ちを押し隠して 逆に聞いた。 「何か大事な報告があるらしいから…」 少し悩んだけど、美樹とも会えそうだし、何より夏希くんと居たいから、 「うん…いく…」 と答えた。 電話を終えて、夏希くんが私の頭を撫でながら言った。 「明日正午から、拓海のマンションで、だって…」 「えっ…夜じゃないんだ…」 「明後日は仕事だろ…だから昼から始めて、終わりを早めようって…」
よしゆき さん作 [188] -
恋、二度(ふたたび) 112
私達は、天保山の山頂を目指して登山していた。と言っても五メートル足らずの、日本一低い山だけど… 山は小高い丘状の公園になっていて、思ったより人がいる… 「私、山の頂上に立つの初めて…」 「後少し、自分の足で登りきるんやで」 夏希くんと笑いながら、最後の一歩を踏み出した。 「登頂おめでとう!」 私達は山頂に着くと、握手をして笑った。 ハーバービレッジに向かって歩いていたら、夏希くんの携帯電話
よしゆき さん作 [150] -
恋、二度(ふたたび) 111
「真愛はどうやったん?」 「私は昔からず〜っと変わらないの」 「へぇ、なんやろ…?」 「えへへ…」 人指し指で頭をかいた。本当に癖になったのかな… 「私はね…花嫁さん…純白のウェディングドレスを着て、大きなブーケを持って、教会でみんなに祝福されながら、ヴァージンロードを歩くの…」 「もうすぐ夢が叶うやん」 「うん…そして、そっとベールをあげて二人はキスをするの…」 私は夢見る乙女になっちゃ
よしゆき さん作 [159]