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よしゆき さんの投稿された作品が140件見つかりました。
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恋、二度(ふたたび) 90
住宅街のはずれにある神社は意外に賑わっていた。私達はまず本殿にお参りして屋台を見て回った。 私は男の人が多くて少し震えていたけど、夏希くんが私の腰に手を添えて、しっかりとエスコートしてくれたからすぐに収まった。前からぶつかりそうになる人は、香緒里と涼平さんが盾になって、ぶつからないように守ってくれた。 みんなのこの何気ない無意識の行動が、私は本当に嬉しくて、自然と涙が溢れてきた。 「真愛…怖い
よしゆき さん作 [145] -
恋、二度(ふたたび) 89
「じゃあ、初詣でに出掛けますか」 涼平さんが立ち上がった。 「人多いとこは行かへんぞ。近くの神社やで」 「なんでや」 「真愛がおるやろ。変な男に囲まれたないんや」 「あの様子やと大丈夫ちゃうか?」 「かもしれんけど、あかんまだ早い」 夏希くんは涼平さんと口論を始めた。 「真愛は幸せだね。あんなに心配してくれて…」 「うん…私夏希さんに会えてよかった…」 「もう、しっかりのろけてるわ」 「えへ
よしゆき さん作 [133] -
恋、二度(ふたたび) 88
「なんや夏希。お前いつの間にそんなことしてんねん」 涼平さんは夏希くんの背中を思い切りはたいた。 「しばらく見ないうちに…なんか吹っ切れた、って感じがするわ…」 その一言で、私にも何故涼平さんと話すのが怖くないのか理解した気がした。 夏希くんに全てを話して、彼に常に優しく接してもらって、そして結ばれた事が、リハビリになっているのだろう。私はそこまで考えると、夏希くんに急に甘えたくなった。 「
よしゆき さん作 [152] -
恋、二度(ふたたび) 87
「何でお前ここにおんねん」 「真愛まさか最初から私達のこと騙してたん」 涼平さんと香緒里は交互に私達に詰め寄った。 「ごめんごめん。まさかほんまに引っ掛かると、思わんかったんや」 「怒らんといて。いつも香緒里達がしてることをしただけよ」 私達はまた笑い転げた。 年明けまでまだ時間があるので、少し飲むことにした。 「真愛ちゃん、普通に喋ってるやん」 「男の人の前やのに、いつもと変わらへん…」
よしゆき さん作 [125] -
恋、二度(ふたたび) 86
『もうすぐ着くよ。用意できてるか』 という香緒里からのメールが届いた。まだ十一時前だった。 『もう少しやから、部屋の中で待ってて、鍵開けとくから』 私と夏希くんは、悪戯の総仕上げにかかった。 夏希くんが隣りの部屋の照明をナツメ球だけにして、そこに潜んだ。 そして私はもう一つの部屋で用意をしてる振りをして、二人が来るのを待っていた。 程なく、 「ただいま。真愛、迎えに来たよぉ」 「お邪魔します
よしゆき さん作 [142] -
恋、二度(ふたたび) 85
程なくして、夏希くんの携帯に私と香緒里と一緒に行くと帰ってきた。 私の方にも、涼平さんと十一時過ぎに迎えに行くと返ってきた。私達は、二人に殴られるかななどといいながら大笑いしていた。 時計を見ると九時を過ぎていたので、私はシャワーを浴びに行った。 私は髪を乾かしている時、夏希くんを驚かすいいことを思いついた。それを実行に移すべく私は和箪笥を開けた。 少し苦戦しながらも、無事着付けると私は居
よしゆき さん作 [189] -
恋、二度(ふたたび) 84
肉と野菜の炒めものと鮭のムニエル、それに年越し蕎麦という適当な献立だけど、夏希くんは美味しい 、美味しい、言いながら全部食べてくれた。 食器を洗い終えて、居間にもどると、夏希くんは床に座り、ソファーに凭れながらビール片手に紅白を見ていた。私はビールを二本持っていき彼の横に座った。 談笑し、ビールを飲みながら紅白を見ていたら、夏希くんの携帯にメールが入った。 涼平さんから今から行くから初詣
よしゆき さん作 [140] -
恋、二度(ふたたび) 83
しばらくして、夏希くんからメールが届いた。 『もう着くよ』 と。 私が返信しようとしたら、チャイムがなった。 私はびっくりしながら玄関に近付いて、覗き穴からみると、たくさんの飲み物が入っているビニール袋を提げた、夏希くんが立っていた。 慌てて扉を開けると、私は彼を招き入れた。彼と会うのは、あれ以来だった… 彼は袋を置くと私と抱き合って、ちょっと躊躇したが、唇にキスをしてきた。私も積極的に彼の
よしゆき さん作 [148] -
恋、二度(ふたたび) 82
『夕方には行ける』 と夏希くんからメールが入ったのがお昼前だった。 私は部屋の掃除を終わらせて、買い物に出かける準備をしていた。 『早くきてね。待ってるよ』 と返信して、私は家を出た。 家の近くのスーパーマーケットは、正月用の買い物に来ている家族連れで一杯で、店は活気に満ち溢れていた。 去年までなら、一人で過ごしていて、そんなに買い物もしなかったから、夕方だいぶ人が減ってから行ってたので、
よしゆき さん作 [134] -
恋、二度(ふたたび) 81
夏希くんの優しさが、私の身体の震えを和らげていった。 「私ね、正真正銘の処女よ…」 彼は慌てて身体を放した。 「いやや、離さんといて…」 私は彼にしがみついた。 「真愛がびっくりすること言うから…」 「今なら私…あなたに抱かれても…きっと怖くない…」 「真愛…そんな無理にすることない…」 まだ何か言おうとするのを私は遮って、 「私が好きなら…私、あなたが好きだから…あなたが欲しい…」 「
よしゆき さん作 [157]