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よしゆき さんの投稿された作品が140件見つかりました。
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恋、二度(ふたたび) 80
一時過ぎまで、色んな話しをしていた。翌日‐もう今日だけど‐は二人とも仕事なので寝ることにした。夏希くんが先にシャワーを浴びに行っている間に。 私の隣りに布団を敷いた。少し大胆に布団はくっつけておいた。出てきた夏希くんは、慌てて布団を離しながら言った 「俺はソファでいいよ」 「だめ、わたしが心細いんだから…そばにいて」 「わかったからシャワー浴びておいで。出てくるまで起きてるから」 「うん…」私
よしゆき さん作 [152] -
恋、二度(ふたたび) 79
「真愛…今日泊まったらあかんか?」 「えっ…別にかまわないけど…」 「もう少し真愛と飲みたくなってきた」 私もあんな話しをした後なので、少し心細くて、今日はずっと夏希くんに居て欲しかったから、とても嬉しかった。 「でもなんにもないよ」 「そこのコンビニまで、一緒に買いに行ったらええやん」 「そうね、じゃあ顔を洗ってくる」 私は洗面所で顔を洗い、鏡を見たら目が腫れていたので、簡単に化粧をした。
よしゆき さん作 [141] -
恋、二度(ふたたび) 78
「それ以来ね、男の人が怖くて怖くて仕方ないの…十年以上たった今でも…男の人の目が怖い…」 身体も震えてきた。夏希くんも泣きながら、私の身体の震えを止めようとする様に、私を抱き締めてくれていた。 「私が男の人と喋らなくなった、色々な噂があって…みんなが好奇の目で私を見るのに…夏希くんだけが違ったの…そんな噂なんかしるかって目をしていた…だから私もあなたが気になったの…」 私はこれ以上話せなかった
よしゆき さん作 [140] -
恋、二度(ふたたび) 77
「私ね、苛められてたの。小学校の五年生の時から…」 突然の告白に、夏希くんは戸惑ったようだ。 「ずっと同じ男の子達のグループに…箒で叩かれたり、黒板消しを投げられたり…私おとなしいからやめてと言えなかった…」 「真愛いいよ、辛い思い出なんやろ、やめとこう…」 夏希くんは私を気遣って話しをやめさそうとしてくれた。 「中学生になったら益々ひどくなったの…雑巾の水を掛けられたこともあった…でも苛めら
よしゆき さん作 [160] -
恋、二度(ふたたび) 76
夏希くんは、私が作ったお料理を残らず食べてくれた。 「真愛は何をつくらせてもうまいな。こんな美味しい料理、毎日でも食べたいわ」 「昔からこういうの好きだったから…男の人に食べてもらったの初めてよ」 「俺が第一号か。めっちゃ光栄やな。また作ってな」 「私のお料理でよかったら、いつでもどうぞ」 「約束やで」 「うん」 夏希くんにこんなに喜んで貰えるのだったら、もっと早くに作るんだった… 食事の
よしゆき さん作 [136] -
恋、二度(ふたたび) 75
「はい、クリスマスプレゼント」 夏希くんは、抱えるほど大きな包みを私にくれた。 私は少し大きめの紙袋を渡した。 「空けていい…」 「どうぞ」 包みを空けると、大きなプーさんのぬいぐるみが出てきた。 「うわぁ大きい。覚えていてくれたんだ。ありがとう」 いつか忘れたけど、大きなプーさんを抱いてみたいと私が言ったことがあった。それを覚えていてくれたのだった。私はプーさんに抱き付いた。でも… 「なんか
よしゆき さん作 [306] -
恋、二度(ふたたび) 74
その部屋で今年は、夏希くんと二人きりの、クリスマスパーティーを開いた。 私は腕によりをかけて、たくさんのお料理を作って夏希くんを待っていた。 彼は約束の時間を、ほんのちょっぴり過ぎて、家にやってきた。クリスマスケーキと大きなプレゼントと一緒に… 「メリークリスマス!」 玄関で靴を脱いで、部屋にあがりながら、彼は私にそっと近付くと、クラッカーを鳴らした。 私はその音にびっくりして彼に抱き付いて
よしゆき さん作 [215] -
恋、二度(ふたたび) 73
私は今、独り暮らしをしている。 学生時代、最初は女子寮に入っていたけど、寮の規則があまりにも厳しかったので、仲の良かった友達と逃げ出して、一部屋借りて、三人で共同生活を始めた。三人で住むと家賃が三分の一で済むし、一人で住むより心強くて楽しかったから。 その時一緒に住んでいたのが、香緒里と美樹だった。 面白く、おかしかった学生生活も卒業とともに終わりを告げた。 二人は職場に近い大阪市内に転居して
よしゆき さん作 [272] -
恋、二度(ふたたび) 72
毎日毎日、メールのやり取りをし、毎週末は必ず会って楽しい時間を過ごしてきた。 彼は私を気遣って、人の多い処には行かず、ほとんどドライブに連れて行ってくれた。 八月の初めに琵琶湖の花火大会を見に行った時は、大津のサービスエリアで車の中から見ていた。その日は、生まれて初めて浴衣を着て、夏希くんと会った。 彼は目を細めて眩しそうに私を見て、 「真愛(まい)良く似合っているよ。めっちゃ綺麗や…」 と褒
よしゆき さん作 [264] -
恋、二度(ふたたび) 71
あれから半年。 街からジングルベルの音色が消えて、何もかもが慌ただしい年の瀬。今年も後、数時間しか残されていない。 今年ほど印象深くかつ嬉しかった年は、おそらく私の生きてきた二十六年間で、初めてじゃないだろうか。 夏の初めに美樹(みき)と悟志(さとし)さんが結婚。 秋には拓海(たくみ)さんと実里(みのり)さんの電撃結婚。電撃結婚と言っても、某有名雑誌の人気モデルだった実里さんが、マスコ
よしゆき さん作 [236]