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フラン子さんの投稿された作品が158件見つかりました。

 
  • sound of you 63

    私の頭は沸点を越え、茹でダコ状態だ。抱き締められるがままの態勢で、綾川くんの肩に顎を乗せて固まっている。二人の間で私のか綾川くんのか分からない胸の鼓動がバクバク聞こえる。「えっ…あ、あのっ」ただ口をパクパクさせて直立不動の私はなんて滑稽なんだろうと思うとさらに顔が赤くなる。「槇原さん。…もうバレバレだったかもしんないけど……、俺も…好き。」と、耳元で綾川くんが擦れた声で呟いた。私は驚きと恥ずかしさ
    フラン子さん作 [301]
  • sound of you 62

    ガチャ!「うわ、危ねっ……って、菜々ちゃん?」私がドアを開けると買い出しから戻ってきたヤスさんがいた。「す、すみません!」私が慌てて謝っていると、ぐいっと左手を掴まれた。「おっ?何なに?」ヤスさんが、私と私の手を握っている綾川くんを交互に見ながらからかうような笑顔になった。「槇原さん、行こ…。」ぐっと手を握りなおされ、引かれるままに店を出た。「……あ、綾川くん?」呼びかけるが少し前を歩く綾川くんは
    フラン子さん作 [320]
  • sound of you 61

    ……ドキドキとっさに目を瞑った私は唇に全神経を尖らせた。恥ずかしさと期待で心臓は太鼓のように鳴っている。「…槇原さん?」ふと名前を呼ばれ反射的に目を開けると、少し困ったように眉を下げた綾川くんがいた。てっきりキスされるかと思った私は穴があったら入りたいくらい恥ずかしさが込み上げてきて、真っ赤になった頬を隠すように手を顔にあてた。「…ごめん」何故か綾川くんが謝る。「…………。」「…………。」沈黙が続
    フラン子さん作 [307]
  • sound of you 60

    「…ごめっ…、なんか…勝手に想像してたら…」ポロポロと頬を流れる涙を手の平で横に拭う。それでも間に合わずにカウンターのテーブルに涙が落ちた。私の頭の中の中学生の綾川くんが愛しくて堪らなかった。誰も家には居なくて、そんな家に帰りたくなくて行く場所もなく毎晩街をウロウロして、流れ着いた所がこの店の前…。また涙が出そうになったのでココアを飲んで深呼吸した。気付くとすぐ隣の椅子に綾川くんが座っていた。カウ
    フラン子さん作 [397]
  • sound of you 59

    「中学2年からかな?色々あって流れ着いた感じ。」綾川くん、少し話しずらそう。「あ、話したくないなら別にいいんだよ。」「いや、話す。」綾川くんはコーヒーを飲み干して話しだした。「……中学一年のとき、親が離婚っていうか、母親が家を出てったんだ。父親は仕事ばっかでロクに帰ってこないし、家に帰っても誰も居なかった。だから夜遅くまで外をウロウロしてたんだ。」いきなり始まった綾川くんの過去の話。淡々と話してい
    フラン子さん作 [362]
  • sound of you 58

    …カランヤスさんの店に入ると開店前なのか誰もいない。ジャズも流れていない。「買い出しかな?…あ、何か飲む?」綾川くんはカバンを下ろしながら当たり前のようにカウンターの中に入っていった。「え?勝手にいいの?」「いいの、いいの。何がいい?」「えーと、カフェモ…」「よし、ココアね。」ブッと笑うと「俺作れないもん、それ。」と軽く睨まれた。ココアをカウンターに置くと、綾川くんは自分用のコーヒーを片手に飲みな
    フラン子さん作 [345]
  • sound of you 57

    私は突然の出来事に驚き硬直する。綾川くんが手を握ってる。ここはバス停で他にも生徒がぞろぞろと集まってきてる。私たち二人の繋いでいる手はみんなに見えない位置にある。心臓が手に移動したみたいに、血流が早くなった。「ど、どうしたの?」私が聞くと、綾川くんは答えずにさらに強く手を握った。しばらくすると「ごめんね」と言って手を離された。ちょっと名残惜しかった。「俺今からヤスさんとこにレコード借りに行くけど一
    フラン子さん作 [441]
  • sound of you 56

    綾川くんは膝に肘をつき軽く両手を合わせて前かがみの状態で座った。「今日用事ある?」綾川くんが覗き込むようにこちらを向いた。バチッと目が合ったものの恥ずかしさですぐ逸らしてしまった。そのまま下を向き「ない」とだけ答えた。「そっか。」私は綾川くんに対して「あの子らとカラオケ行くんじゃないの?」「なんでバス停に来てるの?」と、いろんな質問が思い浮かんだが、なんだか彼女でもないのにそんな質問しちゃだめな気
    フラン子さん作 [312]
  • sound of you 55

    「菜々子!今日カラオケ行かない?」帰りのホームルームが終わり、カバンを持った梨沙子がこちらに来る。「んー…、やめとく。ちょっと用事あるし。」「そっか。じゃあ彼氏と行ってくるね。じゃね。」「あー、いいなー。」梨沙子に手を振りながらホントに心からそう思った。ガタン私はカバンを持ち、いつもは「じゃあね」と綾川くんに挨拶するが、その日は顔が引きつったままだったので挨拶せずにそのまま教室を出た。やっぱり挨
    フラン子さん作 [311]
  • sound of you 54

    もともと格好良い男子が少ないこの学校。眼鏡をかけなくなってから綾川くんのモテまくりの日々が始まった。加えてDJしてるなんてバレたら…もっとモテるに決まってる。綾川くんはいつも一人で本を読んでいた昼休みも、女子に呼び出されて教室にいない日が多くなった。それにせっかく学校で話せるようになったのに、今度は話せる時間がない。「充くん、眼鏡かけないほうがいいよー!かっこいいのにー!」「あー、ありがと。」「笑
    フラン子さん作 [321]
 
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