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フラン子さんの投稿された作品が158件見つかりました。
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幼なじみ12
そう言いながら私は自分がトンデモナイ発言をしていることに気付いた。勇を見ると、唖然としている。「な…なんちゃって。」なるべく冗談っぽくしてみた。勇は手元のDVDを見つめ、それを棚に戻し始めた。「え?マジ?」私がそう聞くと、「安上がりでいいじゃん。」と勇が答えた。私はめちゃくちゃ動揺してるのに勇は平然としている。やっぱり幼なじみは男女の枠を越えていて、異性としてみられてない気がする。会計を済ませ、
フラン子 さん作 [546] -
幼なじみ11
「何借りようかな〜。……ラブコメ…SF…アクション………。」ズラリとDVDが並んだ棚をゆっくり吟味しながら歩いていると、「お客様にはこれがお薦めですよ。」急に後ろから声をかけられ振り向くと、パッケージに血まみれの人が載ったDVDが目の前にあった。「ぎゃーー!!」驚きの余り、可愛くない叫び声を上げ腰を抜かした。「ぶっ…驚きすぎ、花。」勇がホラーのDVDを持って立っていた。勇もDVDを借りにきたらし
フラン子 さん作 [437] -
幼なじみ10
最近なんだか私は変だ。ボーっとしていると、いつも幼なじみの勇のことが頭にすぐ浮かぶようなった。頭をポンと触られたのは、もう数瞬間前のことなのに、勇のゴツっとした大きな手の感触をまだ覚えている。リビングでテレビを見ながら勇の触った自分の頭をなでていた。「花。お母さん勇ちゃんとこのママと来週旅行に行ってくるから、留守番よろしくね。もう高校生だから一人でも大丈夫でしょ?」「え?お父さんは?」「お父さん
フラン子 さん作 [425] -
幼なじみ9
アルバムを見終わると、勇は満足そうにこちらを向いた。「今度勇のアルバム絶対見てやる。」「……まぁ、別にいいけど。お前なんか電話で怒ってなかった?」「怒ってないし。怒る理由すらない。」本当に怒ってはいない。ただ嫉妬みたいな感情が再発してきて、勇の顔をうまく見れずに手元のクッションを見た。しばらく沈黙になり、気まずい空気になりそうだったので勇の顔を見ると、勇と目が合った。少し困った顔をしてる。「勇、
フラン子 さん作 [367] -
幼なじみ8
「お母さん!もう!」階段を走って降りた。玄関先にはTシャツにジーパン姿の勇と、満面の笑みで味噌を抱えてる母がいた。「見て、こんなにたくさん味噌頂いたわよ。……あ、勇ちゃん上がりなさいよ。久しぶりじゃないの、ゆっくりしていったら?」「じゃあ、お邪魔しまーす」「は?本当に上がるの?」「確か花の部屋、二階だったよな?」そういって勇はズカズガと二階へ上っていった。私は慌てて追い掛けた。私が部屋に着いた頃
フラン子 さん作 [360] -
幼なじみ7
着信は勇からだ。「はい。」『あ、オレ。』「オレオレ詐欺かしら?」『あ、勇です。…って着信で名前出るだろ。』「何?」『何って…、お前何で先に帰るわけ?帰る方向一緒じゃん。』「あんな囲まれてるとこ見せられたらジャマできないし。」『ジャマしてくれた方が助かったんだけど。』「気が利かなくてすいませんね。」なんかイライラする。刺のある言葉しか出てこない。『なんかお前怒ってない?どうした?』「別に……。あ、
フラン子 さん作 [370] -
幼なじみ6
勇は小学生の頃から変わり果ててしまった。「お母さん、勇の背が高くなってんの知ってた?バスケとかしてんの。いやー、人は変わるもんなんだね」台所で夕飯の支度をしている母に聞いた。「あら、あんた何も知らないの?勇ちゃんったら、今度県の大会に出るのよ。勇ちゃんのママが言ってたわ。」「へー、すごいね。」スポーツに疎いため、そのすごさがいまいち分からない。「やっぱり、私の知ってた勇じゃないや。別人と化してた
フラン子 さん作 [374] -
幼なじみ5
その日以来、またいつもの時間帯に戻ったため、勇を見かけることはなくなった。それから2ヵ月後、夜にいきなり勇から着信がきた。『もしもし、花?』「どしたの?いきなり。」『明日のバスケの練習試合、お前んとこの高校らしい。』「へー!来るんだ?」『おー、……まー、そんだけだ。』「頑張れ〜」『いやいや、試合観に来いよ。』「暇だったら行くよ。」『どーせ暇だろ』翌日。勇の言うとおり、暇だったので学校へ試合を見に
フラン子 さん作 [409] -
幼なじみ4
「花、携帯番号教えろよ」勇がいきなり言った。「は?勇、私に用事ないじゃん。意味ある?」「お前なー…」「勇、彼女いないの?」「この前別れた。」「?!」勇に彼女がいたことが結構ショックだった。「さ、さようでございますか。」「花は?」いるわけないのに聞かれると強がって「好きな人ならいる」と言った。実際そんな人いない。「へー、どんな奴?」「へ?!…えーと、最近好きになったからあんまりわかんないかな。あは
フラン子 さん作 [400] -
幼なじみ3
「じゃーな。気つけて。」勇はあっけらかんとした表情でそう言うと、左手を少し上げて反対のホームへ行ってしまった。「何なのアイツ。自分だけ大人ぶっちゃって。」私はホームへ出て、反対ホームで電車を待つ勇に向かって叫んだ。「アホ勇!」叫んだ瞬間、勇の顔が鬼のようになったが、間に電車が着たので飛び乗って逃げた。「また遭うこともなかろう……。」その日の朝、当たり前だが遅刻して、先生に『バツとして明日は校門で
フラン子 さん作 [404]