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フラン子さんの投稿された作品が158件見つかりました。
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SLOW LOVE(28)
「あの二人夏休みに別れたらしいぜ!」「平井君からフッたんでしょ?」「何それ、最低!」夏休みが終わると学年中に知れ渡り、マサノブ君はみんなからバッシングを受けた。しかし、1ヵ月もすると誰もそのことについて話す人はいなくなった。未だに引きずってるのは私だけだ。廊下で会うことも滅多になくなった。いまさらながらマサノブ君が積極的に会おうとしてくれていたことにやっと気づいた。今では廊下でたまに会ってもお互
フラン子 さん作 [371] -
SLOW LOVE(27)
次の日の夕方、公園のベンチに座ってる。私の前には小さな砂場と鉄棒がある。空はきれいなオレンジ色だ。「ごめん。別れよう。」さっきマサノブ君に言われた言葉が頭の中をグルグル回る。「…わかった。」マサノブ君の顔も見れずに下を向いてそう答えるのが精一杯だった。何もわかってないくせに。マサノブ君はそのまま去っていってしまった。フラレてしまった。泣きたいのに涙も出ない。何も考えられない。後ろに立っている木の
フラン子 さん作 [390] -
SLOW LOVE(26)
夏休みが始まり、塾通いが続き思っていたより過酷な毎日だ。「ユキちゃん。平井君から今日も電話あったわよ〜。あとで電話しときなさいね。」夏休みも1週間が過ぎ、毎日塾からクタクタで帰ってきて時間があればマサノブ君に電話をするが、ほとんど眠気に負けて曖昧な返事しかできなかった。「もしもし、月原ですけど…マサノブ君?」「ユキちゃん?あ、ちょっと待ってて……。自分の部屋行くから。」私はその間も意識が朦朧とし
フラン子 さん作 [378] -
SLOW LOVE(25)
その日は結局エリに慰められ、タケ君がマサノブ君と一緒に帰った。夜、マサノブ君から電話があって「どうした?」と聞かれたけど、嫉妬した自分を知られるのが恥ずかしくて「なんでもないよ。気にしないで」としか言えなかった。その日以来、マサノブ君は前ほど積極的に休み時間に教室に来たり、話しかけてきたりしなくなった。私から隣の教室へ入る勇気もなくて、だんだん二人の間はぎこちなくなってきた。それでもたまに話すと
フラン子 さん作 [352] -
SLOW LOVE(24)
「ユキちゃん。帰ろう。」平井君が教室まで迎えにきてくれた。「あ、マサノブ君。ちょっと今から急に委員会の話し合いがあるらしくて…少し待っててもらえる?そんなに長くかからないと思う。」マサノブ君は「昇降口で待ってる」と言って教室を出ていった。周りの子たちがニヤニヤしながらこちらを見てる。恥ずかしいけどそれに気づかないフリをした。委員会が終わって昇降口へ向かった。階段を降りようとすると、下駄箱でマサノ
フラン子 さん作 [348] -
SLOW LOVE(23)
いつもマサノブ君の行動は私をドキドキさせる。今朝、登校してすぐ教室の前にマサノブ君が立っていた。「昨日さ…安田と何かあった?ちょっと気になって」「え?…べ、別に大したことじゃないよ。」「……そ、そっか。」マサノブ君の顔がうまく見れない。首もとまでしか見れない。「あ、ユキちゃん。今日さ、一緒に帰れる?」「今日は大丈夫だけど。」なんて可愛くない返事の仕方だ。もう自分に嫌気がさす。「よかったぁ〜!今日
フラン子 さん作 [420] -
SLOW LOVE(22)
合宿が終わり、もう季節は梅雨。私とマサノブ君の距離は…相変わらず「学校一のほのぼのカップル」のままだ。受験生ということもあって私は毎日塾通い。マサノブ君がたまに「今日、一緒に帰れる?」と言ってくれるけど、ゆっくり帰ってると塾に間に合わない。せっかく二人で帰るのに急ぎ足で帰ってはマサノブ君に申し訳ないと思って断ってる。放課後、一人で校門へ向かっているとグランドで部活しているマサノブ君を見つけた。す
フラン子 さん作 [343] -
SLOW LOVE(21)
合宿中、私は自己嫌悪になっていた。朝、渡り廊下でマサノブ君と安田さんが話してるのを見ただけで嫌になるくらい嫉妬した。それに加えて夕方の屋上でもその二人がヒソヒソ話をしてた。安田さんは私をチラチラ見ながらマサノブ君に笑顔を振りまいてた。すごくそれが嫌で同じ空間にいるのが苦しくて逃げた。正直、マサノブ君が屋上に来たとき、私のところに来てくれるとばかり思って気づかないフリをして待っていた。私はいつもマ
フラン子 さん作 [398] -
SLOW LOVE(20)
晩ご飯を食べた後、少し休憩があり、夜間の授業は午後7時から午後10時まであった。授業が終わり男子は体育館、女子は多目的ホール、今夜の寝床へ向かった。体育館へ着くとタケが近づいてきた。「消灯終わって1時間くらいしたら出ようぜ。それぐらいから職員会議があるらしいからさ。」いったいどこからその情報を獲てきたのか、全くタケには感心する。消灯して1時間後、俺らはバラバラにトイレに行くふりをした。一応、入口
フラン子 さん作 [387] -
SLOW LOVE(19)
俺は安田の言葉に頭が真っ白になった。確かにいつも俺から会いに行くし、俺から話しかけるし、俺から電話もする。俺とユキちゃんの距離がなかなか縮まらないのは二人の気持ちの重さが違うからだったのか‥‥。隣の安田は他の話題を話してるが、全く頭に入ってこない。「おい、マサ。飯食いに行こうぜ。」タケに声をかけられ我に返った。いつの間にかユキちゃんの姿は消えていた。安田はやっと離れてくれた。「マサ、あのさ。今夜
フラン子 さん作 [356]