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フラン子さんの投稿された作品が158件見つかりました。
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SLOW LOVE(18)
夕方になり腹が減ってきたころ、チャイムが鳴った。「よっしゃ!晩飯!!」中級クラスのやつらと晩ご飯の配給がある体育館へ行こうと廊下に出た。「いまちょうど夕日見えるらしいよ〜」階段ですれ違った女子たちが屋上へ上がっていった。「ちょっ…先に行ってて」俺は一人で屋上へ向かった。もしかしたらユキちゃんがいるかもしれない。淡い期待を胸に屋上へ上がると結構人が来ていた。みんな山の向こう側に沈んでいく夕日を見て
フラン子 さん作 [348] -
SLOW LOVE(17)
「結局、昼休みも中級クラスのやつと一緒にグランドでサッカーしちゃったよ…」午後の授業中、俺が一人ため息をつくと後ろの席の安田が俺の背中をつついてきた。「ん?」「もしかして月原さんのこと考えてる?」俺はほんとに安田が苦手だ。いったい俺のどこがそんなに好きなのか…。ユキちゃんがこれくらいしつこくなってくれるとものすごい嬉しいんだけどね。「私、相談に乗ろうか?月原さんと原田さんが平井君の話してるの聞こ
フラン子 さん作 [459] -
SLOW LOVE(16)
合宿当日の朝。ぞくぞくとジャージ姿の3年生が一晩分の荷物を持って校門をくぐっていく。男子は手ぶらのヤツがちらほらいるのと対照的に、女子は何泊するつもりだ?と疑うほど大きな荷物を持ったりしている。全員体育館に集合させられ先生から合宿のしおりを見ながら長々と説明があった。案の定、俺は中級クラスでユキちゃんは上級クラスに振り分けられていた。各教室へみんなが移動し始めた。俺は朝からまだ一度も会ってないユ
フラン子 さん作 [376] -
SLOW LOVE(15)
中学生活最後の1年が始まった。それと同時に受験生にもなってしまった。俺の成績は全体からすると中級レベル。ユキちゃんは付き合い始めてから知ったが、やたら頭が良く、確実に上級レベルだ。「絶対合宿のクラス違うやん‥‥俺ら‥」もうすぐ俺らの中学の恒例行事、『受験勉強対策合宿』がある。成績のレベルごとにクラスを分けられ、夜10時近くまでみっちり教室でシゴかれ、最後は男子は体育館で、女子は多目的ホールで寝る
フラン子 さん作 [361] -
SLOW LOVE(14)
春休みは結局ユキちゃんと会えなかった…。電話番号を原田エリに聞いてかけたらお母さんが出て塾に行ってていないわよと教えてくれた。俺があまりにしつこくかけてたからだろうが一度だけユキちゃんが忙しい合間をぬって電話してきてくれた。俺はいきなりで会話を用意してなくて、とりあえず電話をくれたことが嬉しいということを伝えた。春休みが終わり新学期が始まった。始業式の朝はドキドキしすぎてユキちゃんに会ったら何を
フラン子 さん作 [393] -
SLOW LOVE(13)
校門を出て二人で並んで歩く。3学期の通信簿がどうだったとか、友達から仕入れたおもしろ話をして沈黙にならないように俺はしゃべりまくった。月原さんは俺のくだらない話に笑ってくれた。少し下を向いて口を隠して笑う仕草がまた可愛くて、もっと笑わせたくなる。話のネタも尽きてきたころ俺は意を決して言ってみた。「あのさ、みんな月原さんのこと『ユキちゃん』って呼んでるやん?…俺も呼んでいい?」恐々隣にいる月原さん
フラン子 さん作 [372] -
SLOW LOVE(11)
月原ユキと付き合い始めて1週間しか経っていないのにもう明日から春休みだ。いつもなら春休み万歳!と喜ぶところだが、今回は休み期間に月原さんに会えるかどうか心配だ。月原さんのクラスのホームルームが終わるのを廊下で待っていると、他のクラスのやつらにジロジロ見られる。付き合い始めた次の日から俺はみんなのからかいの的になっている。月原さんが俺のクラスの前の廊下を通るだけでクラスのやつらがハヤし立てた。悪い
フラン子 さん作 [393] -
SLOW LOVE(11)
空は夕暮れ。西の空に一番星を見つけた。俺は空を見上げて白い息をついた。「これで本当にお別れか‥」周りのヤツに聞こえないように呟いた。〜1年前〜俺は完全に舞い上がっていた。サッカーボールを当てられているのに天にも昇る思いだった。ずっと片想いだった月原ユキが俺の彼女だなんて信じられない。数日前、体育の時間に月原さんにバスケットボールをぶつけてしまったときは本当に嫌われたと思った。「おい、マサ!月原ユ
フラン子 さん作 [416] -
SLOW LOVE(10)
二人でしばらく話していると、「やべ。俺いまから部活だった。校門まで送る。」そう言って、校舎を出て、二人でグランドの脇を通って門へ迎う途中、急にグランドのフェンスを飛び越えてサッカーボールが飛んできた。サッカー部の男子がフェンスへ向かって走ってくる。「おーい!マサ!ボール取ってくれ!ってかお前どこ行ってんだよ。部活サボんのかよ。聞いてんのか?‥‥あれ?」その男子はそこまで言った後ようやく私に気がつ
フラン子 さん作 [470] -
SLOW LOVE(9)
放課後になり、一時すると教室には誰もいなくなった。とりあえず帰る準備をして席に座ってみたが、ソワソワして落ち着かない。「…あれ?待ち合わせ場所とかわかんない。このまま教室で待ってていいのかな?昇降口まで行った方がいいのかな?」どこで平井君が待ってるのか見当がつかない。平井君の教室は隣なのにのぞきに行くことは恥ずかしすぎて無理だし…。とりあえず教室で少し待ってみることにした。でもいつまで経っても平
フラン子 さん作 [433]