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フラン子さんの投稿された作品が158件見つかりました。

 
  • sound of you 43

    路地脇で膝を抱え、綾川くんを待っている。……ザッ…ザッ靴音が私の前で止まり、少し視線を上げると、視界の端にスニーカーが入ってきた。そのままゆっくり視線を上げると、キャップ帽を被り、黒いダウンジャケットを羽織り、ポケットに手を突っ込んだ綾川くんが立っていた。「…ごめん。寒いのに外で待たせて。」私はブンブンと頭を振って答えた。「えーと、マサさんに言ってきたから。」綾川くんは拳を口元に持っていきホ
    フラン子 さん作 [298]
  • sound of you 42

    「え?」私が聞き返すと、「何でもない」と言ってそっぽ向く。「………。」また沈黙…。何なのコレ…私、なんで泣いてたっけ?………!!私は重大なことに気づいた。「綾川くん!ライブ中じゃない??」私が掴まれた腕を引っ張ると、パッと手を離された。綾川くんは両手をあてて顔を覆う。「……大丈夫。さっきので俺の出番終わりだから。」あ、そうなの。「…………。」また沈黙。「とにかく中入ろうよ。」「……槇原さん、さっ
    フラン子 さん作 [306]
  • sound of you 41

    扉が閉まる瞬間、会場の中から『Happy New Yeeeaaaaar!!!!!』というMCの声とワァー!という歓声が聞こえた。 「……綾川くん?」腕を掴まれたままレンガの階段を二人で上っていく。路地へと出る。雪は止んでいた。「………ヘクショ」つないだ腕と逆の腕を口元にあてるようにして綾川くんがくしゃみした。「綾川くん!Tシャツのままじゃん!!」涙なんて引っ込んだ私は繋がれた綾川くんの腕を引っ張
    フラン子 さん作 [320]
  • sound of you 41

    ……好きだ好き、好き、綾川くんが…好き。涙がジワっと滲み出る。メイクが落ちちゃう…。すでに曲も何曲目かわからない。私は涙を我慢できなくなって、トイレに行くフリをしてロフトを下りた。防音扉を開けて外へ出ようとすると、知らない男に声をかけられる。「もう出んの〜?もうすぐカウントダウン始まるよ〜?…一緒にしようぜ〜!」と肩に手を置かれる。私はゾワゾワっと悪寒がした。男からはアルコールの臭いがプンプンす
    フラン子 さん作 [323]
  • sound of you 40

    5人組が次々とラップを繰り広げ、会場中が音楽に合わせて揺れている。ステージの中心でミツルは少し頭を揺らしてリズムに乗ってる。当たり前だが眼鏡はしておらず、マスクを被っていたため帽子も被ってない。でも髪型はちゃんとセットされ立てられている。冬だけどステージの上は暑いみたいで、黒いTシャツにベージュのハーフパンツ姿だ。腕にはいつもの腕時計の他にもいくつかミサンガのようなものが見える。……カッコいい。
    フラン子 さん作 [314]
  • sound of you 39

    会場が一気にワァーと盛り上がる。ビートボックスをしながら5人組が定位置につくと、ステージ袖からプロレスのマスクを被った男が出てきた。マスクマンはターンテーブルの奥に立つとヘッドホンを首にかけ片耳だけあてた。会場は得体の知れないマスクマンにザワザワと騒つく。「誰?」と隣の客も連れの人と話してる。マスクマンがターンテーブルにセットされたレコードに手をかけた。するとビートボックスに合わせてマスクマンが
    フラン子 さん作 [306]
  • sound of you 38

    「どこ行く?」お姉ちゃんと戸惑っていると、スタッフらしき人がきて、「マサの彼女っしょ?特等席まだ空いてるからおいで。」と言った。お姉ちゃんはガッツポーズした。スタッフに付いていくと、ロフトっぽい所に案内された。「ここなら揉みくちゃにされる心配ない。」そう言いながらお姉ちゃんはコートを脱いでいる。……ステージからは遠くなっちゃったな。私は少し落ち込みながらお姉ちゃんと同じようにコートを脱ぐ。しばら
    フラン子 さん作 [334]
  • sound of you 37

    寒いので紺のピーコートに花柄のストールを巻いている。コート下は黒のワンピースに黒いタイツ、足首にファーの付いたショートブーツを履いている。「年越しイベントはみんな気合い入れてくるから、おしゃれしなさいって言ったの。」パーティーに行くみたいな華やかな格好をしたお姉ちゃんが助手席に乗り込む。「じゃ、出発しまーす」将樹さんがアクセルを踏んだ。繁華街へ到着し、私たちを車から下ろすと将樹さんは「友達んちに
    フラン子 さん作 [322]
  • sound of you 36

    12月31日の夜。「菜々子!早く!将樹もう来てる。」お姉ちゃんが携帯を耳にあてたまま部屋に入ってきた。「ちょっ…待って!あと、ネックレスと、…えと、携帯と、……ぐわッ!!」…ドスンッ!!コケた。冬休みに入ってから一度だけ綾川くんのパソコンにメールした。『綾川くんが出る年越しイベント行くよ。』メールの返事は数日待っても来なかったので落ち込んでいたら、昨日の夜、携帯の着信が鳴った。リビングでボーっと
    フラン子 さん作 [315]
  • sound of you 35

    「……あ、あの!」話しかけながら、久しぶりに話してることに気づき顔が熱くなってくる。「年越しイベント私も行きたい」って言いたいだけなのに、なかなか言葉が出てこない。「菜々子ー!帰ろうー!」梨沙子がカバンを持ってこちらにきた。「ん?何話してたの?」梨沙子は私が綾川くんのほうを向いていたことに疑問を感じた。「な、何も!帰ろ!」結局何も言わずに冬休みに入ってしまった。* * * * * * * * *
    フラン子 さん作 [356]
 
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