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フラン子さんの投稿された作品が158件見つかりました。

 
  • sound of you 34

    その日からメールするのをやめた。もともと毎日顔を合わせているのだから、お互いの正体がバレたら恥ずかしくてできなかった。だからと言って、昼間学校でも話すことはほとんどなかった。今まで接点のなかった私たちがいきなり話しだすと周りが不思議がり、DJがバレることに繋がりかねない。たまに目が合うと、こっそりお辞儀し合う程度だ。たまに私の机にCDが忍び込ませてあり、メモ紙が挟んであったりする。そんな小さな接
    フラン子 さん作 [293]
  • sound of you 33

    「ハハッ、いきなり何?」ミツルが私を見て笑った。目尻が少し下がり、口の端が片方だけ上がる。『私はこの笑顔が好きだ』そのとき、はっきり私の心はそう言った。私はますます恥ずかしくなり、持っていた眼鏡を慌ててミツルの顔にかける。もとの綾川くんに戻った。でも私の心臓の早さはもとに戻らない。「…っ、びっくりした。」と綾川くんは眼鏡を耳にかけなおしている。「あは、ごめん!」再び歩きだす私たち。なぜか沈黙が続
    フラン子 さん作 [320]
  • sound of you 32

    「えーと…、大した理由じゃないけど…。」私は重大な秘密を明かされるような気になり目を輝かせた。「………朝弱いから」「へ?」「夜遅くまでパソコンで曲いじりしてるから朝ギリギリまで寝てておしゃれに気を使う時間がない。」「それだけ?」「うん。コンタクト付ける時間すらない。」拍子抜け…。「あ、は…はははは」私は期待し過ぎた自分がおかしくて笑った。綾川くんもニカッと笑った。あぁ、やっぱり眼鏡外して笑ってる
    フラン子 さん作 [301]
  • sound of you 31

    私は恥ずかしくなり足元を見る。「気づいてたの?」私が聞くと、綾川くんは「うん。」と答えた。私は顔が熱くなった。恥ずかしすぎる…。「えーと、もしかして私のことバカにしてた?」私が聞くと、綾川くんはハハッと笑い「違うよ」と言った。「自虐的な感じになるけど、俺がダサいから学校じゃ関わってるところ他の人に見られたくないのかなーとか思って…。」そんなことを言われて、どう反応していいか分からなくなった。確か
    フラン子 さん作 [297]
  • sound of you 30

    「本当にごめんなさい!」私はもう一度謝った。綾川くんがこちらに向かって歩いてくる。「槇原さん?俺…別に怒ってないよ?」私は綾川くんの表情を確かめようとするけど、眼鏡をかけてて分からない。「へ?」間の抜けた声が出た。「俺、ユキさんは槇原さんじゃないかなって思ってた。でも、俺普段はこんなダサい格好だから、『DJのミツルは俺だ』とか言っても信じてもらえないんじゃないかとか、むしろ引かれるかもとか、いろ
    フラン子 さん作 [293]
  • sound of you 29

    いくら考えてもわからない。でもユキってバレたことは確実だ。もう怖いものなんてなくなったじゃないか。私は綾川くんが拾ってくれたペンケースを急いでカバンに入れ、教室の電気を消して廊下に飛び出す。廊下は真っ暗だ。でもさっきのような恐怖感はなかった。ただひたすら走った。パタパタパタパタ廊下を走る自分の足音が校舎内に響く。もう綾川くんが何を考えてるかなんていい。とにかく充(ミツル)と話したい。パ
    フラン子 さん作 [311]
  • sound of you 28

    「……これ」それだけ言って綾川くんは何も言わない。彼はしゃがんだままメモ紙を握って黙ってしまった。怒ってしまったのかもしれない。私は自分がついてしまった嘘をすごく後悔し、しゃがんだまま目を閉じた。どれくらい沈黙していたのか分からない。先に口を開いたのは綾川くんだった。「…槇原さん。クラブとか行ったことある?」怒ってるか分からない口調だ。私はビクッとしながら、正直に頷いた。「そっか。」綾川くんは散
    フラン子 さん作 [289]
  • sound of you 27

    「……あ、槇原さんか。誰かと思った。」おぉー!!生ミツルと初会話!と、興奮する私。「あはは。結構近づかないと人の顔認識できない?」調子に乗ってさらに話しかける。「うん、すっごい近視。ほら眼鏡もすごい度が入ってるし。」綾川くんは少し笑いながら話を返してくれる。あぁ、眼鏡外して笑ってる顔が見たい。私は心底そう思った。「ほんと度がキツそう。ちょっと外してみて。」私は我慢できなくて気づいたらそう言ってい
    フラン子 さん作 [284]
  • sound of you 26

    「暗ッ!!」放課後、委員会の会議が終わり自分の教室へカバンを取りに帰ろうと廊下に出る。冬になり日の入りが早くなったため、廊下は真っ暗だ。パタパタパタ思った以上に廊下が暗く、寒かったので足早に教室へ向かう。「あ、電気ついてる…」長く暗い廊下の先に自分の教室から電気の明かりが漏れていた。暗さに恐怖を感じていた私はホッとした。……ガラッ「!!」私の心臓は跳ねた。ドキンって音がした。教室内に一人。
    フラン子 さん作 [304]
  • sound of you 26

    昼間は話したこともないただのクラスメイト同士、夜はメールで音楽について語り合う。こんな奇妙な関係がしばらく続いた。綾川くんは私がユキになりすましてるなんて、思ってもいないだろう…今までの日常に比べれば毎日が刺激的で楽しい。とくに昼間の綾川観察はハマってしまってる。今まではビン底眼鏡とねぐせ頭しか目に入っていなかったが、眉は太くも細くもなく自然な形で整っている。鼻もすっとしている。制服も少しサイズ
    フラン子 さん作 [314]
 
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