トップページ >> フラン子さんの一覧
フラン子さんの投稿された作品が158件見つかりました。
-
sound of you 25
10分ほど経つと、また携帯の着信が鳴った。『え!?同じ高校生?じゃあ、タメ口でいいかな?すごく大人っぽかったから社会人だと思ってた。でも何となく自分のクラスメイトに似てたから、あのときガン見してたかもしれない。でも違ったみたいだね。すみません。曲のタイトル好きに付けてやってください。そして俺にも教えて。』……!?このクラスメイトって私のこと……だよね?綾川くんは『ミツル』だと確信した私は、すぐに
フラン子 さん作 [365] -
sound of you 24
『いつもCDありがとうございます。私はユキっていいます。なんでいつもジャケットに曲のタイトル書いてないんですか?気になります。』早速送信した。新しくもらったCDを聴きながら小説を読んでいると、携帯の着信音が鳴った。『メールありがとうございます。CD届いたんですね。もしかして今聴いてくれてるのかな?俺は自分の作品にタイトル付けれないんです。センスなくて…。笑』私はフッと笑ってしまった。『ユキさんは
フラン子 さん作 [300] -
sound of you 23
将樹さんがまたCDを届けてくれた。「ミツル、菜々ちゃんからの手紙すごく嬉しいみたい。名前知りたがってたよ。『それくらい自分で聞け』って言ってやった。」将樹さんはそういうとイジワルそうに笑った。私はそれを聞いて顔が熱くなった。ケースを開けて、いつものように二つ折りにされたメモ紙を開く。『今更ですが、良かったら名前教えてください。俺は充っていいます。曲の感想とか詳しく聞きたいのでメールくれると嬉しい
フラン子 さん作 [301] -
sound of you 22
次の日から、私の背中には目がついてるんじゃないかと思うほど、後ろの席の綾川くんを気にしている。プリントを後ろへ配るときもいつもより緊張している。だって、「もしかしたらこの人があのたくさんの素敵な曲を作ってるのかもしれない!」と思うと、いちファンとしては興奮する。プリントを渡すとき、チラっと綾川くんの手を見る。大きいわけではないけど、指が長くてゴツっとしてる。今まで気づかなかったけど、黒いメタリッ
フラン子 さん作 [282] -
sound of you 21
目頭から手を外し、瞬きをしている。…………!!!それは見覚えのある顔で、もう一度会いたいと思っていた顔に似ていた。………ミツルだ!!私は驚きのあまり目が点になった。それを見た梨沙子が「どうしたの?」と、私の視線の先を探るように振り返る。「あ、綾川(ビン底眼鏡)じゃん。」梨沙子が振り返ったときにはすでに彼は眼鏡をかけ直した後だった。「あ…あのビン底眼鏡って、綾川っていうの?下の名前は?ってか、あい
フラン子 さん作 [306] -
sound of you 20
ビン底眼鏡はやっぱり一人でいる。私たちに気づいてないみたい。……ホッ私も気づかないフリしてバニラシェイクをすすりながら梨沙子と話す。すると店内にガラの悪そうな5人組の男たちが入ってきた。ダボッとした服装にキャップ帽を斜めに被り、歩くたびにガコガコと靴音が鳴る。店内の人たちは彼らを見て一瞬緊張する。彼らはグルっと店内を見回し、隅にいるビン底眼鏡を指差した。……あ、ヤバ。私は焦った。梨沙子に言おうか
フラン子 さん作 [299] -
sound of you 19
きゃあーー!!私は相手が彼女持ちだということも忘れて心をときめかせた。「う、嬉しすぎる…」私は将樹さんが帰る前に手紙の返事を渡そうと、急いで机に向かった。今度は少し長めの手紙を書いた。* * * * * * * * * * * *相手に彼女がいるにも関わらず心踊らしている私は悪いことをしてるみたい。だから梨沙子には内緒にしてて、いつもと変わらない会話を繰り返していた。「菜〜々子♪今日の放課後カラ
フラン子 さん作 [295] -
sound of you 18
『CDありがとうございました。どの曲もとても素敵です。』短すぎるかな?と思ったけど、彼女持ちの人に長々と手紙を書いたら迷惑だと思った。名前も書いたって意味ないから書かなかった。その手紙をお姉ちゃんから将樹さんに渡してもらった。* * * * * * * * * * * *数日後の日曜日、将樹さんがウチに遊びに来た。「菜々ちゃん、はいコレお土産。」そう言って将樹さんはCDをくれた。私は、将樹さんの
フラン子 さん作 [282] -
sound of you 17
「…だ、大丈夫!気にしないでよ梨沙子。私、曲が好きなだけだから。」私は必死で気にしてないフリした。でも心の中はかき乱された。一瞬だけ恋をしていたような気がする。そして今、最速で失恋したような気がする。これ以上凹みたくなくて、梨沙子に昨日のCDのことを話すのをやめた。彼女いて当たり前だよね。一時間目の授業が始まるチャイムが鳴る。少し肩を落としながら自分の席に向かう。後ろの席のビン底眼鏡と目が合う。
フラン子 さん作 [271] -
sound of you 16
「……携帯番号とかアドレスとか書いてあるかと思った」昼休み、梨沙子が満にメールしたが、返事が返ってこないままだった。私は呟いた後、フッと笑った。「私って調子いい女。」棚の上にあるコンポにCDをセットする。再生ボタンを押すと、クラブで聴いたあの曲がゆっくり流れだす。やっぱ良い!すっごく!私は音楽に耳を傾けながら小説を読みはじめた。しばらくして曲が変わった。知らない曲。「あ、他の曲も入れてくれたんだ
フラン子 さん作 [263]