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フラン子さんの投稿された作品が158件見つかりました。

 
  • クラスメイト7

    放課後、図書館へ入るといつものように3年生が数人勉強していた。いつもは素通りするが、脚を止め見渡してみる。背の高い男子と目が合い、軽く会釈された。あの人だ。私も会釈を返すと、その人は席を立ち、こちらに向かってきた。「ちょっと、いい?」小声で言われ、入ったばかりの図書館を出て中庭に連れて行かれた。「手紙読んだよね?」中庭のベンチに二人で座る。「は…い。」何とも思っていない人のはずなのに、私の心臓は
    フラン子 さん作 [316]
  • クラスメイト6

    昼休み、由美は委員会があるらしく私は一人、陽当たりの良い席で空を眺めていた。「あれ?由美は?」さっきまで男子たちと話していた綾瀬が聞いてきた。こいつやっぱり由美が好きなのか?「由美、委員会だって。」この前は『付き合ってみる?』とか私に言ったくせに。まあ、冗談だったけど。その日以来、綾瀬と二人で話すことがなかったので、少し緊張した。「ふーん。で、手紙の返事どうすんの?」「…断るつもり。」「青春の日
    フラン子 さん作 [308]
  • クラスメイト5

    ある日の朝、上履きを履くと足の裏に異物を感じた。見ると小さなメモ紙が四つ折りになって入っていた。「果たし状?」メモ紙を取出しながらつぶやくと、由美がすごい勢いで覗き込んできた。「ラブレター!?これ、ラブレターじゃん、夏樹!」由美が肩をブンブン揺さ振るせいで、私はメモ紙の字がまともに読めない。「ちょっと、由美揺らしすぎだし、声デカいって。」「あー!綾瀬!こっち来て!これ見てよ!」由美が登校したばか
    フラン子 さん作 [306]
  • クラスメイト4

    「彼女じゃないよ。」綾瀬はフッと笑いながら答えた。「じゃあ、告白とか?」「んー、まぁね。」「どっちから?」綾瀬は少し驚いた顔でチラっとこちらを見た。「…あっち。」「ふーん。彼女じゃないってことはフッたんだ?」「まぁーね。つーか、いつもより質問すんね。いつも我関せずって感じなのに。」綾瀬が私の読みかけの本を手にとり、目次のページを開いた。「だってさー、うらやましいもん。綾瀬みたいに青春を謳歌してい
    フラン子 さん作 [305]
  • クラスメイト3

    中庭にいる綾瀬と女子生徒がほぼ同時にこちらを見上げた。「げ、マズい。」私はスッと頭を引っ込め、ソファに座りなおした。「盗み聞きしようとしてたの、気付かれたかな?」それより、あれは告白の最中だったのかな?どっちから?いや、もしやすでに付き合ってるとか?ソファに上半身だけ横になり、一人妄想をしていた。古いソファなので、少しカビ臭いが鼻に付く。「やっぱ、くさッ!」ガバッと起きると、いつの間にかソファの
    フラン子 さん作 [296]
  • クラスメイト2

    毎日がつまらない高校生活にも一つだけ良いところがあった。図書館だ。中学の頃は校舎内に教室二つ分ほどの広さの図書室しかなく、揃えてある本もつまらない古い本ばかりだった。この高校には校舎とは別に赤レンガの二階建ての図書館が建っていて、いつもシンと静まり返っている。放課後はいつも図書館へ行き、由美の部活が終わるまで時間をそこで潰す。図書館の一階では大学受験を控えた3年生が参考書なんかを抱えてカリカリ勉
    フラン子 さん作 [303]
  • クラスメイト1

    頑張って勉強して受かった高校。受験生の頃はすべての夢がそこに詰まってると思ってた。彼氏なんか当然のようにすぐ出来るモンなんだと、期待しすぎていたのかもしれない。「ダル〜い。今日の体育創作ダンスだし〜。」甘くない現実を知った高校2年の私。窓際の机でお日様の光に包まれて、授業中ウトウトしている。「なんか楽しいことないのかな〜…」「夏樹さん。それは数学の授業がつまらないということですか?」ウトウトし過
    フラン子 さん作 [361]
  • 幼なじみ(続編)5

    勇の隣に座ると、勇が肩をコツコツぶつけてきた。「ちょっと、何?」そう言って勇に向き直ると、勇の腕が伸びてきて抱きつかれた。勇の肩にアゴを乗せ、しばらくそのままでいた。「花さー、ケータイの電源切ってたろ?マジ焦った。」「それは勇が悪いから。」「そうですね。」私は肩にアゴを乗せたままフフッと笑った。すると勇の腕に力がこもってきてギューっと締められ、私の首筋に勇の唇が当たった。「シャンプーの香りがヤバ
    フラン子 さん作 [310]
  • 幼なじみ(続編)4

    なんて言ってやろうかと考えながら思い切りドアを開けた。「ぎゃははははは(笑)」私は爆笑した。ベッドに座っている勇の頬が赤く腫れている。勇ママが本当にひっぱたいてくれた。「家に帰ったら『おかえり!待ってましたー!』って母さんがいきなり殴ってきた。意味わかんねーから逃げてきた。」勇は頬を擦りながら手招きし、隣に座るよう促してきた。私は少し反抗して勉強机の椅子に腰掛けた。「花、もしかして浴衣着て待って
    フラン子 さん作 [307]
  • 幼なじみ(続編)3

    目が覚めると花火が上がる時間はとっくに過ぎ、時計は夜10時を回っていた。「うわ、もうこんな時間か…。」お風呂に入ろうと下の階へ行くと、リビングから奴の声がする。しかも呑気に笑いながらウチのお母さんとお父さんと話している。話しに混ざるタイミングも取れないし、第一に私は絶賛ご立腹中なのだ。「ふんッ!」私はリビングに行かず、そのままバスルームへ行った。イライラしながらシャワーをしていると、「なぁ、怒っ
    フラン子 さん作 [294]
 
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