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1003 さんの投稿された作品が81件見つかりました。

 
  • aki-最終章-?

    ―――――5年後。「桃ー!そろそろ帰ろうか。」「うん、ママ!」顔を見合わせながら、二人ともニッコリ微笑んで手を繋ぐ。何処にでもある様な小さな公園で、何処ででも見られる様な母子の風景。大好きな人と一緒にいるという事を選択しなかったあの日から、5回春夏秋冬を繰り返し過ぎていた。加菜が事故に合った次の日に、私のお腹に小さな命が宿っていた事に初めて気付いた。悩んで、悩んで、悩んで、産みたいと決めて、大切
    1003 さん作 [224]
  • 目と目が合っても。

    目と目が合っても、知らないふり。そんなふたり。だって、別れたんだから。そんなふたり。ついこの間までは、手と手をつないでいた。目と目が合っても、知らないふり。そんなふたり。だけど、どこかで、いつか、またとこかで、手と手をつなげる日がくると信じてた。そんなふたり。そんな日がくるまではきっと、目と目が合っても、知らないふり。そんなふたり。
    1003 さん作 [230]
  • aki-第3章-?

    それからあきは私をギュッと抱き締めてから、唇が微かにただ触れるだけのキスをした。そして一度私の顔を見てから、次は左の頬に軽くキスをした。私を触れる事に慣れた手で、私の事を確かめるように頭を撫でた。「絶対離さない。」今度はさっきよりも強くあきは私を抱き締めた。そして。さっきよりも長く激しくキスをした。触れた唇が離れた瞬間。私の目から、涙がポロポロとこぼれ落ちていた。あきが驚いて、それから困った様な
    1003 さん作 [226]
  • aki-第3章-?

    加菜に会い、亮ちゃんと話しをしたその日の午後は、連日続いた暑さも何となく感じさせないくらいに過ごしやすかった。夕方になるに連れて涼しさも増して行く。夏はあまり好きじゃなく苦手だったな、とふと思い出していた。ピンポーン――――。軽快にインターフォンの音が、今までよりも広く感じる部屋に響いた。来訪者はすぐに誰だかわかっていた。私は特に確認もせずに玄関のドアを開けた。そこには、あきがスーツ姿のまま優し
    1003 さん作 [205]
  • aki-第3章-?

    病院から家に帰る途中で、小さな公園を見つけた。こんなに家から近いのに、公園がある事を知らなかった自分に気が付いた。ふと、亮ちゃんは知っていたのかな、と考えた。家についてから一息つこうと冷蔵庫からオレンジジュースを出してグラスに注いだ。ちょうどその時携帯電話の音が私を呼び出した。画面には見慣れた名前と携帯番号が点滅していた。電話の相手は、亮ちゃんからだった。「もしもし。」「あ、唯ちゃん?」亮ちゃん
    1003 さん作 [316]
  • aki-第3章-?

    加菜が笑った瞬間、真っ白いカーテンが風が吹いて優しく少し揺れた。「それ、スイセンね。」加菜の言葉につられて、私は花束の白いスイセンを見つめてから、花束を加菜に手渡した。「春を待ち続ける花ね…。」また風が優しく私と加菜の間を通り過ぎた。「私と加菜さんは似てる様で、全く正反対でした。」私の言葉に、加菜は少しだけ驚いていた。「そうね。お互いに無い物ねだりをしていた気がするわ。」加菜の言葉に私は頷く。「
    1003 さん作 [344]
  • aki-第3章-?

    加菜が事故にあった日から3日が過ぎた。今日は日曜だった。あの日はあれから、哲ちゃんは眠ったままの加菜から離れようとせずに付き添ったままでいたらしい。あきは医者達と何か会話を交わしてから、家に帰ったらしい。そして、亮ちゃんは私と一緒に一旦家へ戻り、簡単に荷造りをしてから実家へ帰る、と言って出ていった。「出てくなら私が…。」と私は言ったが、実家の方が会社に近いから、とあっさり断られた。私はこの3日間
    1003 さん作 [202]
  • aki-第3章-?

    声のした方へ全員が振り向くと、亮ちゃんが私を通りすぎ、真っ直ぐにあきとあきの胸ぐらに掴みかかったままの哲ちゃんの側に近寄った。「哲…落ち着けよ。」そう言って哲ちゃんの腕をつかんだ亮ちゃんの顔は、今まで一度も見た事の無い程真剣だった。「誰のせいでもないだろ。」亮ちゃんが、哲ちゃん、あき、私の順番でそれぞれを見回した。「亮ちゃんは何もわかって無いのかよ?」あきに掴みかかる事を諦めた哲ちゃんが力無く呟
    1003 さん作 [222]
  • aki-第3章-?

    あきから聞いた病院に着くまでのタクシーの中、私と亮ちゃんはどちら共必要最小限の言葉以外は無言だった。病院に着く。「唯ちゃんは先に行きな。」その亮ちゃんの言葉に私は甘えて走り出した。正面の入り口のすぐ横の救急の入り口をくぐる。受け付けを越えると真っ直ぐに続いている長い廊下の途中にポツンと茶色い長椅子が見えた。その奥には手術室と思われる扉がひっそりと『手術中』のランプを赤々とただ照らしている。その扉
    1003 さん作 [262]
  • aki-第3章-?

    どうして、こんな事になってしまったんだろう。暫く私は座りこんだ状態のままでいた。ガチャッ―――。玄関の扉が開く音がした。「…唯ちゃん。」亮ちゃんが息を切らしながら私の前に目線を合わせる様にしゃがみこんだ。「何があったんだよ。哲ちゃんはどこに行ったんだ?」と言いながら亮ちゃんは俯いたままの私の顔を覗きこんだ。何も言えないまま、私は小さく首を横にふる。一度ため息をついてから、亮ちゃんは私の顔の頬を両
    1003 さん作 [317]
 
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