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1003 さんの投稿された作品が81件見つかりました。

 
  • aki-第3章-?

    「それは…。」私が答えを言おうとした時だった。ピリリリリリッ…―――。凍りついていた空気に割れる様に携帯電話の音が響いた。慌てて私は鞄から携帯を取り出すと、画面には『あき』と表示されていた。どうしようか迷っていると、哲ちゃんが睨みながら私から携帯電話を無理やり奪い取るようにした。画面の名前を見て、さっきよりも激しく哲ちゃんが私を睨み付け、それから何の迷いも無く電話に出た。「何の用事だよ。」苛立ち
    1003 さん作 [233]
  • aki-第3章-?

    どうしても泣きやめなくて、あきの部屋を後にした。空を見上げると、いつかみたいにキラキラと星が一面に揺れていた。家につくと、誰かが来ている様子だった。男物の靴が玄関にあった。「ただいま。」声をかけても、いつもの亮ちゃんのおかえり、が返ってこない。リビングの扉を開けると、亮ちゃんと哲ちゃんがテーブルをはさんで向かい合って座っていた。会話は無い。どちらも私にゆっくり視線を向けた。「よく平気な顔してられ
    1003 さん作 [224]
  • aki-第3章-?

    いつの間にか、誰かの何かのせいにしてしまっていた事に打ちのめされた瞬間だった。好きなのに傷つけてしまった。好きだから傷つけてしまった。本当に大切な物は、いつも最後の最後に気付くと知った。皆、それぞれの愛し方があって。皆、形は違うけど、大切な何かを必死で守っている。私は、私をただ必死で守っていただけだった。たくさん泣いて、泣いて、泣いて。あきはずっと理由も聞かずに、少し困った様に、少し驚いた様に、
    1003 さん作 [230]
  • aki-第3章-?

    「はい、どうぞ。」私はマグカップを二つテーブルの上にコトリと並べた。「タクシー、呼ぼうか?」簡単な手当てをしながら、あきに問いかけた。あきがふいに手当てをしている手から視線を私に移した。「何も聞かないのか?」このあきの質問に、私は答えられずにいた。聞きたい事ならたくさんあるのに、私には『知る権利』が無い様な気がした。「あいつは…。」私にお構い無しにあきが口を開いた。「加菜は、悪くないんだよ。」あ
    1003 さん作 [225]
  • aki-第3章-?

    「絶対、許さないっ!!!!!」その言葉と同時に加菜は私に足速に近付きながら右手を振り上げた。一瞬加菜の右手がキラリと光った。その光りのせいで、反射的に私は目を閉じた。かすかに風が揺れるのを感じた。「あ…。」加菜が怯えた様な声をもらした。恐る恐る方目ずつあけてみる。それからゆっくり自分の体中や顔を触りながら確かめてみる。――――何もない…。大丈夫…。!!!!!?????ふと加菜の方を見た時だった。
    1003 さん作 [257]
  • aki-第3章-?

    ――――私と哲ちゃんが二人でいる姿を、あの時あの人に見られていなければ、私はまだ今もあきと一緒にいられたの?――――私は、結局その日は、あきとは一度も顔を会わせる事なく会社を後にした。あんなに会いたくて仕方がなかったのに、あきと接点をほんの少しでもこれ以上持ってしまう事に躊躇っていた。プルルルルル…。――――――会社からの帰宅途中で携帯電話の音が鳴る。携帯電話の画面には、知らない携帯電話の番号が
    1003 さん作 [251]
  • aki-第3章-?

    加菜と話してから丁度一週間が過ぎた。昨日の夜にあきから、明日は私の会社でまた打ち合わせがある、とメールがきていた。加菜と会った日からあきには連絡を私からはしなかった。少しお昼の時間を過ぎるまで、午前中の仕事は忙しかった。今の私には有難い。結局あきにはまだ会っていない。何となくあきと会うのがきまずくて、その日は食堂も避けようと思い、財布と携帯電話を持ってロビーまでエレベーターでおりた。「あれ?」一
    1003 さん作 [228]
  • aki-第3章-?

    私は敢えて加菜にハンカチを手渡すそぶりをする。予想通り加菜はけっこうです、と突き返す。「それからあなたの名前の名刺を見つけて…。」「会社迄押し掛けた。」加菜が涙で言葉をつまらせた瞬間に私が言葉をつなげる。加菜の目が私を睨む。「私も加菜さんも、ましてや彼も子供じゃないんですよ。」加菜に睨まれても、私の口は言葉を止める事はなかった。「恋愛ごっこなら他でやって下さいよ。加菜さんは加菜さん。私は私。彼は
    1003 さん作 [216]
  • aki-第3章-?

    「単刀直入に言います。唯さんと晶斗のご関係は何なのですか?一体、晶斗に何をしたの?」加菜の目は、既に答えを知っているように思えた。「それを知って、加菜さんはどうするつもりなのですか?」私の言葉に、加菜はまた右耳に髪の毛をかけなおした。「薄々、気付いてました。晶斗とあなたの事は。」そう言ってみても何も言わない私を確認してから、加菜は続けた。「半年くらい前から、本当に微妙に少しずつ晶斗の私に対する態
    1003 さん作 [214]
  • aki-第3章-?

    とりあえず、私と彼女は近くにあった喫茶店にいた。真弓は流石に大人だと思った。後で必ず報告してよ、と言ってさっさと帰って行った。しばらくの間、私と彼女はただ向かい合って沈黙していた。「私…、さっきのは全く後悔していませんから。」先に口を開いたのは彼女の方だった。「そうでしょうね。」私が言うと、丁度良くウェイトレスが注文をとりにきた。「コーヒーをひとつ。」私はそう言って彼女を見る。「私も同じものを。
    1003 さん作 [258]
 
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