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1003 さんの投稿された作品が81件見つかりました。

 
  • aki-第2章-?

    珍しく時間に正確に行動してしまったからなのか、社員食堂は賑やか過ぎるくらい賑やかだった。今朝の事があったのに、なるべく人混みは避けたい。私は、Aランチを頼むと1番奥の1番端の席に座った。「いただきます。」私のひとりの食事でも、ついいつも手を合わせて声にしてしまう癖だ。「ひとりなのに手を合わせてしまうんですね。」笑いをこらえながら聞こえた声は、聞き覚えがあった。おかげで私はむせてしまう。どうして?
    1003 さん作 [241]
  • aki-第2章-?

    翌日、会社へ出勤してみると、皆の視線がやけに私に集中していた。どうやら、昨日の広告写真が仕上がった物を見たらしい。こういうのには慣れていない。「大変そうね。」と私の後ろで真弓がイタズラのように笑いながら、1枚の写真を渡してきた。「これ、別人みたいよね?」写真に写っていたのは、間違いなく私のはずなのに、真弓の言葉通り、別人のようだった。写真の中の私は照れながら優しく笑っていた。皆、これを見たのか…
    1003 さん作 [260]
  • aki-第2章-?

    真弓は、これからまた打ち合わせがあるらしく、スタジオを後にするのは2人別々になった。腕時計に視線を落とすと、午後5時を過ぎていた。辺りは既に夕日は沈み、薄暗く静かで、空にはたったひとつ、金色に星が揺れていた。風が少し吹いている。私はコートの襟を直した。タクシーをひろう為に大通りへと向きをかえる。「あの!須賀さん!」私は声のした方に振り替える。さっきよりも少し強く風が流れた。2人の間の空気がざわめ
    1003 さん作 [241]
  • aki-第2章-?

    哲ちゃんが家に帰ってから、亮ちゃんはご機嫌でお風呂に入っていた。お世辞でも上手とは言えない鼻唄がきこえる。私は、自分のコートのポケットの中から1枚の名刺を取り出す。そしてその取り出した名刺をテーブルの上にあった哲ちゃんの名刺の隣に並べてみた。「同じ会社なんだ…。」そう私は呟いていた。一瞬、ボーッとしながらもすぐに横に首を振った。知ってどうする。よく思い出せ。哲ちゃんは言った。『部下の戸川の彼女が
    1003 さん作 [241]
  • aki-第2章-?

    さっきの事がまるで何も無かったかのように、また亮ちゃんと哲ちゃんはビールを飲み、笑いながら話していた。それはそうだろう。彼らにとっては、ただ私が手を滑らせてマグカップが割れてしまっただけの事。この気持ちを誰も知らない。自分さえもよくわかっていない。また、胸の奥がチクリと痛んだ。食器を洗っていると、亮ちゃんと哲ちゃんの声が聞こえてくる。「哲ちゃん、今彼女はいるの?」大分酔いがまわっている亮ちゃんが
    1003 さん作 [233]
  • aki-第2章-?

    「どうぞ。」私は哲ちゃんをソファに促して、すぐにエプロンをしながらキッチンに向かった。亮ちゃんはニコニコしながら、ビールの瓶をグラスにかたむける。グラスの中で泡が弾ける音がした。「今さ、哲ちゃん何してたんだよ?久しぶりだよなぁ。」亮ちゃんと哲ちゃんの会話がより一層家の中を温かい色の灯りみたいなオレンジ色に染める。食事が並び、優しい夫が隣で夫の友人と楽しそうにしている。誰もが1度は憧れる風景。私に
    1003 さん作 [231]
  • aki-第2章-?

    夕飯の材料の買い物に行く。今夜は何にしよう…。せっかくなのだから、手の込んだものにしよう。きっと、亮ちゃんは喜んでくれるはずだ。駅から自宅迄の途中にあるショッピングモールに向かう。いつもは気にしない人混みが何故か今日は鬱陶しく感じた。買い物を終え、出口に向かう途中に声をかけられた。「唯ちゃん!」私が知っている声だ。振り替える。「今帰り?」私は問いかけられて、はい、とだけ愛想良く答えた。「久しぶり
    1003 さん作 [232]
  • aki-第2章-?

    会社に戻ると、ほとんどの社員はまだ仕事を続けていた。「おっ、お疲れ様。」佐々木課長が、何かのついでのように声をかけてきた。言葉の後に私の顔を見て驚いていた。「どうした、吉岡?熱でもあるんじゃないのか?顔が赤いぞ。今日はもう良いから上がった方が良いんじゃないか。」他人の心配なんて数える程しかした事がないであろう佐々木課長がここまでいう程だったのだろう。触れなくても鏡で見なくても、顔が赤く熱くなって
    1003 さん作 [227]
  • aki-第2章-?

    「とりあえず、お疲れ様でした。」真弓がミュールの音を鳴らしながら私の背中に声をかける。「思ったよりも良いものが出来たわよ。」温かい缶コーヒーを私に差し出しながら言う真弓を私は何も言わずに見上げた。真弓は満足そうな顔をしていた。「ねぇ…。」煙草を取り出して、日を近づけながら真弓が続けた。「戸川さん…今回のスタイリストさんとさ。」真弓の次の言葉を予想した私は、真弓から目線をはずす。「何か知り合いなの
    1003 さん作 [244]
  • aki-第2章-?

    『運命』という言葉は好きじゃなかった。私には、ありきたりの穏やかな日々が1番お似合いだと思っていた。平凡な毎日が幸せなのだと、ずっと信じて疑わなかった。それでも。君と出逢ってしまった。
    1003 さん作 [243]
 
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