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喜一 さんの投稿された作品が24件見つかりました。

 
  • 懲役

    2月21日 手の平を広げた時の五本の指のように東京拘置所の宿舎は立っている。1舎から4舎までは懲役囚、5舎と6舎が未決囚だ。他に洗濯工場と炊場、職員宿舎、死刑場だ。 俺は5舎2階の3房に入れられた。8人部屋の雑居房、俺が入室してちょうど8人になった。宜しくお願いします!と挨拶したが誰も返事を返して来るものはいなかった。一人60歳位のおじさんがいろいろと内部事情を教えてくれた。あのな、ここの部屋は
    喜一 さん作 [451]
  • 懲役

    2月20日 移送バスのドアが開いた。 今俺は3人の警察官に挟まれて蒲田警察署の裏門に立っている。手錠をされたままバスに乗り込むとそこには既に大勢の罪を犯した男達が俺の方を見ていた。警察官が俺の書類をバスに乗ってる一番偉そうな職員に渡すと拘置所に向けて出発した。 バスのカーテンが開かれる。外を見ると久しぶりの街並み、すれ違う車がやたら大きく見える。一般道をしばらく走り鈴が森インターから首都高に乗り
    喜一 さん作 [453]
  • 腕を組む男

    友達からの電話だった。今度西葛西に引っ越したから遊びに来いよ! と、電話を切った瞬間目の前の交差点で一人の中年男性がトラックに跳ねられた。トラックの後ろのダブルのタイヤがその男性の頭を踏み潰した。勿論頭は後頭部からざっくりと割れて白い膜と赤茶けた脳味噌がぶちまかれた! 一度止まったトラックは急発進し逃げて行った。トラックからひかれた男性へ目を移すと脇腹が裂け腸が5メートル四方に散らばっていた。す
    喜一 さん作 [750]
  • 懲役

    2月19日 42200円の現金、携帯電話、腕時計、あとバックの中の着替え類、君の所持品はこれで全部だな!忘れ物ないようにな、警察官の担当さんは茶袋に全部入れながら優しい眼差しで言ってきた。領置品の調べも終わりこの荷物と一緒に明日拘置所に向かう。ここ蒲田警察署から明日東京拘置所へ移送されるのは俺一人らしい。今思えば一昨日刑事の面倒見は明日移送するからラーメンだの大福だのを食わせてくれた、それが警察
    喜一 さん作 [435]
  • 懲役

    2月18日 調書を読む限り懲役は免れないでしょう。まず、前回と同様に傷害という事件、被害者から示談が取れてない事、前回と今回の事件との間が短いという事、一年半の懲役は覚悟しといて下さい。 さっき面会に来た弁護士の言葉、金が無かったので国選弁護人しか付けられ無かった。どうでもいいような表情、ただその日をこなすだけの仕事、そんな弁護士に腹が立ったがしかたがない。後2日で移送!その5日後裁判だ。懲役か
    喜一 さん作 [489]
  • 懲役

    2月17日 久々のラーメンだった。大福に関しては6個も食い昨日の夜は胸やけして大変だった。 面倒見はいいが、昨日刑事から出た言葉、20日の日移送だからな!って拘置所に移らなければならない。目の前にいるヤクザ者より早くこの警察署から出ることになってしまった。 オメエはまだ刑が確定してない未決囚だからそんな事はないと思うが、ここと違って拘置所は厳しいぞ!ここはワシらの身の回りの世話をしてる人を担当さ
    喜一 さん作 [488]
  • 懲役

    2月16日ガチャガチャっという音で目が覚めた。 鉄格子の扉が開いた。留置場担当の警察官が俺を呼んでる、久しぶりに房から出た。 担当が手錠を俺の手首にはめ、手錠にロープを通すとそのロープを腰にも巻くと留置室を出るドアへと押された。 留置室のドアを開けると、俺を捕まえた刑事が二人立っていた。取り調べだ! もう調書はとってあるのでタバコだけ吸わせてくれる面倒見っていうやつだ! やったあ!、タバコも吸え
    喜一 さん作 [413]
  • 懲役

    2月15日 朝6時30分起床、布団をたたみ軽く部屋の清掃、今週は俺が便所掃除トイレから部屋の方へ目を向けるとヤクザ者が掃除機を借りて絨毯を吸っている。 このヤクザ者も日本のどっかの刑務所に送られるのだろう。いいか、よく聞けよ!昨日の仲間は今日敵になってる。刑務所はそんな所だよ、娑婆に対応出来ねえやつが懲役に行く、また、懲役でも対応出来ねえやつもいる。そういうやつになるなよ、地獄だぞ。娑婆じゃテメ
    喜一 さん作 [576]
  • 懲役

    2月14日 あ〜、最悪だ!運動時間に他の房のヤクザ者に聞いても再犯でしかも同じ罪名だと助からないらしい。彼らは犯罪のプロ弁護士よりも法律は詳しいから俺は確実に刑務所行きだ! 昨日から3冊の小説を借りているが全然頭に入らない。 これから俺はどうなってしまうのか、刑務所の情報が欲しい。相変わらず隣のヤクザ者は冷静な顔をしながらこの生活を楽しんでいるようだ。以前このヤクザ者と喋ったとき、こんなことを言
    喜一 さん作 [476]
  • 懲役

    2月13日しかし今の留置場は快適だ。夏は冷房、冬は暖房と至れり尽くせりだ。飯は金持ってるやつは自弁、持ってないやつは官弁と飯は食える。暇潰しに本まで貸してくれるし、冬なら週2日、夏なら週3日風呂にまで入れる。床は絨毯でゴロゴロ出来る。そういえば昨日の夕方手紙が届いた!母親からだ、今回で二回目だからもう知らない!勘当だ!という内容だった。そう俺は二回目の逮捕歴。一回目は今から五年前、今回と同じ傷害
    喜一 さん作 [501]
 
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