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高柳美帆 さんの投稿された作品が35件見つかりました。
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心鬼(しんき)?[最終話]
――半年後――「哀れな魂だ…反省すればいいものの……。」と呟きながら麗は刀をおさめた。「…大丈夫か…?」諷哉が顔を覗きこんでたずねた。それに対し、麗は頷いた。「…ごめん…。じゃ、いこうか。」言って、諷哉を促す。着いた先は桜がよく見える橋の上…。「…綺麗だな…」「…だな…。」麗の言葉に諷哉は頷いた…。あの日以来、麗が再び人喰い鬼になることはなかった…。それも…諷哉と麗の関係のおかげだ…。時代の血は
高柳美帆 さん作 [279] -
心鬼(しんき)?
慎介の刀は麗の左脇腹を貫き、麗の刀は慎介の左胸辺りを貫いていた。「…ば……かな……。お…俺……が……?」と言い残し、慎介は血泡をふき、棒を倒したような感じでバタッと音を自分の体でだした。麗は自分の脇腹に刺さっている慎介の刀を引き抜き、ストンッと腰を降ろす。「麗!大丈夫だったか…?」諷哉が麗に近づく。麗はコクりと頷いてみせる。諷哉はホッと、なでおろした。「…あ。そうだ…。諷哉…腹……ごめん…。その
高柳美帆 さん作 [253] -
心鬼(しんき)?
麗は、無表情だけど優しい表情を再び表して諷哉を見ている。「…ありがとう…諷哉…。」麗は、そっと微笑んで諷哉に言った。諷哉は驚いて目を見開いた。今まで笑った覚えのない麗が、今初めて笑顔を見た気がしたからだ…。しかし、麗はすぐに無表情に戻りクルリと振り返り慎介を睨む。「…吉柳慎介。私はおまえを許さない。」「…八つ当たりか…?麗…。自分が囚われて、大事な奴を殺そうとした腹いせに…。」無表情のまま、麗は
高柳美帆 さん作 [282] -
心鬼(しんき)?
「麗!俺だ!!久野諷哉だ!」麗は表情を変えずにただじっと諷哉を見る。慎介は諷哉に言葉を投げる。「…無駄だ…麗は完全な人喰い鬼となった…。」その言葉を合図にしたかのように、麗は刀を抜いた。そして、素早く間合いに入り水平に刀を滑らせる。慌てて、諷哉は刀でそれを受け止め、なぎはらう。実は、諷哉は剣道初段であったが、麗だけには勝てなかった。それをわかっていて諷哉は戦いを挑んだのだ。麗を…大事な人を助ける
高柳美帆 さん作 [238] -
心鬼(しんき)?
「麗!俺だ!!久野諷哉だ!」麗は表情を変えずにただじっと諷哉を見る。慎介は諷哉に言葉を投げる。「…無駄だ…麗は完全な人喰い鬼となった…。」その言葉を合図にしたかのように、麗は刀を抜いた。そして、素早く間合いに入り水平に刀を滑らせる。慌てて、諷哉は刀でそれを受け止め、なぎはらう。実は、諷哉は剣道初段であったが、麗だけには勝てなかった。それをわかっていて諷哉は戦いを挑んだのだ。麗を…大事な人を助ける
高柳美帆 さん作 [219] -
心鬼(しんき)?
拓は、諷哉をジッと見てから「…わかった…」とだけ答えた。「…お前に、麗を助け出すように頼むが…いいな…?」力強く…諷哉は頷く。 ♪(…諷哉…。)麗は、横たわりながら目を半開きにしながら息をきらし、呟いた。自分が小学校から諷哉に会うまで…周りの視線が本当に痛かった…。目つきが怖いという事と全く笑わないという事で、麗は普通の女子学生のように、話すような事はしなかった。だから、中学
高柳美帆 さん作 [245] -
心鬼(しんき)?
麗は鉄格子の向こうからする気配に気づき顔をあげる。そこには、慎介が不気味な笑みをうかべて麗を見ていた。麗は慎介を見るなり、恐怖のかけらも見せずに慎介に襲い掛かろうとした。自分を閉じ込めた男に。そして…鬼となりかけた自分を抑えられずに…。 ♪諷哉にそこまで話した拓はキセルを カンッ と鳴らして灰を空き缶にいれる。「…人喰い鬼になった心鬼は、誰一人として見境なく人を襲う…。ダチだ
高柳美帆 さん作 [264] -
心鬼(しんき)?
「うぅうううぅぅ〜〜!うっ!ぐっ!!」麗が目を吊り上げらせ、自分を縛っている鎖にかみ砕くかのように鎖をはずそうとする。「…やはり同じだよ…。麗…。今のお前は、飢えた化け物だ…。ふふふふふ…。」慎介が鉄格子の向こうから麗をみる。 ♪ゆっくりと視界が広がる…。そこに、髪を無造作に縛っている男がいる。「お?気がついたか?坊主!」諷哉は男の方を見る。男はニカッと笑いながら答える。「い
高柳美帆 さん作 [323] -
心鬼(しんき)?
諷哉は、ばたっと後ろに倒れた。傷から血が溢れ出す。麗はそこに激しく噛み付いた…。諷哉は痛みが我慢できずに呻く。何度か噛み付き麗はやっと正気を取り戻した…。麗は血塗れた顔で諷哉を見る。諷哉は傷口を抑え、麗を見つめる。「う……るは…?」諷哉が呟いたその時。パチパチと手を叩く音と共に一人の男性が現れた。「いやぁ…すげぇすげぇ…こいつが心鬼の最大の秘密かい…。」(最大の…秘密……?)諷哉は呆気にとられて
高柳美帆 さん作 [277] -
心鬼(しんき)?
諷哉は、ばたっと後ろに倒れた。傷から血が溢れ出す。麗はそこに激しく噛み付いた…。諷哉は痛みが我慢できずに呻く。何度か噛み付き麗はやっと正気を取り戻した…。麗は血塗れた顔で諷哉を見る。諷哉は傷口を抑え、麗を見つめる。「う……るは…?」諷哉が呟いたその時。パチパチと手を叩く音と共に一人の男性が現れた。「いやぁ…すげぇすげぇ…こいつが心鬼の最大の秘密かい…。」(最大の…秘密……?)諷哉は呆気にとられて
高柳美帆 さん作 [252]