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SABLA さんの投稿された作品が12件見つかりました。
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4の呼吸?−?
「ごめんね、カエデ。また無理させちゃって・・・。」 その言葉は本心からではなかった。 「ううん、別に気にしてないから。お父さんだって大変なんでしょう?」 小野寺家は最近この町に越して来たばかりだ。 父親の小野寺 亮(リョウ)が社長を務める『花匠』という株式会社の本社移転の際に大阪からやってきた。 また、妻である小野寺 由美(ユミ)旧姓、山本 由美は亮の秘書をつとめていた。社内からは
SABLA さん作 [453] -
4の呼吸?−?
朝礼が終わり、最初の授業はコンピュータルームで行われる。 六年三組の教室は南館の2階、コンピュータルームは北館の3階にある。つまり真逆の位置だ。 また、先程の朝礼が長引いて、本来なら10分ある休み時間が5分になってしまった事もあり、クラスの皆は遅刻しないように大慌てになっていた。 しかしそんなことお構いなしに喋っているのは魁達だった。 「なあなあ、アキラぁ。」 という魁の呼び掛
SABLA さん作 [416] -
4の呼吸?−?
魁はまぶたを閉じた。 長ぇんだよ・・・・ それは体育館の檀上に上って長々と喋っている校長と朝礼という意味のない時間に向けられたものだった。 魁はクラスの列のど真ん中で目を閉じて俯いている。横から微かではあるが喋り声が聞こえてきた。それは隣の女子集団の喋り声だった。きっと校長の話なんかちっとも聞いてはいないんだろう。 「ねぇー、校長の話長くない?ほんっとに無駄だよね。」 それに
SABLA さん作 [454] -
4の呼吸?−?
教室の扉は開いている。 間に合った−−− そして二人は廊下を走る勢いのまま教室に駆け込んだ。完全に息があがってしまっていた。その時だった。 「こらっ!」 その声にびっくりして教壇の方を見ると担任の佐藤 静子(しずこ)が立っていた。 しかも六年三組のクラスの皆は全員きちんと席に座っている。それが二人にとって嫌味にほかならなかった。 「あなたたち、今日は朝礼があるの知ってたでしょう。
SABLA さん作 [438] -
4の呼吸?ー?
夏休みが明けて二日目の朝。 小学六年生の渡辺 魁(かい)にとって、今はとてつもなくだるいのだろうか、大きく口をあけて眠気と闘っている。つまり欠伸だ。 そんな彼が眠気を覚ましたきっかけとなったのは、通学路の前方を通学鞄を背負って、速足で歩く、一人の少年の後ろ姿だった。「わぁーたぁーるーっ!」 魁がそう叫ぶと、進藤 渉(わたる)が振り向いた。 魁と渉は親友だった。「なんだ、魁じゃないか、びっくりす
SABLA さん作 [512] -
4の呼吸 ?
「阿部君は遺体の傷を見たかな?」「はい、おそらくですが凶器は家庭で使用される普通の料理包丁でしょうね。」「うん、俺もそうだと思うよ。でも鍵となるのは遺体を刺した回数、つまり傷の数なんだよ。」そういうと木戸はあらかじめ運ばれてきていたコップの水を飲み干した。「いくつあったか、覚えているかい?」「覚えてないですけど・・・確か三ヵ所ぐらいだったかな。」それを聞いて木戸は少し笑っていた。阿部はキャリアの
SABLA さん作 [451] -
4の呼吸 ?
目の前の看板を見ると、゙喫茶"という文字が書いてあった。 おそらく文字どうりの店なんだろうなと思い、木戸は阿部より先に店に入る。「おい、なにしてるんだ?」木戸は空腹だったので、なかなか店に入らない阿部に少なからず苛立っていた。「いや、ただメニューを見てただけですよ。ここって和食もやってるんですね。」 阿部にそう言われてテーブルの近くのメニューを見る。そして目を見張った。「おっ、サンマ料理じゃな
SABLA さん作 [479] -
4の呼吸 ?
現場検証がある程度終わり、木戸と阿部は署に引き返していた。 もちろん運転は部下の阿部だ。「凶器、一体どこにいったんですかね?」 この状況を打開しようと阿部が話を持ち掛けた。しかし、木戸は答えない。 シカトかよ・・・もしかして木戸さんって気難しい?そう思って再び話掛ける、話題を変えるためだ。 「あっ、あのー・・・木戸さん?」「なんだ。」 そう言った木戸は少し不機嫌そうだった。「あのぅ、今何時です
SABLA さん作 [495] -
4の呼吸 ?
犯行現場には沢山の野次馬とマスメディアの人間が来ていた。 その人達を掻き分け、木戸は捜査班のところに近づいた。すると一人の男が話しかけてきた。 「あっ木戸さん。遅かったですね。」 そう言われるも木戸にはその男の記憶がなかった。「ええと、誰だったかな。君は?」 「何言ってんですか。俺はアベですよ。阿部ノリト。」「ああ、阿部君か、最近物忘れが酷くてね。」 木戸は物忘れが決して悪いわけではない。ただ
SABLA さん作 [670] -
4の呼吸 ?
現場まであと5分程度の所まできた。 そして木戸はあることに気付いた。 やたらと小学生が多いな・・・・ そう思い自分の腕時計に目をやる。時計の針は午前7時50分を指していた。それは登校時間にはピッタリの時間だった。彼は呆れ返って失笑していた。「昨日から、全然寝てないじゃねえかよ。ったく。」 ここでまた赤信号、木戸は苛立っていた。そしてふと車の窓の外を見る。すると彼の視界に一人の少女が目に入った。
SABLA さん作 [630]
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