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アンヌ さんの投稿された作品が334件見つかりました。

 
  • 子供のセカイ。55

    その時、一つのサボテンの影から、短弓とそれに矢をつがえて引き絞った逞しい男の腕がぬっと現れた。音もなく飛んできた矢を、ジーナは素早く長剣で斬り捨てた。避けなかったのは後ろにいる美香と王子を考えてのことだろう。真っ二つになった矢の、矢尻のついた方が美香の目の前に落ちた。矢尻からねっとりとした透明の液体が落ち、ジュッと音を立てて地面に吸い込まれたのを見て、美香はゾッとした。「ジーナ、毒が…!」「知っ
    アンヌ さん作 [390]
  • 光の雨がふる。

    いま、光の雨がふる。さみしいという気持ちもくるしいという気持ちものりこえてただひたむきな愛に満たされるこころやがて沈むことになってもこうかいはしないあなたは雨をふらせるからそれはかなしみではなくてどこまでも優しいこころを溶かす雨だからこうかいはしないのあなたに出会えたことわたしの誇りだからいつまでももっていくちいさなたくさんの光の欠片たちわすれないからどうかあなたもわすれないでふたりで手をつない
    アイ さん作 [419]
  • 子供のセカイ。54

    男たちのバカ笑いがやたらと耳に障る。相変わらず姿を見せずにサボテンの向こうから笑うので、不気味にそそり立つサボテンそのものがいやらしく笑っているように見えた。美香はジーナの拳がブルブルと震えているのを見た。「ふざけるな。」やけに落ち着いた声だった。激しく落下を続けていたものが、すとんと底に落ちたような。それだからこそ、ジーナの中で何かの一線を越えてしまったことも明らかだった。次の瞬間、ジーナは閃
    アンヌ さん作 [317]
  • 子供のセカイ。54

    男たちのバカ笑いがやたらと耳に障る。相変わらず姿を見せずにサボテンの向こうから笑うので、不気味にそそり立つサボテンそのものがいやらしく笑っているように見えた。美香はジーナの拳がブルブルと震えているのを見た。「ふざけるな。」やけに落ち着いた声だった。激しく落下を続けていたものが、すとんと底に落ちたような。それだからこそ、ジーナの中で何かの一線を越えてしまったことも明らかだった。次の瞬間、ジーナは閃
    アンヌ さん作 [312]
  • 子供のセカイ。53

    「あと少しだ。」ジーナの声にホッとした。後ろで王子が息を吐く音が聞こえたから、彼もきっと安堵したに違いない。あれから二時間ほどが経過し、泉の水を何度飲んだかわからない。ある意味砂漠を歩き慣れてしまった美香と王子は、固い地面を歩くことですっかり疲労が溜まってしまった。「二人ともダレているな。このくらいで情けな……、!」鼻で笑いかけたジーナは、その時急にぴくりと肩を上げると、「二人共伏せろ!」と叫ん
    アンヌ さん作 [437]
  • 子供のセカイ。52

    「……僕はこいつを好きになれそうにないな。」王子が小声で呟き、顔を歪めて見つめている先を見て、美香も思わず眉をしかめる。馬上の美香よりはるかに高く大きくそびえ立つサボテンは、肉厚で、数千本の硬い刺で濃い緑の身をくるんでいる。ぼこぼこと不恰好に膨れ上がった彼らは、確かに好意を持つのに抵抗を感じるような外見をしていた。花屋さんで見るミニサボテンには愛着を持てたのに……。美香はなぜかそこでがっくりとき
    アンヌ さん作 [354]
  • 子供のセカイ。51

    すると意外なことに、のんびり屋の王子が先に何かに気づいたようだった。「……なるほど、確かにね。」「?」「サボテン地帯周辺が見える?もうあの辺りは岩場が増えてきてる。砂漠の終わりだよ。砂漠の東の果てには、ジーナの敵国サハールがあるんでしょ?」ジーナの神経を逆撫でしないように、馬の手綱を握っている王子は馬上で身を屈めた美香に小声で囁いた。美香もああ、と納得する。そういえばそうだった。ジーナから領域の
    アンヌ さん作 [341]
  • 子供のセカイ。50

    それからの話は割りとスムーズに進んだ。まず、ジーナが領域の出口まで案内してくれることになった。「ラディスパークまでは行けない。王の命令が下っているからな。」あくまで砂漠の管理を続けるつもりのジーナは、領域の出口で美香たちを見送ることになった。美香はジーナが一緒に来てくれれば心強いと思っていたので、ちょっとがっかりした。ジーナ自身も『知り合い』とやらを舞子に連れていかれているので、美香たちの旅に興
    アンヌ さん作 [366]
  • 子供のセカイ。49

    「な、何で…?」狼狽えて呟く美香に、王子はさっきまでの不機嫌など消し飛んだかのようにニコニコと無邪気に微笑む。「当たり前でしょ。僕は君が無害なのを知ってる。魔女を殺した僕の気持ちを想って泣いてくれた君を見れば誰だってわかるよ。君はいい子だ。僕は君が舞子を止めに来たっていうならその言葉を信じるし、協力したいと思うよ。」「でも、あの時はあんなに渋い顔をして冷たかったくせに。」美香は思わず不貞腐れたよ
    アンヌ さん作 [386]
  • 子供のセカイ。48

    「ジーナがスープを作ってくれたわ。食べる?」「うん。じゃあ火をおこして温めなきゃね。」火のおこし方を知らない美香は、王子が不器用な手つきながら火をおこすのを眺めていたが、不意に王子と話をしなければいけないのを思い出した。「王子、」「うん。」「私の目的は、夜明けの時に話したわよね。私はまず“生け贄の祭壇”に行き、そして舞子を説得して連れ戻すためにラ、ライ?パークへ…、」「ラディスパークね。」「そう
    アンヌ さん作 [337]
 
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