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アンヌ さんの投稿された作品が334件見つかりました。

 
  • どうしようもなく人間だから。

    世界の消滅より、自分の消滅の方が怖かった。だから私たちは、なかなか容易に、次の世代に未来を託したりはしない。“何世代か後のあなたの子孫のために”、地球を残そうとは考えにくい。“自分が死んだら”もう関係ないから。きっとみんな、心のどこかではそう思ってる。でもね、それじゃいけないんだって。この青い水晶みたいに綺麗な星はどうなるの?考えにくいのはわかってるよ。きっと私も、どこかでどうでもいいとか思って
    よーこ さん作 [513]
  • 子供のセカイ。14

    美香は“子供のセカイ”に踏み込むと、すぐ気を失った。目の眩むような強烈な白い光、ドンッと体を突き抜けた衝撃に耐えきれず、思わず意識を手放してしまったのだ。背中の柔らかい感触にふっと気づいて目を開けると、目の前にはしわしわの老婆の顔があった。「…っ!」思わず腕で顔を隠すと、老婆はカラカラと笑ながら身を引いた。「そんな風にせんでも大丈夫じゃ。なーんもしやせんで、安心しい。」「ここは…!?」「“子供の
    アンヌ さん作 [485]
  • 子供のセカイ。13

    「行けよ。」「嫌……。」「お前が行かなくて、誰が舞子を救うんだよ!?」美香はうつむいて歯を食いしばった。そのままじっと動かなくなった。やがて美香は顔を上げた。苦しかったが、覚悟はできていた。「……迎えに、くるから。」だからそれまで死なないで、ちゃんと生きて待ってて。消え入りそうな声でそう呟いた美香に、耕太は優しく頷いてみせた。「おう、待ってる。」「……うん。」耕太は光に寄り添うように入り口の側に
    アンヌ さん作 [579]
  • 子供のセカイ。12

    「よし、行こうぜ!」耕太は美香の手を引いて入り口へと突き進んだ。二人共緊張の面持ちだった。とりあえずここでも“子供のセカイ”を開けることはわかったが、この入り口を通れるかどうかはまた別の問題だ。二人の伸ばした手が入り口に触れるか触れないか――という、その時だった。『足りない…っ!!』怒りに満ちた低い声が、二人の行く手を遮った。「なっ…!」「今の、何!?」耕太も美香も恐れおののいて後ずさった。声は
    アンヌ さん作 [435]
  • 子供のセカイ。11

    「腹、減ったなぁ…。」ぽつりと呟くと、美香は掠れるような声で言った。「ごめんなさい。」「え?」「私たち姉妹の問題に巻き込んじゃって。……ごめん。」耕太はハッとすると、見えるわけでもないのに大慌てで首を横に振った。「は、バカ違えよ!オレが勝手にしたことだし、そんなの気にしてねぇし!」耕太はつい癖で、振り回すための木の枝を探そうとした。だが、ここが闇の中だと思い出し、少し呆然とする。「……!」それか
    アンヌ さん作 [414]
  • 報われない。

    真っ直ぐでも正直でも人は救われない人は救ってはくれない優しさの数だけ優しさを返されるとは限らない報われない想いじゃあなぜ先生は子供たちに教えるの?「素直でいい子になりなさい」だなんてそれじゃ世の中生きていけない綺麗な心のまま育って大人になってから傷つくよりはよっぽど最初から真実を私たちにでもねホントはわかってるンだ「きれい」を教えられるのは子供のうちだけだからそのうち嫌でも騙すことを覚えるから戦
    ココロ さん作 [701]
  • 子供のセカイ。10

    この暗闇の中、希望を失ったりパニックに陥ってもおかしくない。美香は正直驚いていた。耕太があきらめていないことに。いつもクラスでバカをやっては笑われている耕太が、意外な根性を持っていたことに。「おい、美香?」耕太のいぶかしげな声でハッと我に帰り、美香はちょっとだけ恥ずかしくなった。「とりあえずここから動きましょう。入り口を見つけなきゃ。」パッと耕太の肩から手を放したが、その手をぎゅっとつかまれた。
    アンヌ さん作 [388]
  • 子供のセカイ。9

    しかしそんなものより、覇王の押しの方が圧倒的に強かった。『いいかい、舞子。君のお姉さんは危険人物だ。“子供のセカイ”を脅かし、君から想像の自由を奪う。そんな人を“子供のセカイ”へ招き入れるわけにはいかない。』舞子は黙ってしまった。美香はあまり期待してはいなかったが、やはり舞子は覇王の方に傾いたらしい。『……わかったわ、ハオウ。じゃあね、お姉ちゃん。頑張ってなんとかお家に帰ってね!』舞子の声が楽し
    アンヌ さん作 [547]
  • 透明な孤独。

    透明な孤独を震わせてあなたは笑った。その笑顔が忘れられない。細い声が忘れられない。いつも胸を締め付けるだけ。悲しいだけなのに、なぜか。もう一度だけ、あなたに会いたくなるのです。遠い昔のようで。でも全然近い過去。二人の間にあったのは憎しみと。互いを牽制し合う寂しい自己愛の心だけ。たったそれだけの繋がりで。一人になりたくない私たちは、無意味に一緒の時を過ごした。嫌な過去。プライドをズタズタに裂くよう
    アイ さん作 [423]
  • 子供のセカイ。8

    そこは立っている感覚がわからなくなるほどの暗闇だった。伸ばした手の先さえ見えない。美香はその中で懸命に目をこらし、小さな舞子の姿を探したが、広がるのは目を閉じていても開いていても同じ闇。見つかるはずがなかった。「舞子――っ!」美香のよく通る声が、暗闇の中に溶けていった。何もない。美香はゾッと背筋が寒くなるのをこらえ切れなかった。このまま舞子が見つからなかったら…手遅れになったらどうしよう…!どう
    アンヌ さん作 [397]
 
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