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アンヌ さんの投稿された作品が334件見つかりました。

 
  • 守る覚悟

    不意に私は警戒心が強くなった。いつもぼんやりしていて、うまく現実が掴みきれていなかった。けど、急に世界がハッキリ見えはじめた。――ここは、なんて危険な所なんだろう。一瞬気を抜くだけで、大切に守ってきたものが腕の合間からすり抜ける。強い緊張感が私を縛る。気を抜いては……ダメだ。大切なものを守りたいなら、いつも目を光らせてないと。老いた両親を守れるのは、私だけ。兄さんなんか頼りにならない。唇を噛みし
    よーこ さん作 [396]
  • 想像の看守 ?―?

    「……離せ」怒りを押さえながらも低い声で言うと、クロはおもしろがっているように口角を上げた。「ほぅ…。少しは肝がすわってるようだな。だが――『離してください』、だろ?」裕一はピクッと眉をつり上げた。床はひんやりと冷たく、背中から冷気が染みてくるようだったが、体は対照的に熱くなった。無理やり起き上がろうともがいてみるが、クロの手はびくともしない。「どうしたどうした?ダイダイならこのくらい、楽勝で起
    ユウ さん作 [474]
  • 想像の看守 ?―?

    夜が近づくにつれ、館内は少し肌寒くなってきた。「……そういえば、今日ルリはどうしたんだ?」鞄の上にかけておいたブレザーを着ながら聞くと、キンはおもしろそうな顔をした。「やっぱ気になるんだ?」「るせ」「ルリは――…」しかし、キンの言葉は一瞬にして遮られた。「ルリなら<部屋>に閉じ込めてきた」不意にすぐ背後から聞こえた男の声。首筋の毛が、ぞわっと逆立った。振り向く暇もなかった。「っ!?」乱暴にブレザ
    ユウ さん作 [392]
  • 悲しい唄。

    怒りの矛先を向ける相手すら私にはいない。路地裏の隅にうつろな目をして座り込む少女。それが私。何も願わない。いや、ただ一つ願う。これ以上何も見せないで、ただ静かに死なせて。誰も悲しまないとは言わないけど、誰の言葉だって今は信じられないから。誰かを傷つけてしまう前に。私の息の根を止めて下さい。これが悲しい唄だと知っていながら。それでも私は誰かにこの気持ちを知って欲しくて。だから声を枯らして唄うのです
    アイ さん作 [425]
  • 殺す

    ボクは黒に沈みたいのにダレもボクを殺してくれないそんなくだらぬ人間ですか?殺す価値もありませんか?そんなことさえ、もうどうだっていい世間の目という目目、目、目に押し潰されるくらいならいっそ自分で自分を殺してダレの目にも触れない場所に埋めてしまおう。
    よーこ さん作 [405]
  • 想像の看守 ?―?

    キンは、すっかり沈んでしまった裕一を見て、申し訳ないような気持ちに駆られていた。何も追い詰めることはなかったかもしれない……。(でも、ここでハッキリさせておかなきゃ、後でとんでもないことになる……)それだけは、確かだった。しかし、これだけノックアウト寸前のようにぐったりとされたら、今日はもう無理をしない方がいいかもしれない。裕一はうずくまったまま顔を伏せてしまっていて、その表情は見えない。そうい
    ユウ さん作 [376]
  • 想像の看守 ?―?

    「違う!俺はダイダイじゃない!!」気づけば裕一は叫んでいた。嫌だ、と思った。初めてキンに対する――想像の看守に対する拒絶が、胸の中に広がった。違う……俺は!こんな異常な存在の仲間なんかじゃない!仲間だと考えることすら、身の毛がよだつほど恐ろしいことだった。しかしキンは、平然と裕一を見下ろしてくる。「……どうかな」「本当だ!だいたい、そんなのおかしいだろ!?俺は普通の人間で、最近まで普通に暮らして
    ユウ さん作 [396]
  • 幸せのカタチ。

    誰しもが願う。「幸せになりたい」と。けれどこの世には±0という概念があって、幸福も不幸も平等に存在するから、全員が幸せになることはできない。誰かを蹴落として幸せを掴む者もいるだろう。誰かを踏み台にして幸せを感じてしまっている者は、差別が何なのかわからない。 ――幸せってなんだ。自分が楽しいことをいうのか?それとも……。私は、私の周りが幸せなら幸せだ。みんなには笑っていてほしい。それが私の「幸せ」
    アイ さん作 [374]
  • 想像の看守 ?―?

    「……俺にだってわかんねぇよ。何でこんなにルリが気になるのか」ぼそりと呟いた裕一に、キンは、ん?と反応した。裕一の顔には、何か思い詰めているかのように、暗く影が落ちている。キンはぽりぽりと頭をかきながら木にもたれかかった。――“あの事”を言うべきだろうか?しかし、まだ早すぎる気もした。言っても、裕一に理解できるかどうか……。「ルリと組んでたパートナーの話、覚えてる?」「?」裕一は顔を上げる。キン
    ユウ さん作 [376]
  • 想像の看守 ?―?

    裕一はやがて、半開きのまま停止した自動ドアの前に立った。するりと体を滑り込ませると、薄暗い廊下を足早に進む。すぐにホールに出て、素早く辺りを見回す。そしてそこには――誰もいなかった。「…………」あっ、と口を開けて、裕一は固まった。沈黙が冷ややかにホールを包む。誰もいない。誰も……。不意に虚しさに襲われた。まるで、約束を裏切られたかのような……。(……何でこんなにがっかりしてんだよ、俺……)ふらふ
    ユウ さん作 [374]
 
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