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アンヌ さんの投稿された作品が334件見つかりました。
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依存されても。
重い。言ってはいけない。だから言わない。だけど。重い。貴女の存在が、重くてたまらないのです。よりかかられても困るのです。――私は自立した関係がいいのに。重い。ああ貴女はなんと重いのでしょう。幼子みたいな悪びれのない顔をして。石のような腕を、私の首に回すのです。鉛のような頭を、私の肩にのせるのです。重い。貴女はいつ飛び立つのですか?石の殻を破って、美しい鳥になるのはいつですか?私が世話しなきゃでき
アイ さん作 [465] -
キミノコエ
――キミノコエ。遠い空から降ってきた。雲と雲の合間から。――キミノコエ。野を渡る風が運んだ。花々を揺らしながら。――キミノコエ。川のせせらぎと共に聞こえた。魚たちは踊る。――キミノコエ。どうか。僕は祈る。消えないで。――キミノコエ。世界が二人の間に割り込んでくる。ゆっくりと。小さくなってゆく。消えてゆく……。――キミノコエ。誰よりも愛しい人よ。喉が裂けても唄ってくれ。
アイ さん作 [401] -
ひみつきち。
君と二人世界から隠れた誰の目にも触れない場所二人だけの秘密基地そこからは空が見えたね覚えてる?ぼくが外国へ行きたいと言ったら君はこの場所で構わないと言った代わりに世界で二人だけになれたらいいと嬉しかったよ空も笑ってるみたいだった白い雲が青を背景にくっきりと浮かんでいたね柔らかい日の光に包まれてぼくらは笑いあったんだねぇ覚えてる?君が世界を嫌がった時はぼくも世界に怯えていただから二人で隠れたねぼく
友香 さん作 [441] -
人を信じること。
足がもつれて転びそうになった時、腕をつかんで支えてくれたのは誰でしたか?あなたの目をのぞきこんで、「大丈夫?」と、聞いてくれたのは、誰でしたか?その人がきっと、あなたにとって「大切な人」です。“信じられない”なんて腐らないで、いっぺん、信じてみたらどうです?あなたが変われば、世界が変わるかもしれない――。すべてを捨てる覚悟ができるなら、そんな淡い期待を抱くことなんて、容易いじゃないですか。信じて
ダナ さん作 [423] -
私の名
みんなが呼ぶのは他の子の名前で、決して、私の名前じゃない。私のことは、そう。気まずそうに目を逸らしながら、前を足早に通り過ぎていく。たまに同情で話しかけてくれる子もいるけど、そんな時、私はいつも思うんだ。無理しなくていいのに。放っておいてくれればいいのに。一人が悲しいわけじゃない。何もない原っぱの真ん中に一人で立っていたって、私はきっと寂しくなんてならないだろう。ただ、悲しいのは。集団の中で、独
よーこ さん作 [538] -
胸の叫び
最期に君を抱きしめて 光をかみ砕いて死ねたらもしくは、終わりと最初を見つけられたかもしれない………
ハナ さん作 [597] -
埋める
失ったものは二度と戻ってこない。だから、それに似た新しいものを見つけて、隙間を埋めるしかないんだ。壊れた写真立ても。落としたキーホルダーも。友達、も。自分が孤独にならないために、周りをモノで埋め尽くす。そんなことしたって、空しいだけなのにね。――馬鹿だなぁ、私。
夏帆 さん作 [595] -
世界に向かって生きる。
「……また、会えるかな?」「うん。またきっと会えるよ」小さくなっていく後ろ姿を見送る。旅荷物を背負った、三人の少年少女たち。まばらに細い木の立つ緑の平原の中を、くねくねと白い道が続いている。昇ったばかりのギラギラした朝日を半身に浴びて、こちらを振り返ることもなく、彼らは道の上を歩いていく。「――さびしいなぁ」「……。そうだね」「私たちも、いつか、別れたりするのかな?しないよね?ずぅっと一緒だよね
愛美 さん作 [560] -
そらな気分。
そら。そらはね。いつもここにある。私、外国に行って、初めて知ったんだ。どこに行っても、どんな景色の中にいても、そらだけは変わらない。今日、日の暮れかけたオレンジと薄い水色のそらを眺めてたら、こんなさびれた学校より、サバンナの景色の方が絶対にこのそらに似合うなぁって、思ったんだ。でも、同時に気づいた。本当のサバンナのそらは、サバンナじゃなくても、ここにあるんだって。だってそらってつながってる。世界
ちゃーこ さん作 [551] -
愛のあるハナシ
「ねぇ」「ん?」「あたしが死んだら、どーする?」「……俺も一緒に死ぬ」「うわ、そういうの一番うざいよねー」「…………」「なぁ」「うん?」「俺が死んだら―……」「あたしも一緒に死ぬっ!!」彼女はひひっと笑った。俺はあきれて肩をすくめる。それから、苦笑して言った。「うぜー」
よーこ さん作 [567]