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アンヌ さんの投稿された作品が334件見つかりました。

 
  • 子供のセカイ。145

    優しくて臆病な美香は、これまで、誰かを傷つけることを極端に怖がっていた。特に相手が人間なら尚更だ。だがそうやって逃げて、逃げて、うずくまった先には、代わりに敵の前に立ちはだかる仲間の姿がある。綺麗ごとを言って前へ進めない美香の代わりに手を汚し、そして傷つけたものに対する罪を、その恨みを背負って生きていかなくてはならないのだ。(……そんなのは、嫌。)だが、剣が肉を切り裂く感触には、やはりぞっとせず
    アンヌ さん作 [477]
  • 青いペンキと特大チェーンソー

    狂ったように泣き叫ぶ、その声を無視したのは、あたし狂ったように泣き叫ぶ、その声を上げていたのも、あたしだったいつの間にこんなに強くなったんだろういつの間にこんなに弱くなったんだろう心を公開しなくてもいいんだと知ったあの日からあたしは白の入り口を封鎖したそう、白に保つのは入り口だけでよかった太くて固い鉄の鎖の前に立ちはだかってあたしは平然とほほえんでる閉ざしておけば楽外からの干渉に一喜一憂して大パ
    アイ さん作 [368]
  • 子供のセカイ。144

    女は苦痛に歪む耕太の表情に興味を惹かれたのか、剣を振り上げて背中に突き刺そうとしていた動きを止め、しげしげと耕太の顔を覗き込んだ。その殺那、だった。ドス、と重い音がし、女の細い体がびくんと跳ねた。「…あ……?」小さく響いたのは、この場で初めて女が発した声だ。わずかに体をくの字に折った女の、背中側の右腹部から、鋭い刃の切っ先が覗いている。剣はしかし、明らかに急所を外していた。刀身を伝って滴る血が、
    アンヌ さん作 [383]
  • 子供のセカイ。143

    しばらく首をかしげていた女は、コキリ、と小さな音を立てて首を戻した。懐から小さな鞘を取り出し、小刀を納める。それを再び懐にしまった後、女は腰に下げていた長剣をすらりと引き抜いた。「……。」両者はしばし闇の中で睨み合った。闇といっても、三人ともすでに目が慣れていたため、相手の一挙手一投足まで見ることができたが。女はすっと横に動いた。円を描くような滑らかな動きだ。耕太もつられて女と反対方向に動いたが
    アンヌ さん作 [365]
  • 一本の槍

    私たちはこの短い生の中で一体どれだけのことを成し遂げられるというのだろうか開いた両腕はちっぽけで守れるものは少なくて世界の彼方で飢餓に苦しんで泣いている子供家族の待つ故郷に帰りたくて帰りたくて肩を震わせる兵士イジメに悩んで自ら命を断つ覚悟を決めた少女働く場所が見つからずに冷たい氷のアスファルトで死体になっていくホームレス一体この中の誰を救えるというのか何を守れるというのか無力な手のひらほど罪深く
    よーこ さん作 [471]
  • 子供のセカイ。142

    美香は斬られた耳を手で押さえた。ずくん、と鈍い痛みが走り、指先が血で濡れる。それから、不安げに眉を寄せ、耕太の背中を見上げた。耕太は肩で大きく息をついていた。まだ眠ってからそれほど時間が経っていないため、体力の消耗も完全には回復していないはずだった。それで即座に二本の剣を想像し、女に応戦したのだから大したものだ。剣は恐らく、“生け贄の祭壇”にいた時に近くの森で集めておいた小枝を使って想像したのだ
    アンヌ さん作 [391]
  • 子供のセカイ。141

    美香はしばらく動けなかったが、だんだん落ち着いてきたため、そろそろと手を下ろした。ふぅ、と息を吐き、身を起こす。しかし変な体勢で寝ていたせいか、身体中の筋肉が強ばっていて痛かった。「うー…、」微かに唸りながら身体の筋を伸ばしていると、ふと誰かの視線を感じ、目を上げた。美香はそのまま凍りついた。真っ黒な衣装に身を包んだ女が、闇の中にひっそりと佇み、ぼんやりした赤い瞳で美香を見つめていた。いつからそ
    アンヌ さん作 [403]
  • 最後の光

    朝日が不気味なものに見えた時僕の1日は終わったのだと思う明日に希望が抱けなくて昨日なんか忘れてしまいたくて今日さえも拒んでしまったら僕はどこに存在すればいいのだろう何のために生きているのだろう道筋は真っ直ぐじゃなくて聞こえるのはひび割れた歌声だけど歩かなきゃいけないから簡単に絶望することもできない退路を絶ったのは自分後は時間に侵食されてゆくだけ取り込まれて老人になってゆくだけ光になれると信じてい
    アイ さん作 [436]
  • 子供のセカイ。140

    そして治安部隊のリーダーであるハントは、保身のために「傍観」という立場を選択した。「あいつらの強運を祈ろう。……オレたちにゃあ、それしかできねぇ。」呟いた言葉は、濃さを増した夜闇の中にそっと溶けていった。「まだこの時代が続くのか…!」すでにあきらめの混じった口調で唸るように吐き捨てたルキの目には、悔しさから来る涙がにじんでいた。* * *美香は沼の底に沈んでいくよ
    アンヌ さん作 [406]
  • 子供のセカイ。139

    夜羽部隊――。支配者である舞子が、直々に想像して作り出した、覇王の傘下にある特殊部隊である。隊員はすべて若い女性で構成されているが、所属しているのは感情があるのかわからないような、虚ろな目つきをした不気味な黒ずくめの女たちばかりだ。彼女たちは命令されたことなら何でも忠実に、冷徹にこなす。覇王が治安部隊に任せたくないような、重要な裏の任務を遂行せねばならない時に、夜羽部隊を用いるのだ。それを今利用
    アンヌ さん作 [443]
 
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