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アンヌ さんの投稿された作品が334件見つかりました。

 
  • 子供のセカイ。120

    すぐ横に誰かが降り立つ気配を感じ、しかしハントは狸寝入りを決め込んでいた。すると脇腹を容赦なく蹴り上げられ、「いでっ!」と声を上げながらハントは渋々目を開けた。「何やってんだよ、ハント。サボってんじゃねーぞ?」治安部隊の若者の一人に、半笑いを浮かべながら見下ろされ、ハントは不機嫌に目を細めた。「オレを起こすってこたぁ、それなりの成果を持ってきやがったんだろうな?」「おう。奴ら、自首してきたぜ。」
    アンヌ さん作 [336]
  • 子供のセカイ。119

    「ここまで私のために――舞子のために、一緒に来てくれてありがとう。今まで危険な旅をしてきて、こんなことを言うのも今更なんだけど、みんな絶対に無茶はしないで。自分の命を最優先にして。」三人とも、反論せずに頷いた。あえて口には出さなかったが、誰よりも無茶をする可能性の高い美香をまず守らなければいけないというのは、王子もジーナも耕太も、それぞれに感じていることだった。それから四人は立ち上がり、最後に軽
    アンヌ さん作 [368]
  • 子供のセカイ。118

    王子は耕太に目を向けながら言った。「さっき治安部隊がしつこく僕らの跡をつけてきただろ。姿が見えないにも関わらず。昔ちらっと聞いた話では、彼らは想像物の痕跡を追えるらしいんだ。たぶん僕とジーナがいる限り、君たちは治安部隊から逃げ切れないよ。」「でも、そんなことしたら王子たちがつかまっちゃうわ!」思わず美香が声を高くすると、ジーナは挑発的な笑みを浮かべた。「なるほどな……。わざとか?」「え?」眉を寄
    アンヌ さん作 [406]
  • 子供のセカイ。117

    美香が驚いて妖精からジーナに視線を移すと、ジーナは府に落ちない、という顔をしていた。「舞子が支配者になってから、人さらいが始まったと言っただろう?わざわざ犠牲を払わせて領域から出させ、ラディスパークに彼らを終結させ、何か奇怪なことをやらされているという噂があると。私はずっと気になっていたんだが、それは覇王の企みなのではないか?番人を手なずけているのが覇王かと思えば、治安部隊を動かしているのも奴だ
    アンヌ さん作 [395]
  • 殺那の謎

    殺那的なものを美しいと思うのは僕らの性なんだろうか。消えた方がいいなんてことはないのに貪欲に生にしがみつくことをやめたりはしないのに一度だけ咲いて朽ちる花を、僕らは美しいと信じている。尾を引いて一瞬で流れ去る小さな星に涙が出るほど焦がれたりもするんだ。人間って不思議な生き物だ。永遠を求めているのは誰もが同じこと。だけど実際に永遠なんて手にしてしまったら僕たちはいつか死にたくなるのかもしれない。消
    ココロ さん作 [427]
  • 子供のセカイ。116

    王子が深刻な顔で説明を終えた時、周辺の家の探索に行っていたジーナは、「こっちだ」と三人を手招いた。治安部隊の掛け声が近づいていたこともあり、全員が早足になる。ジーナについて細い路地を進んでいくと、ある一軒の家の前で一行は足を止めた。確かに、一般的に言うところの『可愛らしい』家だった。ピンクがかった色の屋根、壁は塗ったばかりのような滑らかなクリーム色で、窓は花形にくりぬかれている。ファンシー過ぎて
    アンヌ さん作 [345]
  • 子供のセカイ。115

    「ハァッ…ハァッ……くっそ…!何でこっちの居場所がわかるんだよ!」額の汗を散らしながら叫ぶ耕太の肩に、やや呼吸の乱れたジーナが手を置いた。「ハァ……叫ぶな、声は透明にはならないだろう?奴らになおさら私たちの居場所を教えるだけだ。」「じゃあどうするんスか!」「さっき私が言った通りだ。ひとまずその辺の家に匿ってもらおう。……できれば光の子供の魂の分け身の家ならいいんだが……。」そう言ってジーナは、へ
    アンヌ さん作 [375]
  • 子供のセカイ。114

    その時、ようやく何か思いついたのか、耕太はパン、と両手を打ち鳴らした。「よし、これっきゃねぇ!」それから、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、と、自分、美香、ジーナ、王子の肩に手を触れると、同時に先頭を切って広場から街の方へと駆け出した。「ちょっ、耕太!?」「いいからついて来いって。もうオレたちの姿は誰にも見えねぇからさっ!」ジーナが怪訝そうに眉を寄せた時、またしても、「ホーウ!イェアー!ヘーイ!」の掛け声
    アンヌ さん作 [459]
  • 子供のセカイ。113

    ビラを一目見た女性は、ぽかんと口を開けてゆっくりと美香を見上げた。美香もほぼ同時にビラから視線を上げる。間近で女性と目が合った。女性のビラを持つ手がぶるぶると震え、悲鳴の形に口が丸く開いた瞬間、美香のすぐ横を素早く走り抜けた影があった。「ぅぐっ!」ジーナに剣の柄で鳩尾を突かれた女性は、ゆっくりと倒れて気を失った。「ジーナ!」「……仕方ないだろう。叫ばれたら迷惑だ。治安部隊――さっきの若者たちが戻
    アンヌ さん作 [362]
  • あなたの指先を

    ――だからあたしは悲しいのです。今、涙の理由がはっきりとわかりました。世界を否定したくなるその理由が。あなたは傷を逃れるためにたくさん嘘をつきました。興味のないことにも興味を示したりして。楽しくないのに笑ったりして。文句を言ったり愚痴ったりして。冷めた目をしてみたりして。あたしにはいつも優しくしてくれたあなた。そんなあなたが大好きでした。あなたが傷を持っていることも知らずに。あたしはへらへらと笑
    よーこ さん作 [385]
 
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