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夢の字 さんの投稿された作品が61件見つかりました。
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Killing Night Freaks/Chap.2-11
ブランクコア。FMJ弾の先端部分に空洞を設け、殺傷能力を上げたもの。着弾と同時に弾丸が潰れ、回転しながら進むことで神経や血管を大きく傷付ける。更に弾丸の貫通力が下がり盲管銃創(体内に弾が残る)となって前線での治療を困難にする、軍隊でも使われることがある対人体用の弾丸だ。それを使われた。平和な日本の、こんな辺境で。全く、いつから日本はこんなに物騒になったのやら。楽しいじゃないか。でも。海潮の服を捲
夢の字 さん作 [328] -
Killing Night Freaks/Chap.2-10
こだました銃声に顔を上げる。反射的に頭に浮かんだのは海潮の事だ。敵、それも大物に遭遇したか。食べかけのチョコバーの残りを口の中に叩き込み、走り出す。どちらから聞こえたか、と記憶を辿ろうとしたところで再度の銃声。山の中腹、僕が海潮と別れた場所からさほど離れてはいない位置。確認して、腰に下げたホルダーから鉈を抜いた。手の中に強く握る。力の込められた掌に汗が滲んで木製の柄に染み込み、寧ろ滑りを悪くした
夢の字 さん作 [473] -
Killing Night Freaks/EXTRAChapter.『海潮辰哉の奇妙な冒険』
「……っ、らぁッ!」気合い一発。声と共に打ち出された右拳は正確に猟犬の頭蓋を潰し、眼窩から目玉と血液を零して絶命した。これで、全部だ。追って来た猟犬三匹を、なんとか全て撃退した。細く長いを漏らし、構えを解いた。拳に疼痛。当たり前だった。素手で骨のような固いものを砕けば反る衝撃が拳を傷める。何か巻いて来れば良かったな。そう考えながら顔をしかめなて手を振り、海潮は背後の人物に話し掛けた。「大丈夫かよ
夢の字 さん作 [335] -
Killing Night Freaks/Chap.2-9
一瞬、視界が暗くなる。何故、と問う必要はない。不意の衝撃を感じた脳が、反射的に目を閉じたのだ。身体がのけ反る。が、踏み止まった。「……いちち」強打した額をさすり、怪我の具合を確かめる。大事は無い。危惧されるのは脳震盪だが、身体がふらつくことも無く、その心配はないようだ。さて、と。先程衝撃を感じた所まで歩み寄り、そっと手を伸ばした。掌に固い感触。見えない何かに触れている。息を吸い、「……!」打撃。
夢の字 さん作 [327] -
Killing Night Freaks/Chap.2-8
倒れ伏して動かない男性に、もう一度手を合わせる。黙祷。……僕にだって、死者を悼む心は有る。人が死んで嬉しいなんて事は有り得ない。それがどんな非日常に置かれていたとしても……それだけは、履き違えちゃいけないんだ。「……お墓は、家族に建ててもらってください。では。お騒がせしました」告げて、踵を返す。浮かれていた頭に水を差された気分だ。あの人に感謝しよう。……冷静さを、取り戻せた。ここには、人の死があ
夢の字 さん作 [345] -
Killing Night Freaks/Chap.2-7
「だったら、この山に入られるのが嫌だったのかな」もしくは、見つけられたらマズイ何かが有る、と。なんだか、きな臭い話になって来た。海潮辺りだと溜息を吐くことだろうけど、僕は。「うん……楽しくなって来た」此処には何かが有って、誰かがそれに触れさせまいとして居る。それは他人の命なんてどうでもいい程のもの。なんとも、好奇心を刺激されるものである。頬が歪む。自然と、笑みの形に。鉈を握る手に力が篭り、把が軋
夢の字 さん作 [344] -
Killing Night Freaks/Chap.2-6
走る。道無き道を、草茂る山中の獣道を、僕は全力で走っていた。手には鉈が握られているが、振るって走る余裕は無い。ふ、と鋭く息を吐き、震脚。柔らかい土を踏む感触がまず返る。……足場が悪い。沈み込む。……けれど。続いた反動で跳ね上げるように宙に身を置き、宙返りをするような捻る動作で背後を見た。後方、草を掻き分けこちらに近付く影が三つ。海潮はいない。先程別れたばかりだ。……無事ならいいけど。心配する余裕
夢の字 さん作 [333] -
Killing Night Freaks/Chap.2-5
「……でさぁ、カヅキ君よ」「何さ海潮」「お前、人が行方不明になる理由ってなんだと思う?」「……人生が嫌になった」「ルート3点。や、真面目に答えれアンボンタン」そういうやり取りが有ったのは金曜日の夜、山入りの荷物を整理していた時の事。三日分の食料をザックに詰めている最中に、海潮が思い出したように聞いてきたのだ。一応、行方不明者の捜索が名目になっているこの調査。そこまで調べる必要はないのだけれど、「
夢の字 さん作 [307] -
Killing Night Freaks/Chap.2-4
さて。海潮から聞いた話によると、隣の県の山中にてどうやら奇妙な事件が起こっているらしい。なんでも、山に入った人が帰って来なくなったそうな。遭難だね、要は。けど、問題はそれだけじゃない。編成された捜索隊の人達もまた、誰ひとりとして帰ってこないのだ。さほど深くもない山、しかも冬でもないのに、有り得ない程の大規模遭難。で、これは何かが有るに違いない、と踏んだ我らが部長がその調査に踏み切った、というわけ
夢の字 さん作 [307] -
Killing Night Freaks/Chap.2-3
銃を持った私兵に追い掛けられたことも有った。それもまた、いい思い出ではある……僕にとっては。海潮はどうか知らないけど。「拳銃で撃たれる経験なんてそうそう出来るもんじゃないよね」「思い出させんなよ。当たらなかったからいいものを、一歩間違えてたら死んでたんだぜ?」「そこはそれ。先輩がいたから、何とかなるかなって」「お気楽な脳みそだな、全く」「で、いよいよ活動再開ですか。当局に睨まれたから暫くは控え
夢の字 さん作 [365]