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彌喩 さんの投稿された作品が15件見つかりました。
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続、僕はどうすればいいですか
翌朝、僕は強く退院を希望した。先に帰ってしまっている母が気掛かりで‥朝になり何度も携帯に電話するが、出る気配がない。母がああなってしまったのは、一体いつからだろう。もう、そんな記憶すら曖昧だ。明るく、いつも笑っていた母はもう居ない。近所の人とは毎日のようにトラブルを起こし、外出すれば警察沙汰に‥「人格障害」という名前は、17の僕には難し過ぎた。僕は付きっきりで、母と居るようになった。すべての母
彌喩 さん作 [245] -
僕はどうすればいいですか
『母はどうしましたか?僕はどうすればいいですか?』虚ろな意識の中、覚醒した僕の第一声だった。看護師から(母は軽傷でもう帰ってしまった事、僕は覚醒しきってないし、酸素吸入も、まだ治療もしなければならない事)の説明を受け、母さんが戻らない事を確信した。母が死を選び、実行しようとしているのを、止める理由も、懇願も‥僕には持ち合わせてなかった。未成年の僕に出来た事は、母と同じ薬を飲み、同じ焼酎を飲み、同
彌喩 さん作 [337] -
リアル人生ゲーム?〜伶盤〜
練炭は以外とたやすく手に入った。あとは場所だ。『どこにしよう‥』伶には一つの場所が浮かんではいた。昔、なおと行った事のある湖だった。『あそこにしよう‥』向かう前、なおには〈山に行くのぉ〜〉とだけメールした。《はっ?山?何しに?》なおからのメールには返信しなかった。‘山’とはその時期、二人にはそこだ!とわかる言葉だった。古い話しだからなおは忘れてるだろうと伶は思っていた。完璧だったはずなのに‥なお
彌喩 さん作 [247] -
リアル人生ゲーム?〜伶盤〜
二度目、伶が‘そう’したのは計画的だった。荷物整理なんかで、実家となおの所を行き来していた伶は、たまにはなおの所に泊まったりもした。前の様に普通に過ごせていた。彼女からメールが来ない限りは‥一般的には理解されないんだろーけど。伶となおの関係は。そんな中で伶は、『あたしにはまだチャンスある?彼女と今別れられないよね』と、ふざけ半分に聞いたりして。だけどなおは、「‥‥。それはムリだね。」少しの沈黙の
彌喩 さん作 [241] -
リアル人生ゲーム?〜伶盤〜
左手首の傷がまだ消えない頃、伶は家を出た。なおと彼女の順調なお付き合いを、側で見ていられる心を、持ち合わせては居なかったから。なおに対しての‘怒り’みたいなモノは不思議とほとんど無かった。『あたしもうここに居ちゃダメなんだよね?あたしと別れるからって告白したんでしょ?』伶の覚悟になおは「う〜ん‥ずっとはマズイけどまだここに居たらいいじゃん!」そう答えた。なおは「伶を嫌いになった訳じゃないし変
彌喩 さん作 [246] -
リアル人生ゲーム?〜伶盤〜
次の朝、伶は頭痛と共に目が覚めた。中毒の後遺症なのだろう。『なおはもう仕事かぁ‥』携帯の時計を見て伶はつまらなさそうに言った。薬のせいか頭痛が治まってくると必ず眠気が来る。今の伶にはちょうどいい。眠ってる間は何も考えずに済むから。だからあの日も、あの日も‥二度と目覚めたくなかったから、伶は‘そう’した。バカだと、愚かだと、人は思うのかもね。だったら、記憶を消す薬とか何か発明してもらいたい。なお
彌喩 さん作 [241] -
リアル人生ゲーム?〜伶盤〜
「ティララァ〜♪♪♪♪〜」‥すぐに返事が来た。相変わらずの早さ。『さすがメーラー』そう言って伶は少し笑顔になった。メーラーとは、まぁ説明しなくともそのまま、メールの達人とでも言えばわかるかな。まわりからしたら、最低最悪のダメンズなのかも知れないが、こうなった今でも伶を笑顔にさえさせる事の出来る、伶にとってそんなかけがいのない存在だ。《そんな話しはいんだわ? オマエの話ししてるんだから?》〈顔
彌喩 さん作 [233] -
リアル人生ゲーム?〜伶盤〜
『人生ゲームの盤の上なら一体あたし、どんなマス目に今止まってんのかなぁ』白い見慣れない天井を見つめ、伶はつぶやいていた。女40年も生きていたら、それなりの人生の粋も甘いも経験してきていて不思議はない。ただちょっと、伶は人並みよりは波瀾万丈だったに違いない。子供が居て旦那が居て。そんな極普通の生活を彼女は放棄してまで自分に正直に生きる道を選んだ。その結果、今、彼女は無機質な白い天井の部屋に寝てい
彌喩 さん作 [290] -
飛べない
「あぁ、これでナニモカモすべてから解放される‥」そうつぶやきながらハルは風を感じながらゆっくりとまぶたを閉じた。早くお嫁さんになりたいと夢見ていた子供だったあのころ‥まさか大人になった自分が今こうしてる事、考えもしなったはず。子供が出来、幸せいっぱいだったあのころ‥まさか先の人生に待ち受けてるもののスケールのデカさに気付くはずもなく。「人なんて、ほんの一瞬の判断、決断で180度世の中が変わっちゃ
彌喩 さん作 [345] -
人魚姫
どうして?20才は20才、30才は30才、20才にはなれない‥彼の元カノは20代。私は‥40に手が届いちゃう‥若くて、今を満喫している彼女。自分らしさを探し続けてるあたし。見たくなかった‥のかも。悪気なく教えてくれた彼。一瞬見せた嬉しそうな、それでいて誇らしげな彼の顔。彼女はまだ自分に未練があると言う彼。男連れだったが、オレの方がと言わんばかりの視線。「話して来たら?」というあたしの言葉に、どこ
彌喩 さん作 [346]
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