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もう30歳 さんの投稿された作品が16件見つかりました。
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見えない糸 16(完)
『多摩さんが幸せにしてよ!』そう叫びたかった…。まだ、ふっ切れない自分が嫌になる…。月日は無情にすぎ、とうとう出産の日がやって来た。20時間近くもかかる難産で、3470gもある元気な女の子だった。我が子を抱いた私は、泣いた。それと同時に、この子を守らないと って強く思った。今の気持ちのまま、母親になれない。私は、病室のベッドでメールを送った。『突然ですが私、赤ちゃん産みました。正直、妊娠中も多摩
もう30歳 さん作 [311] -
見えない糸 15
前に進む為に選んだ別れなのに、全く前に進むことができていなかった。一歩進みたい…。小野寺くんを好きになってあげたい。。。そんな気持ちから、私は小野寺くんと付き合う事にした。それから4ヶ月。私はある事実に気が付いた。『今月来てない』検査薬で調べると 『陽性』だった。多摩さんと7年も居たのに、こんな事一度もなかった…。私は、こんな時まで多摩さんの事を考えていた。小野寺くんに報告すると、『やった!結婚
もう30歳 さん作 [241] -
見えない糸 14
私は、車の中で大声をだして泣いた。胸が張り裂けそうになる…。覚悟を決めたはずなのに、涙がとめどなく流れる…。本当に、愛してたんだ…。そう思い知る。こんなに、別れが辛いなんて…。7年間の出来事がよみがえる。一度は、『もう、二度と離れない』と決めた恋だったのに…。家までの2時間、涙が止まる事はなかった。それから、毎日バイトに明け暮れた。何かで気をまぎらわせておかないと、おかしくなりそうだった。年も明
もう30歳 さん作 [138] -
見えない糸 13
28歳の11月…。私は、重い口を開いた。『私、多摩さんが本当に大好き。もう、この先こんなに好きになれる人は現れないと思ってる。だから結婚したいの。多摩さんが、結婚を良く思ってない事はわかってる。でも、私が幸せにするから。クリスマスに返事ちょうだい。それまで、会わないからゆっくり考えて。』私は覚悟を決めていた。長い1ヶ月…。街がクリスマス一色に染まるなか決断の日がやって来た。買い物をし、ご飯を食べ
もう30歳 さん作 [148] -
見えない糸 12
付き合う前に聞いた言葉を思い出していた。『結婚はしなくていい』多摩さんの口からはっきり聞いた言葉。今も、やっぱりそう思ってるの?『結婚したい』って言ったら嫌われる?私は、多摩さんと会っても切り出せなかった。あの日なんで『そうだよね』なんて簡単に話し合わせちゃったんだろう…。後悔ばかりが押し寄せた。結局言い出せないまま、週に一度のデートを繰返し更に1年が過ぎた。そんなある日、友達から『すごく当たる
もう30歳 さん作 [164] -
見えない糸 11
信じられない。嬉しくて心臓がバクバク音をたてた。それから、毎日多摩さんは家に来た。まるで新婚気分だった。私は、今まで以上にどんどん多摩さんを好きになった。きっと、この先こんなに好きになれる人は現れない。『赤い糸の運命』とまで思った。そんな時、実家の母が倒れた。命にかかわる事ではないが、老いた父親と母親の世話の為、仕事をやめて実家にもどる事になった。昼は家の手伝いをして、夜は地元の居酒屋でバイトし
もう30歳 さん作 [159] -
見えない糸 10
何かが吹っ切れた私は、『今』を楽しんだ。悩み、泣きはらした日々が嘘の様に毎日楽しかった。相変わらず、二股状態だったが、多摩さんはもう嘘を言わない。『明日は彼女に会う事になってるから、ごめん』『わかってる。だから謝らないで!』私は、笑顔で送れるようになった。だって、彼女からしたら、私の方が嫌な女でしょ?彼女には悪いけど、多摩さんと一緒に居たいの。例え、二番目でも…。多摩さんは、きちんと私にも100
もう30歳 さん作 [128] -
見えない糸 9
ドラマの様に、手首切ったぐらいじゃ人間簡単に死ねないんだ…。少し正気を取り戻した私はそのまま深い眠りについた。次の日。仕事はズル休みをした。体が重くて動けない…。タオルをぐるぐる巻いただけの手首の傷を見てまた泣けてきた。明日からどんな顔して会えばいいの。。。相変わらず、壊れた携帯からメールの着信音だけが何度も響く。その時だった。『ピンポン』部屋のインターフォンがなった。『居るんだろ?開けてくれな
もう30歳 さん作 [132] -
見えない糸 8
いつも多摩さんと一緒だった私は、時間の潰し方がわからない。隣街まで車を走らせ何もせずに帰ってきた。時間は、23時。帰り着くと入口のノブに買い物袋が下がっていた。中にはプリンやお菓子、いつも一緒に食べた私の好きな物ばかりだった。袋の底には、紙切れがあった。見覚えのある癖字で『ごめん。はっきりしなくて。なんで怒ってるかはわかるよ。辛い思いさせてごめん。もう、会うのやめよう。本当に勝手でごめん。今まで
もう30歳 さん作 [181] -
見えない糸 7
多摩さんも、私が彼女の存在を知っている事にうすうす気づいていたと思う。でも、会えない日の理由はいつも家族の事なのだ。ある日、いつもの様に『明日は姉の子供の面倒みないといけないから会えない』と言われた。もちろん嘘。私は彼女に、私の存在を知らせたくなった。その夜、わざと電話やメールを何度も送ったのだ。電話の呼び出し音が鳴り響く。三度目…すぐ留守電に切り替わる。4度目…とうとう電源が切られた。なんとも
もう30歳 さん作 [208]
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