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沖田 穂波 さんの投稿された作品が90件見つかりました。
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気長に待ちましょう
恥ずかしがり屋なアナタはいつも私を目で追うばかり私がアナタに笑って見せると顔を真っ赤にして微笑み返した勿論気付いてますよアナタの気持ちでも私の気持ちも気付いているでしょ?だったら早く言ってくれなきゃ私いつまでたっても独り身よだけど,仕方ない臆病者のアナタしっかりと堂々とできるまで気長に待ちましょう気長にね♪
沖田 穂波 さん作 [648] -
アオイ、そら。12
4-1 行動その日の帰り道,私は多哀を校門で待ち伏せした。早速奴とお近づきになろうと言うわけだ。夕暮れの,心地よい風の中に微かな夏の訪れを感じられる。その中に,相変わらず1人で奴は校舎から出て来た。『ぐ,偶然!!多哀じゃん!』待ち伏せしてたなんて言えないので,取りあず偶然を装った。我ながら,なんて臭い演技‥。多哀は,― またお前か。と言う冷たい視線を私に浴びせながら無言で歩き続ける。『待てよ!こ
沖田 穂波 さん作 [632] -
アオイ、そら。11
4 行動次の日,登校するなり多哀の前に再び仁王立ちになった。『おい,多哀蒼。』いつものように読書していた多哀は,不快な目を私に向けた。『笑え。』私はニヤリと思いきり作り笑いな顔を見せ付けた。いつも表情のかたい多哀だが,ゆきにいと従兄弟ならば笑顔位,自然に作れると思ったのだ。多哀は意味が分からないと言う風に眉間にシワを寄せると私から顔を背けた。クラスメートの視線が徐々に私達に向けられている。『おい
沖田 穂波 さん作 [598] -
アオイ、そら。10
3-4 ゆきにい『アオイの笑顔を取り戻せなかった事です。』ゆきにいは優しいが故に呪いを明かしてしまったアイツに,かなり責任を感じているようだった。しかし,話は原点に戻る。『約束しました。アイツと。織姫と彦星の呪いを解くと。』またもや私は自分でも驚きの事を言っていた。『私が救います!!アイツも,あなたも。』そう,全ては呪いを解くことで解決するのだ。しかし,『救えませんよ。私だけは。』冷酷にゆきにい
沖田 穂波 さん作 [678] -
アオイ、そら。9
3-3 ゆきにい『朱行様,お時間です。』多哀家の女中が襖を叩いた。『ああ,今行くよ。』ゆきにいはゆっくりと立ち上がった。『時間て‥?』私は,誘っておいてどこかに行くなど失礼な!!とか思っていた。ゆきにいはひらひらと手を振った。『すぐに戻りますよ,薬をね,飲むだけですから。』色白だから気付かなかったが,確かに顔色が良くない。風邪かもしれない。と,私は予想した。五分程でゆきにいは戻って来た。『すみま
沖田 穂波 さん作 [668] -
アオイ、そら。8
3-2 ゆきにい『私が,明かしてしまった。』私はゆきにいの言葉に真剣に耳を傾けた。『あの子が,未来に夢と希望を抱いていたから‥,哀れに思ってしまったんですよ。未来を夢見ていてはいずれ現実に傷ついてしまう。だから今だけを見て精一杯生きなさいと伝えたかったんです。でも‥。』『でも‥?』『あの子は死を受け止められる程,強い子ではなかった。幼すぎたのです。呪いの事を聞いてから,1ヶ月も泣き伏してしまいま
沖田 穂波 さん作 [595] -
アオイ、そら。7
3-1 ゆきにい私は多哀家にある,ゆきにいの居る六畳間に入った。驚いた事に,家は怠慢通りの突き当たりの神社だった。これなら奴がしょっちゅう怠慢通りに居たことに説明がつく。『アオイのことは,気にせずとも大丈夫ですよ。』どこかたじろぐ私に,ゆきにいは言った。『でも,怒っているんじゃないですか?』『いいえ,』と,ゆきにいはプッと吹き出した。『照れてるんですよ。友達を自分の家に入れるの,初めてだから。』
沖田 穂波 さん作 [596] -
アオイ、そら。6
3 ゆきにい私の発言に,多哀は目を丸くした。『‥馬鹿だろ。』『ん何っ!?』私が怒ろうとした時,『女の子を馬鹿呼ばわりとは少々感じが悪いですよ,アオイ。』背後で別の声がした。それまで私は後ろの人の存在に気付かなかったから,心臓が止まるかと思う位びっくりした。『‥!ゆきにい!?』多哀が"ゆきにい"と呼んだその人は,儚げに私に微笑みかけた。その顔立ちは,色白で,女みたいに綺麗だった。悔しいけど女の私で
沖田 穂波 さん作 [489] -
アオイ、そら。5
2 呪負『呪いって‥どんな?』私は多哀の光の無い目を真っ直ぐに見て訪ねた。多哀は,私に背を向けて淡々と語り出した。『お前‥七夕の昔話。知ってるか?』七夕‥いくら常識の無い私でもこれ位は知っている。『勿論!織姫と彦星の恋の話。』だった筈。多哀は午前の太陽に照らされた地面を見た。『恋か‥恋は恋でも,悲恋だ。』『ひれん?』『織姫と彦星は交際を意地の悪い天帝に認めてもらえず,天の川を隔てて引き離されてし
沖田 穂波 さん作 [467] -
アオイ、そら。4
1-4 悲しき蒼。『良いのかよ,金持ってかれて‥。』多哀はちらりと私を見ると,深い溜め息をついた遮った。奴がまず言うであろうと,予想していたのだ。『理由‥』と,無表情だった多哀の顔が初めて歪んだ。『俺が,呪われているからさ。』辺りが静まり返って,それだけ聞こえた。『呪われてる?何ソレ,ホラーじゃん。』私は思わず吹き出してしまった。けれど奴は,真面目に言うんだ。『やっぱり, 君も同じだね。』『‥は
沖田 穂波 さん作 [449]