トップページ >> 沖田 穂波 さんの一覧
沖田 穂波 さんの投稿された作品が90件見つかりました。
-
○●純+粋な恋/軌跡●○
軌跡あなたの歩いた道を辿ってみたけれど出逢った者が皆幸せを掴んだ者ばかりで皆 笑顔で不幸な顔をしている人なんて1人もいなかった何故か私は憎らしくなって悔しくなってて涙が出て歩く事を途中でやめてしまった不幸なのは私だけ?なんて思うとあなたに怒られてしまうだろうけどあなたが逝ってしまってから私は幸せ者ではないんだよあなたの歩いたこの道であなたが落としたあなたの幸せあなたが犠牲にした幸せで今たくさんの
沖田 穂波 さん作 [577] -
○●純+粋な恋●完
5-? 初秋の桜粋乃の声を聞いて,純は閉じていた目をやっと見開いた。『私です。粋乃です。』粋乃は純の視界に入るように身を乗り出した。その時,純は穏やかな微笑みを見せ,力の無い手で粋乃の頬に触れた。『粋乃‥さん。久しぶりですね‥』純の手は冷たい。『‥ごめんなさい,もう会わないと言ったのに,来てしまいました。』『謝る事ないです‥私はずっと,後悔していたんですよ‥あなたに,別れを告げた事に。』純は荒い
沖田 穂波 さん作 [696] -
○●純+粋な恋●28
5-? 初秋の桜純の容態が急変したのは筆の一件の3日後の事だった。ー ついに, この時が来たか‥純は1人,病と戦っている。『粋乃さん‥』純は病にうなされながら粋乃の名を呼んだ。ー やはり,純にとって粋乃さんは大きな存在だったのか‥。純と粋乃がもう会わない事になっているのは知っている。しかし,京太郎は粋乃を呼びに既に家を飛び出していた。『粋乃さん純が危険だ!来てくれないか!?』京太郎は粋乃の家前で
沖田 穂波 さん作 [486] -
○●純+粋な恋●27
5-? 初秋の桜『じゃあ,私が死ねば良いですよ。』『‥何だと?』京太郎の顔がさっと青くなった。『どうせ死ぬんだ。いつ死のうが変わりはない。だから兄さん,私を殺して下さいよ。』京太郎はその言葉を聞き渾身の力を込めて純を殴った。純は畳の上に倒れ込む。『馬鹿な事を言うな!!命をつなど俺は絶対に許さないぞ。お前は病で生きる精神も衰えたのか!!』以前の純は生きる事に一生懸命だった。しかし今の純にはその面影
沖田 穂波 さん作 [434] -
○●純+粋な恋●26
5-? 初秋の桜『私の筆を,全て燃やして下さい。』純は熱で潤んだ目をやっと開いて京太郎に言った。『筆を?燃やせるわけがないだろう!!』当たり前である。燃やしてしまったら純の形見が1つも残らないではないか。純は力の入らない手で京太郎の裾を握った。『兄さん,お願い‥お願いですから。』京太郎は純の手を簡単に引き離した。『純。いくらお前の頼みでも無理だ。それに,何故燃やす必要があるんだ。』純は,ふらふら
沖田 穂波 さん作 [413] -
○●純+粋な恋●25
5-? 初秋の桜粋乃は純の部屋の前でばったりと京太郎に出くわした。京太郎は,泣いている粋乃を一瞬目を丸くして見たが,すぐに粋乃を自分の部屋へ入れた。†『純を,恨まないであげて下さいね。』粋乃の茶を入れながら言った。京太郎は全てを察していたらしい。『純さんを恨むだなんてあるわけないです。ただ,悔しい。』『悔しい?』『今まで気付く事が出来なかった。私は,純さんの重荷だったのだと。』粋乃はまた泣き出し
沖田 穂波 さん作 [461] -
○●純+粋な恋●24
5-? 初秋の桜『出ていけ!!』純は怒鳴った。粋乃は呆然と立ち上がり溢れる涙を抑えながら部屋を飛び出して行った。ー終わった‥最初で最 後の恋が‥。その日,病を恨んで泣いた。この悲しみだけは,病よりも辛いと,純はひしひしと感じるのだった。●●続く○○
沖田 穂波 さん作 [495] -
○●純+純な恋●23
5-? 初秋の桜京太郎が出ていった部屋は,不気味なほど静かになった。もう,夏の虫達の声は聞こえない。『今日は,粋乃さんに,お話があるんです。』最初に口を開いたのは純だった。『何ですか改まって。』粋乃は嫌な予感がした。それは,不気味な静けさからではない。純の暗い表情からだ。『あの‥』『待って!!』粋乃はとっさに言わずにはいられなかった。しかし,純は粋乃の言うことを無視して続ける。『私たち,会うのは
沖田 穂波 さん作 [449] -
○●純+粋な恋●22
5-? 初秋の桜細くなり棒の様になった腕が,静かに墨をする。以前の様に純は筆を持った。しかしどこかおかしい。指先に力が入らない。書こうとすると手が震えて筆が落ちる。ー 私は, ここまで衰えたか。絶望だ。幼い頃から書の天才と言われてきた純が筆を持てなくなるなど,今までの人生が無になったのと同じ事だ。純は筆を置いた。ー 私の存在理由は一体何なのだろう。書くことの出来なくなった純は,いつしかそんな事を
沖田 穂波 さん作 [413] -
○●純+粋な恋●21
5-? 初秋の桜『私ですか!?』純は驚いた。粋乃の話が記憶に無かったからだ。と言うか純の幼い頃の記憶は殆ど書道の事で埋もれていた。『そうです。あれからの私は不思議でした。たった一度しか会った事のない男の子の事を,12年間想い続けたのですから。』『そう‥だったんですか気付きませんでした。』純は幼い頃の自分に損をした気がした。『私は,幼い頃の粋乃さんを知らないから,とても悔しいです。ずるいなぁ,粋乃
沖田 穂波 さん作 [444]