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深谷恵梨香 さんの投稿された作品が72件見つかりました。
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遠くても…-22-
「エリカは俺の女なんだから近づくな。」幸村さんはいつも他のボーイ達に言っていた。エリカ今日もかわいいね。エリカ、今度食事いこ。エリカはほんとにいいコだな。全部ウソだってわかってる。傷ついて傷ついてエリカはもうボロボロ。それでも幸村さんから離れられなくて、ウソの言葉全部受け止める。幸村さんのためにがんばり続けた。エリカはどこまでがんばったら幸村さんに受け入れてもらえるの?
深谷恵梨香 さん作 [244] -
遠くても…-21-
それからエリカは、仕事も探さず幸村さんのところで働き続けた。最近幸村さんからメールが減った。どのメールも業務用。“エリカ明日は仕事でれる?”“エリカ今月売り上げ落ちたんじゃない?がんばれ〜”メールをみるたびエリカは幸村さんを疑うようになった。『幸村さんはエリカに営業をかけている』心が切り裂かれた。そんなわけないと自分に言い聞かせ、エリカは仕事に励んだ。売り上げをあげればあげるほど、幸村さんはエリ
深谷恵梨香 さん作 [257] -
遠くても…-20-
「エリカ何か飲む?」「あ、じゃ、お茶…お願いします。」「どうぞ。」触れ合う手。ドキッ…あの日でもう終わりだと思っていたのに…世の中何が起きるかわからないものだ。こんな近くで幸村さんの存在を感じることができるなんて思わなかった。エリカはそれから毎日仕事に励んだ。幸村さんに仕事ができるいい女って思われたかった。売り上げをあげて他の女の子に差をつければ幸村さんはもっとこっちを見てくれると思った。なによ
深谷恵梨香 さん作 [265] -
遠くても…-19-
車の中がすごく狭く感じた。運転席ってこんなに近かったっけ?手を伸ばせば届く距離。エリカは恥ずかしくて、ずっと下を向いていた。「エリカ、突然で申し訳ないんだけど、昨日入ったばっかりだけど、今日からエリカ、うちの店に移動になったから。」………「え!?なんで!!?…ですか!?」「森っちに頼んでうちの店の女の子と交換になったから…よろしくね。」…ってことは、ほぼ毎日、幸村さんと同じ空間で、あんなに長い時
深谷恵梨香 さん作 [260] -
遠くても…-18-
お昼12時ちょうど。前日、あまりにいろんなことがありすぎて眠れなかったせいかエリカはリビングで1人ウトウトしていた。トゥルルルルル…「は…」電話だ…エリカは半分寝ぼけながら着信画面も見ずに電話にでた。「もしもーし…」「…あ、エリカ?おはよ。」………!?幸村さん!?「あ、おっはよ…ございます…」寝ぼけていたエリカは幸村さんからの突然の電話に驚いてあたふたしてしまった。「エリカさぁ、今晩は出勤できる
深谷恵梨香 さん作 [256] -
遠くても…-17-
その後も気まずい空気が流れたまま時間はどんどん過ぎていった。「お疲れさまです。」思えばこんなに長い時間、幸村さんと同じ空間で過ごすことなんてなかったな。短かった。「エリカ、よかったらなんだけど…番号教えてくれない?」「番号?」「携帯の番号!!俺、エリカのことけっこう気になっててさ。ダメかな?」うそみたいだった。塚本さんのあの話、本当だったんだ。「あ、いいですよ。」そっけないエリカの態度。まただ。
深谷恵梨香 さん作 [251] -
遠くても…-16-
エリカの手を引っ張って歩いていく幸村さん。「幸村さん?」「エリカ…びっくりした…なんでこんなとこにいるの?」「あ、エリカ、実家こっちだから…幸村さんのほうこそ、なんで…」「前の店と同じ系列で一昨日から新しく店だしてさ…転勤になった。ちなみに今エリカいたとこも同じ系列だから…」びっくり…出来すぎた偶然だよ。あの日で、エリカと幸村さんはまったく接点がなくなったはずなのに…あの日のことを思い出して、エ
深谷恵梨香 さん作 [257] -
遠くても…-15-
「エリカです。今日1日よろしくお願いします。」「店長の森です。よろしくね。なんか雰囲気いいコだね。期待してるよ。」優しそうな店長…絶対怒んなそ…エリカのまわりはおだやかなヒトが多いな…今日は週始めなのもあってお店はガラガラ…ヒマだなぁ…なんてボーっとしているそのときだった。カランコロン…「森っち!!」「…」聞き覚えのある声…「あ、森っち〜急に団体入っちゃったんだけどさー、女の子1人貸してくんない
深谷恵梨香 さん作 [233] -
遠くても…-14-
あれから数ヶ月…学校を卒業して実家に帰ったエリカは就職浪人。なさけない…「エリカー!!どうせぐだぐだニートしてるならうちの店で働かない?」最近仲のいいアイ。高校卒業してからずっと夜で生きてきたらしい。「はー、やだよー。夜とか向いてないし。」「エリカ、前、夜やってたじゃん。お願い!!今うちヒト足りないし。1日だけでもやってみてよ。」「えー…」貯金もそこついてきたしなぁ…仕事も見つからないし、仕事み
深谷恵梨香 さん作 [243] -
遠くても…-13-
今日がラストだった。エリカは雪の中ひたすら幸村さんを待ち続けた。寒くて手がかじかんだ。ふと空を見上げると吸い込まれてしまいそうなほど真っ暗な世界が広がっていた。1時間…2時間…3時間待った。空の暗さに不安になって、あきらめようと思ったそのときだった。「幸村さん!!」そこには愛しいあのヒトの姿。やっと会えた。「おう、お疲れ。 どうしたの?」幸村さんは少しとまどっていた。やっぱり前みたいに優しい笑
深谷恵梨香 さん作 [282]