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けい さんの投稿された作品が5件見つかりました。
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君が笑うと、僕も笑うから5・end
あの頃の笑顔は、まだちゃんと輝いていた。なあ、笑ってくれよ。頼むよ、頼むから。あの頃みたいに、弾けるような笑顔を見せてくれ。なあ、頼む。頼むから、笑ってくれ。隣にいるのは俺じゃないけれど。もう、じかにその笑みを受けることはできないけれど。俺にはわかる。きっと、わかる。ほら、その笑顔は、空も照らすんだ。だから、笑ってくれよ。俺の――いとしいひと。君が笑うと、僕も笑うから
けい さん作 [103] -
君が笑うと、僕も笑うから 4
俺とめぐみに、未来はない。 去年のクリスマス、2人で一緒にろうそくの炎を吹き消した。そのぼんやりとした明かりの向こうに見えた、穏やかなめぐみの笑顔を思い出した。 おととしの夏祭り、ムリヤリ着せられた浴衣に四苦八苦しながらも、何だかんだで騒ぎまくった。その日の花火の最後に、綺麗だねと笑っためぐみの笑顔を思い出した。 大学の入学式で、正反対の位置にあるにも関わらずどうしても一言「おめでとう」が言い
けい さん作 [186] -
君が笑うと、僕も笑うから 3
立ち尽くしている間に、めぐみは行ってしまっていた。だが、そんなことは気にしていられない。その時自分は気付いてしまったのだ。俺はもう、めぐみと一緒にはいられないということに。 その場にしゃがみこんで、考えた。 あの笑顔を、俺はいつから見ていなかった?そばにいるのが当然で、いつからかめぐみを、本当の意味で見なくなっていたのか?めぐみは自分の変化に気付いているのか? 疑問はつきない。ただ、絶対に揺る
けい さん作 [140] -
君が笑うと、僕も笑うから 2
「なあ、笑ってくれよ」 空を仰ぎながら、誰に言うともなしにつぶやく。本当の笑顔を見なくなったと感じたのはいつからか。 お互い、愛し合っているという事実を疑ったことはなかった。ケンカもしたし、それなりの修羅場も経験した。それでも、5年という時間を共に生きてきた。「めぐみ」 どんなに思っても駄目なんだと、知った。決定打は2ヶ月前の今日。 教授の都合でゼミがなくなり、予定外の時間ができたその日。研究結
けい さん作 [250] -
君が笑うと、僕も笑うから
「ごめん」「え…?」「ごめん」「なに…言って…」「もう、終わりにしよう、俺たち」「やめて…」「無理だよ。これ以上は」「そんな、そんなことない」「無理なんだ」「イヤだ…イヤだよ、ねえ!」「俺たちは限界だよ」「なんで?何でいきなりそんなこと言うの!?」「いきなりじゃない。ずっと考えてた」「うそっ…!」「鍵、返すよ」「え?…ッ」「じゃあな」「いや…イヤだ!待って!」「いいヤツ見つけろよ」「行かないでっ
けい さん作 [230]
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