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α さんの投稿された作品が8件見つかりました。
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パンケーキにお住まいの野ねずみさん9〜馬2
全力疾走後のサラブレッドのように肩で息をしていたお馬さんは大人しく座りなおすと、恥じ入ったように野ねずみ父さんに頭を下げて言いました。 「すみません…。つい日頃の恨みつらみが…。先生に言っても仕方のないことですのに。」 お馬さんは心底申し訳なさそうに、少し迷いはしましたが誠実そうな黒い瞳で野ねずみ父さんを真っ直ぐ見つめて言いました。 「八つ当たりをしてしまいました。本当にすみません」 野ねずみ
α さん作 [324] -
パンケーキにお住まいの野ねずみさん8〜今日は馬でどう?
続いての相談者はお馬さんです。 お馬さんは野ねずみ父さんが勤める会社で馬車の運転手をしています。御者がいなくても自分で進んで行けるんです。偉いですね。 「先生、ワタシ、ここのところ同僚との付き合いが馬くいかないんです」 お馬さんはしょんぼりと机に置いた蹄に目を落として野ねずみ父さんに打ち明けました。 「上手くいかないというのは、例えばどのような…?」 野ねずみ父さんが気遣わしげにそっと尋ねると
α さん作 [312] -
猫物語37〜猫さん久しぶり( ゜ー^)>゛
子猫のためを思ってか、それとも鼠捕りを笛に頼ることばかりこだわっている稚拙さをただ叱咤したかっただけなのか、捨て台詞を残して逃げてゆく怪盗ねこひげを為す術なく見送った子猫は呆然として呟きました。 「自分自身にできることを…?」 子猫にとっては鼠を呼び集める笛を借りることが今の自分にできることだと思っているのに、怪盗ねこひげからはそうは見えないらしいことに、子猫はいささかならずショックを受けてい
α さん作 [327] -
パンケーキにお住まいの野ねずみさん7−秋刀魚さん2
あんまり秋刀魚さんが感情的なので野ねずみ父さんもタジタジとしながら、なだめようとします。 「ま、まあまあ、秋刀魚さん、落ち着いて…。 誰でも自分以外の都合や事情の深刻さにはなかなか気づけないものです」 「分からないからって、他者を傷付けて平気でいても良いって先生は思っていらっしゃるんですか?!」 秋刀魚さんはキッと顔を上げると野ねずみ父さんを恨めしげに睨みつけましたが、平坦で真ん丸な目なのであ
α さん作 [326] -
パンケーキにお住まいの野ねずみさん6−今日は秋刀魚
続いての相談者は秋刀魚さんです。金魚鉢に入ってご入室です。秋刀魚さんは魚なので元々魚眼のため今更凸レンズ状のガラス越しに野ねずみ父さんを見ても特に怖がる様子はありません。 「先生、今日は先生に聞いていただきたいことがあって来ました。」 店頭では見られないほど、どんよりした面持ちで切り出した秋刀魚さんに野ねずみ父さんは応えます。 「はい、そのために私はこちらに勤めさせていただいているのですから、
α さん作 [309] -
パンケーキにお住まいの野ねずみさん5
「実は…雇用拡大も消費税引き上げも経費削減も皆ができると言ってるので必ずできると思うのです」 「…それは、全て同じ方から聞いた話ですか?」 鳩さんは後ろに引いて姿勢を正すと、とても真剣に言いました。 「いいえ、皆違う小動物からききました。そして皆の話を総合的に検討した末にできるような気がしてきたのです」 「つまり…それぞれの項目をそれぞれの小動物がそれぞれの方法で可能だと鳩さんにお話ししたので
α さん作 [336] -
パンケーキにお住まいの野ねずみさん4
さて、野ねずみ父さんのお仕事は社内カウンセラーです。 野ねずみ父さんが勤める会社は2日前にCEOの候補者が公示されたばかりで選挙戦の真っ只中です。 どちらに着けば良いのか判断つかねている悩み多き小動物たちが続々とカウンセラールームにやって来ます。 今日一番の相談者は鳩さんでした。 「先生…、僕は一生懸命やってるんです。なのにどうしてちっとも平和至上主義の精神を理解してもらえないのでしょうか…。
α さん作 [292] -
パンケーキにお住まいの野ねずみさん
野ねずみ父さんは出勤後さっそく上司に労災を申請しようとしましたが、野ねずみ父さんの上司の針ねずみさんは言いました。 「それは君、熱中症でもないのに、それは無茶ってものだろう」 嗚呼、やっぱりな…と思いながらも野ねずみ父さんはかそけき家計のためにわずかな希望を込めて上司の針ねずみさんに食い下がります。 「けど私は出勤するときに屋根の部品が落ちてきて下敷きにされたんですよ?」 なるべく哀れっぽくわ
α さん作 [306]
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