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ヒマジン さんの投稿された作品が154件見つかりました。

 
  • MURASAME

    鬼門?太陽は静かに沈み、暗黒が支配する夜の世界がやってきた。幸司、天馬の二人は蔵王丸に呼ばれ、本堂にきていた。「さて、これから仕事の説明をする…けど、その娘も一緒にきたのね…」蔵王丸が溜め息を吐く。砂羽が幸司の腕に抱きついて離れなかった。「まぁいいか…」蔵王丸が諦めたように幸司の方をみた。幸司は砂羽を見るが彼女はただ微笑むだけだった。「僕達が護衛するのはこの鬼門の周辺。今、鬼部大社は東西南北四方
    あいじ さん作 [506]
  • MURASAME

    鬼門?「これは?」暖かい縁側。幸司が手に持った林檎を少女に見せる。「りんご?」少女がつたない言葉で答えた。幸司はにっこりと笑うと少女の頭を撫でた。「よしよし…じゃあ次は…」「…何やってんだ、お前は…」幸司が次の果物をだそうとした時、呆れた声が聞こえた。「砂羽、こいつは?」幸司がすかさず声の主を指差す。砂羽と呼ばれた少女はしばらく考えていたが、閃いた様に明るい笑顔で言った。「うま!」「…天馬だ…」
    あいじ さん作 [452]
  • MURASAME

    鬼門?鎖から解き放たれた少女は目の前の幸司を威嚇するように睨みつけた。幸司がゆっくりと彼女に近づき腰を屈めた。「おい…ヘーキか?」幸司が手を伸ばす。だが少女は幸司の手を払いのけ、首もとに噛みついた。「幸司!」天馬が思わず声を上げる。「だから…言ったのだ…その娘が人になじむはずなど…」天馬が押さえつける腕に力を込める。幻燈斎が痛みに苦しんだ。「ん…大丈夫」幸司が明るく笑った。そして手を伸ばすと、少
    あいじ さん作 [514]
  • MURASAME

    鬼門?幻燈斎と蔵王丸は二人を奥の院へと案内した。本堂も暗黒に包まれた様に暗かったが、奥の院はそれ以上だった。蝋燭の光ですら眩しく感じることができる。「なんか…さっきから変な音がしないか?」幸司に言われ、天馬が耳をすます。まるで、鎖でも引きずっているような音が聞こえる。奥の院を進むにつれ、その音は段々大きくなった。「ここだ…」幻燈斎が立ち止まり、灯りを向ける。灯りの先はまるで牢のようになっており中
    あいじ さん作 [469]
  • MURASAME

    鬼門?鬼部村は帝都東京からかなり離れた所にあった。三人は1日がかりで鬼部村に到着した。「あの…蔵王丸さん…どこまでいくんですか〜」鬼部村に着いたとは言え、目的地である鬼門まではかなり離れていた。荷物持ちの幸司が早々とねを上げる。「もうちょいだよ…多分」和服姿の蔵王丸が軽やかに歩を進める。その後ろから天馬が続いた。「ほら、あそこに見えてるのが鬼門封じの一族のいる鬼部大社さ」蔵王丸の指差す先はまだ遠
    あいじ さん作 [452]
  • MURASAME

    鬼門?暗く、よどんだ空気が辺りに流れた。暗黒に包まれたその空間は邪悪さと共に一種の美しさを表していた。突然、暗闇の中心が昏く光った。気が付くとそこには、影が立っていた。影は暗黒に照らされ嘲った。本部に着くと、既に蔵王丸と咲子が待っていた。「すいません。お待たせしました」幸司と天馬はソファーに腰掛け、二人を見つめた。「いや…いいよ。約束の時間通りだ」蔵王丸はいつになく真面目な顔で二人に言った。普段
    あいじ さん作 [488]
  • MURASAME

    鬼門?暖かい日差しが射し込んでくる。つい最近まで寒さに苦しんでいたのが嘘のようだった。「あったかくなってもうちは暇だね」そんな独り言を呟きながら、喫茶店「デッドエンド」マスター、雨宮涼介はコーヒーカップを拭いていた。「そんなことないですよ。元気だしてください!」隣で美優が明るく言った。雨宮は美優に向かって微笑んだ。その時、入り口の呼び鈴がガラガラと音をたてた。「マスター、お久しぶり」「なんだ…君
    あいじ さん作 [472]
  • MURASAME

    亞リス?「京子…何故…」「あなた…自分の体を見て…」私は自分の体を見回す、そして驚いた。私の体は排水で汚れ濡れていた。「まさか…私が亞リスを…無意識のうちに…?」記憶が蘇る。亞リスを捨てるとすぐにどぶ川に飛び込み、亞リスを拾い上げた自分を…そのまま亞リスを抱きかかえ、雑踏を歩く自分を…「私…だったのか…そうか…」「あなた!そいつは悪魔よ。人の想念を吸い上げ、生き続ける魔人形…」京子が懐から一枚の
    あいじ さん作 [511]
  • MURASAME

    亞リス?「なんなのですか?その永久機関と云う物は…?」京子が蔵王丸に云った。蔵王丸は一枚の写真を持ち出し、京子に見せた。「これ…は…」京子の表情が固くなった。「アリスレス式永久機関…人の想念を物理的なエネルギーに転換する発明…真柄教授はこの研究に生涯を賭けていた…私が教授の下で勉学に禿げんでいた時の教授の写真です…」蔵王丸の表情が暗く沈む。「では、うちの主人は…」「想念を吸い取らています。いずれ
    あいじ さん作 [495]
  • MURASAME

    亞リス?私が亞リスに出会って…もうどれ程の時が流れたのだろう…私の亞リス…。愛しい亞リス…。男は人形を抱きしめると、まるで神聖なものに触れるかのようにそっと髪を撫でた。彼は人形に語りかけた。「亞リス…。君が愛しい…とても…君がいない世界など…存在する価値がない…嗚呼、亞リス…」人形は答えない。だが、男の頭にはしっかりと人形の声が響いていた。暗闇のなか、男は亞リスを愛でた。甘美な快楽を貪るが如く…
    あいじ さん作 [492]
 
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