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ヒマジン さんの投稿された作品が154件見つかりました。

 
  • MURASAME

    亞リス?私を想ってくれたなら…私はここにいる…我想フ故ニ我アリ…亞リスに出会ったのはいつだっただろうか…かつて私は時代の寵児とまで謳われた小説家だった。私の作品を読んだ全ての人間が私の作品の虜になった。だが、世間は私を見捨てた。世間は私にかつてと云う烙印を押し、嘲笑した。私は絶望に打ちのめされた。ただ毎日を漠然と過ごし、無気力にただ生きていた。いや、死んでいたという方が正しいだろうか…?亞リスに
    あいじ さん作 [486]
  • MURASAME

    邪龍?荒く、強い波が押し寄せてくる。まるで海が悲鳴をあげているようだった。まだ昼間だというのに辺りは黄昏時のように昏く燃えていた。降魔が刻…まさにそう呼ぶにふさわしい暗黒だった。 砂浜に巫女装束の姿をした美優がいた。普段見せないような清廉とした表情で波の向こうを見つめていた。後ろには天馬が待機し、邪龍を待ち続けた。少しばかり経った頃だろうか、急に海が荒れ、波は更に高くなった。そして、不快な唸りと
    あいじ さん作 [616]
  • MURASAME

    邪龍?「本当に心配したんだからね」咲子が林檎の皮を剥きながら言った。「すんません…でも、俺が寝てる間にそんな事になってたとは…」幸司が頭を掻く。まだ、頭に巻かれた包帯が痛々しい。「天馬の奴…大丈夫かな…」「あなたの方が心配よ…」そう云うと咲子は幸司の口に切り分けた林檎を押し込んだ。幸司がモゴモゴと口を動かしていると病室の扉が開いた。そこには蔵王丸が立っていた。「おぅ…起きたんだね…おはよー幸司く
    あいじ さん作 [469]
  • MURASAME

    邪龍?天馬が出雲に来て一週間が経った。いまだに修行は終わらないのか二人の姿すら見らんない。(間に合うだろうか…?東京じゃ邪龍の被害が広がりつつある…)天馬は焦っていた。淡い期待を持ちつつ再び、美優の実家に向かうといつもと様子が違っていた。「なんだ…どうしたんだ!」天馬が見ると、奥座敷は開け放たれ、そこに美優と彼女の祖母が倒れていた。「…あ、安藤殿、修行は無事修了しました…美優を連れていってくださ
    あいじ さん作 [508]
  • MURASAME

    邪龍?天馬は出雲に向かって急いだ。邪龍の動向も気になったが、今は何よりも「龍の巫女」の可能性がある巽美優を連れてくることが先決だと思われた。(しかし、美優ちゃんが龍見真白の子孫である確証は殆どない。もし…間違っていたら…)彼はその考えを打ち消し、一路出雲を目指した。巽の家を見つけるのに時間はかからなかった。天馬は客室で待たされ、しばらくすると美優とその祖母らしき人物が姿を現した。「ええ、確かに私
    あいじ さん作 [517]
  • MURASAME

    邪龍?本部の資料室は地下にあり、滅多なことでは出入り出来ないこととなっていた。天馬は大量の資料に埋もれながら邪龍対策を模索した。「…妖図鑑?…違う…妖庁創設記録…これか?」天馬は一冊の分厚い本を手に取り、ページを開いた。「創設メンバーは四人…氷川勇斗、柊修蔵、薬師院大光明そして、龍見真白」天馬は再びページをめくると次の記述を読み始めた。「氷川勇斗は現最高長官の先祖、柊修三は戒金剛の精製者として1
    あいじ さん作 [527]
  • MURASAME

    邪龍?天馬が気が付いたのは本部のベッドの上だった。記憶がで曖昧だったが、少しすると痛みとともに蘇ってきた。「そうだ…!あの蛇にやられて…それに幸司は…?」天馬は辺りを見回すが幸司の姿はない。その時、病室の扉が開いた。「蔵王丸さん…」そこには蔵王丸と咲子が立っていた。「体のほうはどうだい?」「半分は機械ですからね。どうにか…という感じです…それより、幸司は…」蔵王丸が顔を背け、肩を落とした。それを
    あいじ さん作 [541]
  • MURASAME

    邪龍?幸司は羅喉を大地に叩きつけた。その衝撃に砂浜の砂が舞い上がり、海を裂いた。だが、巨大蛇は身を翻し、その衝撃をかわした。「もらった!」天馬が波間から姿を現し、腕の剣を巨大蛇の両目に突き刺した。耳をつんざくような怒号が辺りに響き渡った。巨大蛇は身を振るわし、天馬を叩き落とした。「今だ!やれ、幸司!」「よっしゃぁ!」幸司は海上に踊り出て、羅喉を構えた。両目のない巨大蛇は悶え、苦しみながら幸司の姿
    あいじ さん作 [490]
  • MURASAME

    邪龍?この世界を始めに支配していたモノは八首の蛇であったという。屈強な体を持つ彼らだったが、神に敗れ、その姿を消す。彼らはどこに行ったのだろう…。滅び去ったのか…。それとも…。風が潮の香りとともに寒波を運ぶ。夏であれば、多くの人で賑わう海も、冬となれば静寂が流れる。だが、その静寂を突き破るように声が響いた。「へっくし!!」「きったねぇな!こっち向いてくしゃみすんじゃねぇ!」「わりぃ…」幸司が鼻を
    あいじ さん作 [564]
  • MURASAME

    雪女?「あんた、雪女って知ってるか?」俺は突然の質問に驚いたが、頷いた。なんだこいつ…妖怪研究家?「実はな、この地方はでるらしいぜ?こんな吹雪の日は特にな…何でもたいそうな美人らしいが、言葉を交わすと死ぬらしい…」吹雪の日に現れる…女…どこかで聞いたような…。俺が考えこんでいると、眼鏡の男が立ち上がり、暖炉から離れた。「今日あたり、くるんじゃないか?」不意に吹雪が強まった気がした。俺は眼鏡の男を
    あいじ さん作 [546]
 
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