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ヒマジン さんの投稿された作品が154件見つかりました。

 
  • 人魚の箱

    私が見つけたモノ…そりゃあ『女』で御座いますのよ未だ少女のようなあどけなさを宿しておりましたが…なんというか不思議な色気を持っているといいますか…兎に角妖しい女であったんですわ…私は一目でその女を気に入りましてね…聞きゃあ身寄りもねぇ…行く先もねぇってんで私が引き取ったんですわ…ところがその女…不思議なことに歩けなかったんですよ…足が無い訳じゃないんですが…仝してか私にもそれは解らなかった。私は
    あいじ さん作 [601]
  • 人魚の箱

    その日…僕は行きつけのバーで慌ただしかった一日に終止符を打つべく静かに飲んでいた。其処は場末のバーと云うヤツで僕以外に客は無く、静かに流れるシャンソンが侘しい夜を演出していた。そんな夜だった。 あの男に出会ったのは… そいつは浮浪者のような風体で静かに僕の横に腰を降ろした。「旦那…すいやせんが一杯奢っちゃくれねぇでしょうか?」僕はそいつの言葉を無視して残っていた酒を飲み干した。 すると男は汚なら
    あいじ さん作 [699]
  • MURASAME

    天魔降伏?明るい晩だった。草木は眠り、穏やな暖かい朝を待つ。恐らくは人も。人は夜に一旦死に、朝に再び蘇ると言う。ならば『死』とは、『朝』に目を覚まさずに蘇えらないことなのかも知れない。今全ての生命はその活動を停止させ、『朝』と云う名の『新生』に備えている。ここは日光東照宮かつて日本を平定しこの国を支配した男が眠っている聖地。そこに黒装束の男が舞い降りた。可王京介彼は小鉄を引き抜くとその男が眠って
    あいじ さん作 [654]
  • MURASAME

    平将門21大光明は舞いを止め、鎧武者を見上げた。既に本体を失い全ての力を無くした鎧武者は消滅するよりない。「思えば殊勝なことよ。平将門はこの帝都の守護神と云ってもよいのじゃから」 と、後になって大光明が語ったと云う。鎧武者消滅とともに帝都中に群れていた水虎や亡者たちもいつしか消え去り、上野と渋谷の狛犬も戻った。「街が戻っていく…!」「違う。帝都の記憶が蘇ったのだ。再び霊的な守護が復活すれば帝都は
    あいじ さん作 [503]
  • MURASAME

    平将門?桜が舞う。 普段ならば大地を砕きあらゆる存在を斬り裂く羅殺剣だが、たった一本の桜の前にその斬撃は消滅した。「馬鹿な…!?」(無駄なことだ…所詮人では我を倒すことはできない…)桜が再び舞う。すると幸司の全身から血が吹き出し、斬り裂かれたようにその胸元がばっくりと開いた。全身の血が彼岸花のように吹き出し、幸司は自身の血流の中で嗚咽を洩らしうめいた。「てめぇ…人間か?いくら平将門とは言え…只の
    あいじ さん作 [553]
  • MURASAME

    平将門?周辺は既に悪鬼の巣窟なりつつある帝都東京は暗黒に包まれ全ての機能を無に還されている。どの家もビルも明かりや人の気配はなく、まるで廃虚のように静まり返っている。 そう 人々は知っているのだ。 かつて人間は暗闇の下、妖しのもののけ達ともに息を潜め生きていたと云うことを。知識ではなく、本能で。それは脈々と受け継がれてきたのだ。幸司は絶句した。将門塚のある大手町は人の住めない魔界と化していた。全
    あいじ さん作 [491]
  • MURASAME

    平将門?「いてて…」「これ、しっかりせんかい!」先程の波動で吹き飛ばされた瓦礫の山から大光明と竜助が顔をだした。どうやら一緒に吹き飛ばされてしまったらしい。二人とも顔が煤け、全身に小さな傷がつけられていた。「あの馬鹿めが…儂を置いて走り出すとは何事か!」「誰ですか?」しかし竜助の問いに答えるより速く、烈光の如き輝きと漆黒の波動が辺りに狭軌を描いた。「なんじゃ!?」大光明が見上げる先には光の柱が天
    あいじ さん作 [587]
  • ロストメロディ

    刹那にしてみればそれは永遠に続く久遠のような時間だったのかも知れない。しかし、現実にはルシフェルの矢が刹那の胸を貫いてからそんなに時間は流れていなかった。「バカな…コイツ…まさか…!?」ルシフェルの顔が引きつった。刹那はその胸元を深紅に染めながらも、己の脚で立ちあがった。有り得ないような光景である。「ルシフェル…お前はどうやら彼を目覚めさせただけらしいな」刹那の胸の矢が消滅し、その両腕に光の粒子
    あいじ さん作 [521]
  • MURASAME

    平将門?可王が微笑む。振り上げられた闘志は再び立ち上がり、帝都を崩壊へ導かんとする巨大な地霊に刃をむけた。「師匠、手伝ってもらいます」「その意気や良し、決して足手まといになるでないぞ!」幸司が勢いよく駆け出すとそれに合わせ可王も疾走する。その気配に気づいた亡者達がまるで鎧武者を守護するようにその進路を塞いだ。「邪魔だ!」羅喉の刀身が砕け、光の刃が露出する。そしてそのまま光を大地に叩きつけると凄ま
    あいじ さん作 [593]
  • MURASAME

    平将門?何も変わらない。その姿、そして立ち居振る舞い、何もかも全て。自分を育て、実子以上の愛情を注いでくれたやさしい瞳。そして一年前鬼門を開き、幸司自身すらもその手にかけようとした、あの時の暗い輝きを持つ眼。それが幸司の記憶をフラッシュバックさせた。「し…師匠…」「一年ぶりだな…元気にしてたか?」羅候の切っ先が揺れる。震えが止まらない。幸司を構成する全ての細胞が目前に迫り来る巨大な鎧武者よりも、
    あいじ さん作 [714]
 
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