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カザン さんの投稿された作品が13件見つかりました。

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  • 世紀末戦記 13

    長い長い眠りからキーオーは目覚めた。昼なのだろうか。太陽の光が彼を照らした。彼は小さな部屋のベットに寝かされていた。ベットに小さな机と椅子があるだけで他に目立つものがない。壁一面まっさらな白に塗られているのは、南側にぽっつり開いた小さな窓の光を部屋中に行き渡らせるためだろう。暗くなく、眩しくなく心地よい明るさだった。外が騒がしい。彼は起き上がり、窓の外を見た。窓の外には銀色に輝く大海原が広がって
    カザン さん作 [301]
  • 世紀末戦記 12

    それはナカニス川と海の間にある河口堰だった。河口堰の内側には通路があり、そこを通らしてもらうのだ。早速ジャックは係員のゾルタスを呼んだ。「おーい!!ゾルタスのおっちゃん。」ジャックが呼ぶとゾルタスが出てきた。彼は水門の開け閉めや水の管理をしている。「ジャック!!また買い出しか!?」「今日も使わせてもらうよ。」「ああ使いな。しかし昨日からの大雨ですごい水だ。くれぐれも落ちんなよ。」「わかってる。毎
    カザン さん作 [304]
  • 世紀末戦記 11

    ジャックは石畳の道を進み市場へと向かった。朝からすごい人だ。特に今日は週末で、多くの人が仕事、観光、移民、様々な目的でゼ・ロマロを訪れている。さらにゼ・ロマロの住民たちも買い物に出かけるためたくさんの人で溢れていた。ゼ・ロマロ海に面した町であるため、多くの川の河口がある。その一つ、世界で7番目の長さを誇るナカニス川がある。水源は遥か北、アムチャットのアルドラスから流れてくる。距離にして世界で圧倒
    カザン さん作 [292]
  • 世紀末戦記

    第2章朝早くからの買い出しでジャックは眠たかった。潮の匂いがする。朝からゼ・ロマロの港は騒がしかった。空では鴎がうるさく鳴き、道には人が溢れている。そんな鴎たちを一掃するかのように空では定期便の大型船が飛んでいる。一体何を動力に飛んでいるのだろう、とジャックは初めて見た時考えたものだが、今では見慣れてしまって当たり前になってしまった。でもそれが朝から2、3隻飛び交い、鴎の鳴き声なんか到底及ばない
    カザン さん作 [344]
  • 世紀末戦記 9

    キーオーは叔父さんを止めよう声を出した。だが声は叔父さんには聞こえなかった。キーオーは声を出していた。彼が口から言葉を出した瞬間に、爆音が響いたのだ。その音は雷ではなかった。そして一時の間雨が降り止んだ。再び雨が降り始めた時、叔父さんが振り向いた。「まずい!!」キーオーは何がなんだか分からなかった。叔父さんがバックから剣を取り出したのが分かった。優しい叔父さんの目が変わったのが分かった。雨の強さ
    カザン さん作 [310]
  • 世紀末戦記 8

    明くる日の朝早く、キーオーは叔父さんに呼び出された。空は晴れていたが、西の空の積乱雲が嵐の到来を予言していた。キーオーと叔父さんは村の外れにある林の中までやってきた。叔父さんはフードとマントを付け身支度をしていたので、キーオーはてっきり旅連れってくれるのかと思い身支度をしていた。だが、叔父さんは林の中で止まりバックから青い宝石を取り出した。キーオーはその美しさに心奪われた。そして深海のように青く
    カザン さん作 [316]
  • 世紀末戦記 7

    2人は祝いの席が設けられた村の集会場の外に出た。蚯蚓が鳴いていた。見上げると空に月が2つ架かっている。ルクルクシアルが放つ金の光とレラクスが放つ銀の光が混じり合い、小麦畑を幻想的に染めている。時より吹く風が、体と湿気で体にへばりついた服との間に隙間を開けた。「俺、旅に出るかもしれない。」キーオーがきり出した。「もう俺も16だし、叔父さんが連れてってくれるかもしれないんだ。」叔父さんが僕を連れてっ
    カザン さん作 [330]
  • 世紀末戦記 6

    「ふぅ、終わった」キーオーは思わずそう漏らした。気づけば日も暮れ、小麦畑は橙色に染まった。死体は村の墓地へと埋葬された。キーオーは幼い頃から死体は見慣れていたためこの程度の事はどうってことなかった。けれども、悲しくはなった。キーオーは自然の摂理の中で寿命をまっとうした死は納得がいくが、戦争や不慮の事故で訪れた死は納得がいかなかった。(なら、どうしてこの世に生を受けたんだ?)そんな疑問がキーオーの
    カザン さん作 [319]
  • 世紀末戦記 5

    村に向かう間、叔父さんは2人に「村の様子はどうだ?」とか「今年は豊作だったのか?」とか質問をした。2人は「変わらない。」と答えた。家に着くと母が朝食の支度をして待っていた。「お久しぶりです。」母が玄関の扉を開けて言った。「はい、一年ぶりです。」この2人のやりとりも一年前と同じだった。朝食は毎年、叔父さん、母、キーオー、セイル、セイルの両親の6人で食べていたが、先週の大雨で川の上流の橋が流され、セ
    カザン さん作 [309]
  • 世紀末戦記 4

    ドアを開けるとセイルが立っていた。髪はボサボサで顔も洗ってないようだったが、その目は輝いていた。彼も叔父さんの帰郷を楽しみにしている一人である。「よし、行こう!!」キーオーとセイルは村の入り口へと向かった。馬小屋の横を通り過ぎ、小麦畑を抜ける。朝食を食べるのも忘れて走り抜ける少年たちを見て不思議に思った羊飼いのグラニスが「どこ行くんだよ!!」と声をかける。2人は止まることなく、口を揃えて「叔父さ
    カザン さん作 [340]
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